2016年 10月 21日
「土人」発言は地獄につながっている ティモシー・スナイダー「ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実」 |
沖縄高江で無法なヘリポート着工に抵抗する人を「土人」と呼んだ大阪府警の若者。
ネットで見るとヤクザ顔負けの「こらあ」と巻き舌、そういう男たちでなければ日本の安全は守れないのか。
これだけでも論外、府警のトップは引責ものだが、この映像の後ろに、松井大阪知事が「ご苦労様」発言があって、安倍の国会における、海上保安庁や警察、自衛隊の職員等に心からの敬意を表そうと呼びかけ、自民党議員が起立拍手した映像を重ね、そういうぜんたいにやんやの拍手をするネトウヨ、もっと恐ろしい「私には関係ない」を決め込む普通の人たちの群像を想うと、とうとう日本もここまで来たか、とこの句を思い出す。
ユダヤ人は人間ではない。
ポーランド、バルト三国、ベラルーシ、ウクライナに住む非ロシア人を絶滅して食料を確保せよ。
たった80年ほど前に起きたスターリン・ソ連とヒトラー・ナチスによる大虐殺。


殺害政策!巻き添えなのではない。
絶滅しよう、食料を取り上げよう(餓死してもよい)、処刑しよう、、戦場ではない普通の村で、町で意図的に女子供老人を殺したのだ。
アウシュヴィッツなどのナチスによるユダヤ人に対するホロコーストは多くの人が知っている。
しかし、それより先に、はるかに大規模にスターリンはウクライナ人を飢餓死させ(カニバリズムの実態!)、ポーランド人を殺したことは、知られていなかったのではないか。
世界各国の人民戦線などはソ連を正義の味方と信じていた。

多くの史料・証言により、スターリンとヒトラーがどう考えて、どういう手順で、どういうやり方で大量虐殺を行ったか、具体例がこれでもかこれでもか、そのたびに、「ここで○○万人が殺された」とあって、1400万人どころか地上の人間がすべて殺されてしまうかと思うほどだ。
とちゅうで嫌になったが、何とか我慢して読み終えた。

下巻をどうしよう?
一応図書館に予約はしたが。
しかし、日本は無縁ではない、血塗られたスターリンとナチスと握手したのだ。
スターリンは日本が攻めてこないと信じてポーランドに専念できた。
そして今、戦前回帰を口にするだけでなく、家族制度の復活、教育の見直し、緊急事態条項、秘密保護法、駆けつけ警護、、着々と実行する安倍政権とそれを容認・支持する人々の増加。
やはり、必読書だ。

布施由紀子 訳
筑摩書房
ネットで見るとヤクザ顔負けの「こらあ」と巻き舌、そういう男たちでなければ日本の安全は守れないのか。
これだけでも論外、府警のトップは引責ものだが、この映像の後ろに、松井大阪知事が「ご苦労様」発言があって、安倍の国会における、海上保安庁や警察、自衛隊の職員等に心からの敬意を表そうと呼びかけ、自民党議員が起立拍手した映像を重ね、そういうぜんたいにやんやの拍手をするネトウヨ、もっと恐ろしい「私には関係ない」を決め込む普通の人たちの群像を想うと、とうとう日本もここまで来たか、とこの句を思い出す。
戦争が廊下の奥に立ってゐた 渡辺白泉人種差別は、地獄に至るパスポートだ。
ユダヤ人は人間ではない。
ポーランド、バルト三国、ベラルーシ、ウクライナに住む非ロシア人を絶滅して食料を確保せよ。
たった80年ほど前に起きたスターリン・ソ連とヒトラー・ナチスによる大虐殺。

二十世紀の半ば、ナチスとソ連の政権は、ヨーロッパの中央部でおよそ1400万人を殺害した。犠牲者が死亡した地域―流血地帯(ブラッドランド)-は、ポーランド中央部からウクライナ、ベラルーシ、バルト諸国、ロシア西部へと広がっている。ナチスの国民社会主義とスターリニズムの強化が進められた時代(1933-38)から、ポーランドの独ソ分割統治(1939-41)、独ソ戦争(1941-45)までのあいだに、歴史上類を見ない集団暴力がこの地域を襲ったのである。ユダヤ人、ベラルーシ人、ウクライナ人、ポーランド人、ロシア人、バルト人など、古くからこの地域に暮らしてきた人々が犠牲となった。1400万人が殺されたのは、ヒトラーとスターリンの双方が政権を握っていた1933年から45年までのわずか12年という短い期間のことだ。彼らの故郷が戦場となったこともあるが、ここ(本書)で対象とする人々は、すべて戦争ではなく殺害政策の犠牲者である。第二次世界大戦で死亡した兵士のうち、ほぼ半数がこの「流血地帯」で戦死しているが、1400万という人数には、こうした戦闘任務についていた兵士はひとりもふくまれていない。ほとんどが女性か子供か高齢者だった。誰も武器を持っておらず、多くの人が所持品や衣服を奪われた。

絶滅しよう、食料を取り上げよう(餓死してもよい)、処刑しよう、、戦場ではない普通の村で、町で意図的に女子供老人を殺したのだ。
アウシュヴィッツなどのナチスによるユダヤ人に対するホロコーストは多くの人が知っている。
しかし、それより先に、はるかに大規模にスターリンはウクライナ人を飢餓死させ(カニバリズムの実態!)、ポーランド人を殺したことは、知られていなかったのではないか。
世界各国の人民戦線などはソ連を正義の味方と信じていた。

とちゅうで嫌になったが、何とか我慢して読み終えた。

一応図書館に予約はしたが。
しかし、日本は無縁ではない、血塗られたスターリンとナチスと握手したのだ。
スターリンは日本が攻めてこないと信じてポーランドに専念できた。
そして今、戦前回帰を口にするだけでなく、家族制度の復活、教育の見直し、緊急事態条項、秘密保護法、駆けつけ警護、、着々と実行する安倍政権とそれを容認・支持する人々の増加。
やはり、必読書だ。

布施由紀子 訳
筑摩書房
by saheizi-inokori
| 2016-10-21 12:33
| 今週の1冊、又は2・3冊
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Comments(12)
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里の秋を楽しまれホッコリされておられた
saheijiさんがいつものsaheijiさんに戻られましたね
情けない我が国の政治ですよね
今世界中の力が抜けてしまっているみたいで・・・・・
犠牲になるのは庶民ですものね
saheijiさんがいつものsaheijiさんに戻られましたね
情けない我が国の政治ですよね
今世界中の力が抜けてしまっているみたいで・・・・・
犠牲になるのは庶民ですものね
> jarippeさん、今日、病院の待合室で週刊誌をめくっていたら、なんとかいう批判精神旺盛な女優が「真面目に生きていく気持ちが失せている日々」と書いていました。
その気持ちわかります。
その気持ちわかります。
今どき、
しかも若者がこの発言。
正直、驚きました。
もう死語かと思っていました。
自分の子供の頃なら、
まだまだ使われていた気がしますが…。
しかも若者がこの発言。
正直、驚きました。
もう死語かと思っていました。
自分の子供の頃なら、
まだまだ使われていた気がしますが…。
> j-garden-hirasatoさん、私も驚きました。
調べるとネトウヨが彼らの気に食わない言動をする沖縄や福島の人を指して使うことがあるようです。
調べるとネトウヨが彼らの気に食わない言動をする沖縄や福島の人を指して使うことがあるようです。
だんだん戦前の空気が復活しつつあるように感じます。恐ろしいことです。
namiheiii さん、戦前を知らない私にも異常は感じられます。
僕は “戦後生まれ、戦後育ち” だと思って生きてきたつもりだったのですが・・・
ひょっとすると、いま “戦前” なのかもしれません。
ひょっとすると、いま “戦前” なのかもしれません。
怖くて読めそうにないけれど、こういう事実があったことを覚えておきます。
> uronteiさん、戦前生まれのひとたちが軍国主義をなんとも思わなかった?ように今の若い人は安倍や稲田のいうことをなんとも思わないのでしょう。
> ikuohasegawaさん、たしかに恐ろしい本です。
地図以外に写真がないのが救いです。
地図以外に写真がないのが救いです。
このながれを食い止めるには、どうしたらいいのか。・・真面目に考えれば心が真っ暗になっていきます。どうにか、子供達をこの状態から守りたいのです。
> sheri-sheriさん、安倍一党が高転びに転ぶのを待つ。
待つだけではダメだから、小さくっても声を上げる!
ってことでしょうか。
待つだけではダメだから、小さくっても声を上げる!
ってことでしょうか。