小身者も楽しんだ 歌舞伎「仮名手本忠臣蔵 完全通し上演第二部」
2016年 11月 26日




浄瑠璃 道行旅路の花婿 清元連中
勘平・錦之助、おかる・菊之助、よかったわいなあ。

五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同 二つ玉の場
落語「中村仲蔵」でお馴染みの定九郎登場。
俺が落語で聴いて想像していた、かっこいい定九郎(松緑)とはやや違った。
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
「芸づくし忠臣蔵」、俺も読んだ丸谷才一の「忠臣蔵とは何か」が「判官の非業の死を勘平がもう一度繰り返すのだ」と書いていたことを思い出させてくれた。
そう思ってみているとなるほど。
花香るような勘平は錦之助だが、菊五郎はリアルな演技で魅せた。
落語やらなんやらで想像して、よくわからなかったあれこれが氷解。
七段目 祇園一力茶屋の場
吉右衛門の由良之助、さっそうとしていいなあ。
「由良さん、こちらへ、手のォなる方へ」、女に太鼓持ち、20人近くと遊び呆ける。
敵討なんてしょぼくれたことやらずにずっとこうしていたくなるほど。
足軽・平右衛門が「小身者の悲しさは(義太夫)人に勝れた心底を見せにゃあ数に入られ(へえられ)ねえ」と妹・おかるを斬って仇討ちの仲間入りをするための功(いさお)としたい、という気持、分からねえけど分かるのだ。
そのあと由良之助に「心底わかった」と東くだりを許されて驚喜する平右衛門兄妹に思わず眼がしらが熱くなるのは隠居の古さかえ。

まだ陽があるのをセエワイ、千鳥ヶ淵をぶらぶらと、九段下までけえったのさ。


そうそう、松緑が余り押してこなかったですよね。
倒れてから顔を客席へ向けることもなく、あっさり目の演出でした。
観劇直前、佐平次さんに『芸づくし忠臣蔵』を紹介いただいたことによって芝居の理解が一層進みました。大変ありがとう存じます。

楽しみにしていましたのに、、、
3日前の11/9夜に怪我しICUの身、
慌てて息子に指示して、行ってくれそうな友人に電話。
チケットを渡して行っていただきましたが、
かえすがえすも悔しい思いをしました。
長時間観ていられるか不安なので、
半年は歌舞伎も芝居もコンサートも諦めます(^^;