油照りゴジラは哀し放射線ビーム! 映画「シン・ゴジラ」
2016年 08月 13日
臨終の叫び刻々の油照り油照りというには、やや涼しい風も吹くなかを歩いて二子玉川の映画館に行くと遊園地かと思うような、子供の喧騒、夏休み真っ盛りなのだ。
小寺正三
真ん中のエクゼクテイブシートに悠々と座る(会員は無料)。
映画は「シン・ゴジラ」、ここには子供はほとんどいない、彼らはマンガかな。
何人かのブログを読んで行きたくなった。
伊福部昭の言葉を紹介したので、ゴジラの映像と彼の音楽を重ねて聴きたかったこともある。
なるほど、こりゃあ面白い。
3.11、そのときの官邸のパニックを描いた映画「太陽の蓋」をすぐに思い出す。
フクイチがゴジラに化体して東京湾に現れた。
そのゴジラは宗主国アメリカの作りだしたものであり、だからこそその秘密をアメリカは隠し続けて、日本人もろとも核で溶解しようとする。
品川から都心へ、ゴジラがなにか憂鬱な想念に取りつかれたかのようにずしんずしんと歩いていく。
見覚えのある道路、俺がなんども入ったことのあるビルなどが巨大な尻尾の一振りで壊される。
リアルな映像を見ていると、人間の営為の徒労、今あるもの=現代世界の脆さ・儚さを感じる。
油照り、じりじりと、這いつくばって生きのびているつもりでも、けさ散歩道に累々と横たわっていたミミズの日干しのようになる人間。
自衛隊が撮影に協力したってのもよくわかる。
でも、兵器で勝てたのかい?
野村萬斎がゴジラの歩き方を陰で支えた(モーションキャプチャー)ということをエンドロールで知った。
そういわれたら、ゴジラが東京の道路を品川から都心に向かって歩く姿の鳥瞰は、どこか能舞台の橋がかりを歩いてくるナニモノかのオーラがあったような気がする。
「こんな面倒なことをして、あなた方も大変な思いをして、いったいどういうメリットがあるのかなあ」「五年後に失効するのを誰かが教えてくれなかったらどうするんだろう」「いくつも暗証番号を登録させられたけれど、俺はきっとわからなくなるよ」、、文句をいうってのじゃなく(いっても詮無い)つぶやくと、「皆さん、同じようなことをおっしゃいます」と穏やかにつぶやき返した役所のおばさん、外は油照り、それでも11200歩、干からびたミミズにはならなかった。
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nenemu8921 at 2016-08-14 00:25
こんばんわ。この映画の冒頭に宮沢賢治の「春と修羅」という本がさりげなく出て来るのに気がつかれましたか?
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j-garden-hirasato at 2016-08-14 07:18
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urontei at 2016-08-14 08:06
観たあとに、なにかひと言いいたくなる作品でしたね。いい映画の証拠だと思います。
作品自体について語るのもいいのですが、『この映画がヒットする時代』 ということの意味も、よくよく考えてみる必要がありそうです。
〔太陽の蓋〕、観たかったんですけど、機会を逃してしまいました。
どこかで再映してくれないかなあ・・・
作品自体について語るのもいいのですが、『この映画がヒットする時代』 ということの意味も、よくよく考えてみる必要がありそうです。
〔太陽の蓋〕、観たかったんですけど、機会を逃してしまいました。
どこかで再映してくれないかなあ・・・
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mackworld at 2016-08-14 09:26
■シン・ゴジラは期待できそうだすなぁ。エバンゲリオンの使徒のような構成なのかなー?
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saheizi-inokori at 2016-08-14 09:28
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saheizi-inokori at 2016-08-14 09:30
> j-garden-hirasatoさん、いいですね、夫婦そろって映画鑑賞なんて。
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saheizi-inokori at 2016-08-14 09:38
> uronteiさんのおかげでいい映画を見逃さずに済みました。
古いゴジラは一本か二本しかみてないです。
古いゴジラでロシア(ソ連?)が核ミサイルを日本めがけて発射したのをアメリカの迎撃ミサイルで撃ち落とすという設定があった由、監督はそれを承知でこの映画を作ったのでしょうね。
古いゴジラは一本か二本しかみてないです。
古いゴジラでロシア(ソ連?)が核ミサイルを日本めがけて発射したのをアメリカの迎撃ミサイルで撃ち落とすという設定があった由、監督はそれを承知でこの映画を作ったのでしょうね。
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saheizi-inokori at 2016-08-14 09:39
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cuckoo2006 at 2016-08-14 19:58
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saheizi-inokori at 2016-08-14 20:19
by saheizi-inokori
| 2016-08-13 11:56
| 映画
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Comments(10)