白木蓮の花を思わせる笑顔・パク・クネは人びとに同情された 申京淑「離れ部屋」

「TPP絶対反対 ぶれません」とポスターを張りまくったくせに選挙が終わると「私はTPPに反対などと一度も言ったことがない」と言い放ったアベ、たった90分の”謁見”で”信頼すべき友”と見込んだというトランプも御同様にケロッと公約を無視するかと思ったのだろう、アホが、、あっちの方が「ぶれません」ってことか。
グローバリズムの潮目が変わっていることをわかろうともしない。
TPPを前提に使ってしまった予算の責任者をちゃんと出せよな(豊洲よりタチが悪い)。
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いつもの木、いちだんと赤くなっているのだが、上側の赤くなった葉が落ち始めたので、下の緑も目に付く。
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申京淑「離れ部屋」には、作者が大きい兄や母親などの身を削る支援のもと田舎を出てソウルの超ブラックな電機メーカーで、女工哀史もかくやと思われるようして働きながら夜間学校に通った頃のことが描かれる。

1979年10月、朴正煕大統領が暗殺された日のこと。
生徒たちはグラウンドに整列して校長の訓辞を聞く。
みなさんをこの夜学へ通えるようにして下さった方が、銃弾に見舞われてお亡くなりになったと。年老いた校長の声はつまり、彼は夕陽を背にして立ったまま泣き出した。
生徒たちもみなつられるようにしてすすりなくなかで、17歳のわたしは、申し訳ないと思いながら泣くことができない。
その何年か前に大統領夫人が銃殺されたときは、涙がこぼれてきて止まらなかった。
あんなに綺麗な人が死んでしまうなんて、あり得ることだろうか。わたしは大統領に対しては何らの感情もなかったけれど、大統領夫人は好きだった。いつも優雅に梳き上げた髪にしても、その髪を支えている鶴のそれを思わせるうなじにしても、品よくととのっているチョゴリの裾にしても、紫陽花のような笑顔にしても、、、彼女はいつだって、そのような装いとイメージで存在しているようだった。それなのに銃弾を浴びるなんて?(略)

それからというもの時たま、クネとヨンエ姉妹が母親に代わって、父親である大統領の傍らに立っている光景を見た。おおらかな横顔が美しく見えた。あのうら若い女性たちの母親が非業の死を遂げたのかと思うと、胸にじいんと来るのだった。クネとヨンエの面差しは、私が好きだった大統領夫人のそれとそっくりだった。白木蓮の花を思わせる笑顔といい、鶴のような長いうなじといい。ところがその女性たちが、今度は父親まで喪くしてしまったとは。十七歳のわたし、爪先を見下ろしながら、孤児になったクネとヨンエのことを想った。
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だが、グラウンドから教室に戻ると、彼女がもっとも好きな、彼女に小説家になることを薦め、嫌いな珠算の時間は本を読んでいていいと言ってくれた先生が、目を真っ赤にした生徒たちに向かって呆れたという口ぶりで言うのだ。
「きみたちはなぜ泣いたんです?」
教室の中が静まり返った。先生は低い声で、けれども断固とした口調で言った。
「クーデターによって始まった政権が、部下の銃撃で幕を降ろしたんですよ。腐り切った十八年間の独裁政権が崩壊したんですからね。今こそ維新体制(朴正煕軍事政権の七回目の憲法改正によって施行された憲法をそう呼んだ)が崩壊して、少しはましな世の中になるでしょうよ」
軍政下でも立派な教師がいたのだ。
現在のパク・クネ大統領に対する韓国国民の怒りの背景には申京淑が感じていたクネに対する同情が裏切られたということもあるのではないか。
日本人・俺たちは最初から安倍に同情を抱いていなかったから、これだけウソをつかれ裏切られ続けても怒らないのだろうか。
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安 宇植 訳
集英社
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Commented by sora at 2016-11-23 21:26 x
あ~ こういう観点が。。。   ところで
偏見を承知ですが マリーヌ・ルペンとかメルケルとか 
女性は 直裁に本音を述べるように感じます。
Commented by saheizi-inokori at 2016-11-23 21:39
> soraさん、ルペンという人は良くわからないのですが、メルケルは立派だと思います。
安倍に爪の垢を飲ませたいくらい。
女性云々、もしかしたら女性の方が地に足の着いた見方をするのじゃないかなとも思います。
この小説でも、政治的な活動をする三番目の兄が主人公に「文学で世の中を変えろ」というと、自分は「(光州事件の)あの時分、わたしが心底うんざりしていたのは、誰が大統領になるかではなくて、汁に入れようと買ってあった大根が、カチンカチンに凍りついてしまって、包丁の歯が立たなかったこと、そういうことだったの。、、、わたしが文学をしようと思ったのは、文学が何かを変えてくれると考えたからではなかったわ。ただ、好きだったからよ。文学があるというだけでも、現実には不可能なこと、禁じられていることだって、夢見ることができるじゃないの、、」と語っています。
Commented by sora at 2016-11-23 21:41 x
注)小池おやじ稲田ウイッチはN/A
Commented by saheizi-inokori at 2016-11-23 22:02
> soraさん、ふふ。
Commented by j-garden-hirasato at 2016-11-24 06:28
あれだけ強気だったTPP問題、
どうやって幕引きさせるつもりでしょうね。
アメリカが加盟しないなら、
ほとんど意味がないと言われているのに。
世界が反グローバル化の方向に舵取りするなか、
日本だけグローバル化へ。
国を潰す気なのかなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2016-11-24 09:08
> j-garden-hirasatoさん、戦前回帰をめざし神武天皇の実在を信じているオカルト的集団に引きずられ、世界から見放されている安倍政権に任せておいたらほんとに国がつぶれます。
Commented by tona at 2016-11-24 21:07 x
総理の今日の答弁にも呆れました。
>最初から安倍に同情を抱いていなかったから、これだけウソをつかれ裏切られ続けても怒らないのだろうか。
まったくその通りですね。
花とサンチ君の写真、素晴らしい!!!
Commented by saheizi-inokori at 2016-11-24 23:20
> tonaさん、今日は国会中継をみなかったのですが、またアホなことを言ったのですね。
もう怒る気にもなれないです。
サンチは裏切らない!
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by saheizi-inokori | 2016-11-23 11:12 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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