もう一人の俊寛を見た 文楽「平家女護島」
2017年 02月 12日
きのうは人形町のカミヤで昼間から鬼無里会の29年目を迎える新年会。
老若男女(老のほうが増えつつあるのだが)25人ほどか、いつものようににぎやかに笑いの絶えない4時間だった。
休日閉店を空けてもらって、鍋に刺身に焼き鳥が山盛り、破格の料金がありがたい。
そのまま帰るのが名残惜しくて8人ほどでカラオケ、もう声が出ないなあと思いつつも二三曲歌った。
飲みすぎた翌日は節制、これ幸いと明日内視鏡検査を予約したら、前日はこれを食えとお粥などの袋入りを渡された。
まずくはないが、いかんせん、量が少ない。
それに、毎朝、食後におやつをいろいろつまむという悪習が身についているものだから、お茶だけというのがなんとも切ないブルースだ。
7日にこれ・「平家女護島」を観てから新幹線で郡山に行った。
帰ってすぐに書こうと思ったのに、、どんどん細かいことを忘れてしまう。
国立劇場50周年記念の「近松名作集」。
文楽が面白くなったのと、近松門左衛門の名作も冥土の土産にと三日に分けて予約してその最初。
能の「俊寛」は見ている。
能と違うのは、俊寛の妻・あずまやが清盛入道に迫られて自害、その首を教経が切り落として「あんたは顔さえあればいいだろう」と清盛にさしだすというグロっぽい「六波羅の段」がまず語られる。
「鬼界が島の段」では成経が海女の千鳥と夫婦になったというので、配流の三人は喜びあって俊寛は親代わりに康頼は兄代わりになろうといい、水を酒のつもりで乾杯をしていると御赦免の船がやってきて御赦免状では俊寛だけが許されていないのに、重盛がとくに俊寛も許すように計らったことがわかる。
上使の瀬尾が清盛べったりの意地の悪い男で船に乗るのは三人だから千鳥は連れていけないという。
あまつさえ憎々しげに俊寛の妻のあずまやが殺されてしまったことを告げたので、悲嘆にくれた俊寛は自分は残るから千鳥を連れていくように願うがそれも冷たく断られ、ついに瀬尾を殺してしまう。
手負いの瀬尾と痩せさらばえた俊寛の長い戦い、千鳥が加勢しようとするのを俊寛は止める。
そして、もう一人の上使である基康に千鳥を託して自らは(殺人者でもあり)残るのだ。
三段目は「船路の道行きより敷名の浦の段」。
清盛が法皇を殺そうと船から突き落とすと、御赦免船から降りて物陰から見ていた千鳥が、そこは海女、果敢に飛び込んで法皇を救うのだが、清盛から殺される。
海女・千鳥が裸で働く様子をエロテイック(健康な色気)に描写し、薩摩弁(?)で「りんにょぎゃあって(可愛がって)」などという所がなかなか楽しい。
俊寛が侠気で身代わりになったり、妻の仇ともいうべき瀬尾を切ってしまうのも能にはない、観客を喜ばせる近松の趣向。
そしてかっこよく(?)一人で残った俊寛が急に寂しくなって御赦免船の見える岩に駆け上がって手を降るのは人間の強さと弱さを見事に描いていると思った。
(水天宮改築が終わっていた)
老若男女(老のほうが増えつつあるのだが)25人ほどか、いつものようににぎやかに笑いの絶えない4時間だった。
そのまま帰るのが名残惜しくて8人ほどでカラオケ、もう声が出ないなあと思いつつも二三曲歌った。
まずくはないが、いかんせん、量が少ない。
それに、毎朝、食後におやつをいろいろつまむという悪習が身についているものだから、お茶だけというのがなんとも切ないブルースだ。
帰ってすぐに書こうと思ったのに、、どんどん細かいことを忘れてしまう。
国立劇場50周年記念の「近松名作集」。
文楽が面白くなったのと、近松門左衛門の名作も冥土の土産にと三日に分けて予約してその最初。
能の「俊寛」は見ている。
能と違うのは、俊寛の妻・あずまやが清盛入道に迫られて自害、その首を教経が切り落として「あんたは顔さえあればいいだろう」と清盛にさしだすというグロっぽい「六波羅の段」がまず語られる。
「鬼界が島の段」では成経が海女の千鳥と夫婦になったというので、配流の三人は喜びあって俊寛は親代わりに康頼は兄代わりになろうといい、水を酒のつもりで乾杯をしていると御赦免の船がやってきて御赦免状では俊寛だけが許されていないのに、重盛がとくに俊寛も許すように計らったことがわかる。
上使の瀬尾が清盛べったりの意地の悪い男で船に乗るのは三人だから千鳥は連れていけないという。
あまつさえ憎々しげに俊寛の妻のあずまやが殺されてしまったことを告げたので、悲嘆にくれた俊寛は自分は残るから千鳥を連れていくように願うがそれも冷たく断られ、ついに瀬尾を殺してしまう。
手負いの瀬尾と痩せさらばえた俊寛の長い戦い、千鳥が加勢しようとするのを俊寛は止める。
そして、もう一人の上使である基康に千鳥を託して自らは(殺人者でもあり)残るのだ。
三段目は「船路の道行きより敷名の浦の段」。
清盛が法皇を殺そうと船から突き落とすと、御赦免船から降りて物陰から見ていた千鳥が、そこは海女、果敢に飛び込んで法皇を救うのだが、清盛から殺される。
俊寛が侠気で身代わりになったり、妻の仇ともいうべき瀬尾を切ってしまうのも能にはない、観客を喜ばせる近松の趣向。
そしてかっこよく(?)一人で残った俊寛が急に寂しくなって御赦免船の見える岩に駆け上がって手を降るのは人間の強さと弱さを見事に描いていると思った。
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doremi730 at 2017-02-13 00:24
>一人で残った俊寛が急に寂しくなって御赦免船の見える岩に
>駆け上がって手を降るの、、、
歌舞伎の涙を誘う名場面を思い出しました。
あすの検査の為にお粥だけでお辛かったですね(^^;
>駆け上がって手を降るの、、、
歌舞伎の涙を誘う名場面を思い出しました。
あすの検査の為にお粥だけでお辛かったですね(^^;
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j-garden-hirasato at 2017-02-13 06:21
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saheizi-inokori at 2017-02-13 06:54
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saheizi-inokori at 2017-02-13 06:55
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mama
at 2017-02-13 22:11
x
今度はすれ違ってしまったかな。私も近松を3日に分けて通います。今日は「平家女護島」で両陛下がお見えでした。一番後ろの特別席で鑑賞なさったのですが、幸運にも前の方に座った私は、席を替わって差し上げたい、と思っちゃいました。たった1時間「鬼界が島の段」だけで席を立たれましたけれど、その後きっと、簑助さんに連れられた千鳥とご対面になったに違いありません。簑助さんの遣う女性は愛らしくて大好きですが、今日は舞台上でも若い人たちに腰を支えられていて、ちと心配。
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saheizi-inokori at 2017-02-13 22:34
> mamaさん、今日の朝日新聞夕刊に近松名作集のことが載っていましたね。
「冥土の飛脚」を褒めています、明日行くので楽しみです。
今日の東京新聞は山下澄人が芥川賞を貰った後の感想みたいなことを書いてます。
このところ拙ブログの取り上げる記事も世の中に追いついてきたのかな^^。
「冥土の飛脚」を褒めています、明日行くので楽しみです。
今日の東京新聞は山下澄人が芥川賞を貰った後の感想みたいなことを書いてます。
このところ拙ブログの取り上げる記事も世の中に追いついてきたのかな^^。
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ikuohasegawa at 2017-02-14 07:53
画面の歌詞は「365日の紙飛行機」
これを歌いました?
これを歌いました?
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saheizi-inokori at 2017-02-14 09:55
by saheizi-inokori
| 2017-02-12 12:30
| 能・芝居
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