安倍はまず原子力緊急事態宣言を解除することから始めよ 映画「太陽の蓋」&「小出裕章講演」
2016年 07月 20日
映画「太陽の蓋」、3・11直後の五日間を官邸で情報取集にあたった新聞記者を主役にビビッドに描く。
官邸の対策本部は福山副官房長官を中心に菅首相、寺田補佐官、枝野官房長官などを実名で登場させる。
電力会社が東日、原子力保安委員長が万城目と名前を変えたのは、この二者がもっとも能天気にして無責任・許されざる存在として描かれているからか。
フイクションではあるが、当時およびその後語られたさまざまなことの記憶が映像になると生々しさが違う。
つくづく人間の無力さを痛感する。
官邸の狂騒に対して被災地では一人息子がイチFに非番なのに自ら現場に戻り、年長者をいたわり必死で作業に当たる。
出ていく息子を止めようとする母、それを止める父「お前だって修一がイチエフに就職したのを喜んだだろう、あれが修一の仕事なんだ」。
わけも分からず転々と避難を続ける人々、原発難民。
「いつ爆発するのかわかっているのに、そこに入っていけということの意味を分かっているのか。法律の解釈をどうするんですか」、撤退させないという菅首相の決定、枝野に食い下がる幕僚、「そんなこと言ってる場合か!」思わず枝野は怒鳴り、気を取り直して謝る。
あとで記者が福山に当時のことを取材していると、福山が「なんしろ官邸にまったく情報が入ってなかったから」という。
記者が「情報が入っていたらなんとかなったのですか!?」、「・・・」。
東京も危ない、情報を知った記者が留守宅の妻に疎開を告げるが、妻は「日本中、地震だらけ原発だらけ、いったいどこに行けば普通の生活ができるのですか」。
記者の情報源になった原発の危険を書こうとして新聞社をやめた先輩記者がいう。
「原発が必要だということを本気で信じている日本人が多い、それを説得することはできないが、そう信じさせた奴らのことは書ける」。
「今も危険は去っていない」。
修一も記者に語る。「収束宣言が出て上司がひとりやってられないと辞めていきました。私は責任があるからやれることをやる。今も何も変わってないです。あのとき、全国の人がテレビで注目しましたね。いまあの人たちはどう考えているのでしょうか」撤退なんて全く考えもしなかったという。
(おや、小沢が入っちゃった)
エンドロールで「2015年12月現在福島県の避難者は10万人(アバウト)、原子力緊急事態宣言は解除されていない」。
帰宅してから小出さんの話を聴く。
(小出さんの発言は日本語です。ご親切に全文書き起こしてくださっているブログ→http://open.mixi.jp/user/14949337/diary/1954174741)
フクシマの緊急事態宣言を解除する見込みがたたない、むしろ宣言を利用して通常では許されない線量の地区に人・子供を放置している安倍政権が憲法を変えて緊急事態条項を盛り込もうとしている。
フランスでは非常事態宣言のなかでテロが行われた。
荷台のチエックをすればトラックの侵入を阻止できたはずだと遺族は国を訴えるという。
フクシマでは歓呼のなかで迎えられた電源車のプラグが合わなくて使い物にならないことがわかる、「東日は電気屋だろ!」怒る福山。
蟻でさえ一穴をうがつ。
(「早くいらっしゃい」「ぼくあがれないよ~」)
昨日、一昨日と日本の基本構造を変えなければ、今日本国民が置かれている「屈辱の状態」を脱することはできないという所説を紹介した。
それは倫理観や哲学の問題じゃないのではないかと思えてくる。
フクシマは今でも日本崩壊の可能性がなくなっていない。
貧富の格差は広がる。
アベノミクスは破たんした。
待機児童の問題を前にして、ヤクザ顔負けの締め付けをせざるを得ない与党政治家の分裂。
中国、北朝鮮、韓国、アジア諸国から孤立を深める日本。
トランプに象徴されるようにアメリカは自分が生きていくので精一杯、むしろ日本に助けを求める。
ほんとに、このまま流れていくと突然崖から真っ逆さまじゃないか。
(「あ、あっちだ」「そうよ、あっちからよ」)
(「よかったねえ、さあ、もっと先に行きましょ」「うん!ママも急いで」「待ちなさい、一緒にいくのよ」)
2011年3月11日、地震発生の瞬間は新青森駅構内にいた。
それから二日間、弘前、森田村と友人の世話になりながら過ごしたときどきをガラケーから投稿した14編、今読み直すと、俺が九死に一生を得たと言えるような僥倖(新幹線に乗車中に発震したら?とか、いつものくせで途中下車の旅を楽しんでいたらなど)のなかで、けっこう楽しんでいる能天気ぶりが恥ずかしい。
そしてそのことすら忘れそうなのだ。
忘れることはフクイチで働いている人たち、避難生活を強いられている人たち、法律で許されない放射線量の中に放置され続けている子供たちに対して失礼なのだ。
官邸の対策本部は福山副官房長官を中心に菅首相、寺田補佐官、枝野官房長官などを実名で登場させる。
電力会社が東日、原子力保安委員長が万城目と名前を変えたのは、この二者がもっとも能天気にして無責任・許されざる存在として描かれているからか。
フイクションではあるが、当時およびその後語られたさまざまなことの記憶が映像になると生々しさが違う。
つくづく人間の無力さを痛感する。
官邸の狂騒に対して被災地では一人息子がイチFに非番なのに自ら現場に戻り、年長者をいたわり必死で作業に当たる。
出ていく息子を止めようとする母、それを止める父「お前だって修一がイチエフに就職したのを喜んだだろう、あれが修一の仕事なんだ」。
わけも分からず転々と避難を続ける人々、原発難民。
「いつ爆発するのかわかっているのに、そこに入っていけということの意味を分かっているのか。法律の解釈をどうするんですか」、撤退させないという菅首相の決定、枝野に食い下がる幕僚、「そんなこと言ってる場合か!」思わず枝野は怒鳴り、気を取り直して謝る。
あとで記者が福山に当時のことを取材していると、福山が「なんしろ官邸にまったく情報が入ってなかったから」という。
記者が「情報が入っていたらなんとかなったのですか!?」、「・・・」。
記者の情報源になった原発の危険を書こうとして新聞社をやめた先輩記者がいう。
「原発が必要だということを本気で信じている日本人が多い、それを説得することはできないが、そう信じさせた奴らのことは書ける」。
「今も危険は去っていない」。
修一も記者に語る。「収束宣言が出て上司がひとりやってられないと辞めていきました。私は責任があるからやれることをやる。今も何も変わってないです。あのとき、全国の人がテレビで注目しましたね。いまあの人たちはどう考えているのでしょうか」撤退なんて全く考えもしなかったという。
エンドロールで「2015年12月現在福島県の避難者は10万人(アバウト)、原子力緊急事態宣言は解除されていない」。
帰宅してから小出さんの話を聴く。
(小出さんの発言は日本語です。ご親切に全文書き起こしてくださっているブログ→http://open.mixi.jp/user/14949337/diary/1954174741)
フクシマの緊急事態宣言を解除する見込みがたたない、むしろ宣言を利用して通常では許されない線量の地区に人・子供を放置している安倍政権が憲法を変えて緊急事態条項を盛り込もうとしている。
フランスでは非常事態宣言のなかでテロが行われた。
荷台のチエックをすればトラックの侵入を阻止できたはずだと遺族は国を訴えるという。
フクシマでは歓呼のなかで迎えられた電源車のプラグが合わなくて使い物にならないことがわかる、「東日は電気屋だろ!」怒る福山。
蟻でさえ一穴をうがつ。
昨日、一昨日と日本の基本構造を変えなければ、今日本国民が置かれている「屈辱の状態」を脱することはできないという所説を紹介した。
それは倫理観や哲学の問題じゃないのではないかと思えてくる。
フクシマは今でも日本崩壊の可能性がなくなっていない。
貧富の格差は広がる。
アベノミクスは破たんした。
待機児童の問題を前にして、ヤクザ顔負けの締め付けをせざるを得ない与党政治家の分裂。
中国、北朝鮮、韓国、アジア諸国から孤立を深める日本。
トランプに象徴されるようにアメリカは自分が生きていくので精一杯、むしろ日本に助けを求める。
ほんとに、このまま流れていくと突然崖から真っ逆さまじゃないか。
2011年3月11日、地震発生の瞬間は新青森駅構内にいた。
それから二日間、弘前、森田村と友人の世話になりながら過ごしたときどきをガラケーから投稿した14編、今読み直すと、俺が九死に一生を得たと言えるような僥倖(新幹線に乗車中に発震したら?とか、いつものくせで途中下車の旅を楽しんでいたらなど)のなかで、けっこう楽しんでいる能天気ぶりが恥ずかしい。
そしてそのことすら忘れそうなのだ。
忘れることはフクイチで働いている人たち、避難生活を強いられている人たち、法律で許されない放射線量の中に放置され続けている子供たちに対して失礼なのだ。
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sora
at 2016-07-20 15:48
x
カルガモ親子がかわいいな~ 命と水に救いを感じます
ご紹介の映画 観たいです!
それと、偶然みつけた「原発と原子力」のこれも東京にいたら
ぜひみたいです。 すみません。ご存知かもしれませんが。
予告編: Youyube「アトムとピース 瑠衣子 長崎の旅」
長崎の被爆3世の瑠衣子は 旅のなかで 日本が大量の
プルトニウムを保有していることを知る。 いったいなぜ?
やがて政治家たちが隠してきたある事実を知ることに。
ご紹介の映画 観たいです!
それと、偶然みつけた「原発と原子力」のこれも東京にいたら
ぜひみたいです。 すみません。ご存知かもしれませんが。
予告編: Youyube「アトムとピース 瑠衣子 長崎の旅」
長崎の被爆3世の瑠衣子は 旅のなかで 日本が大量の
プルトニウムを保有していることを知る。 いったいなぜ?
やがて政治家たちが隠してきたある事実を知ることに。
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cocomerita at 2016-07-20 17:31
Ciao saheizi さん
いまだに 小出さんの存在を無視していることからも隠したいことが山積みであることが明確にわかります
なかったふり 臭いものに蓋
オリンピックなんかに浮かれていないで その蓋開け 現実と向き合うべきだと思いますけどね
安倍がいまやってることは、官僚が 東電みたいなところを不法に優遇してきたことと同じ、 つまり自分の定年後の土壌づくり以外のなにものでもないとおもいます
国民 そろそろ目覚めないかなあ
東京で友人の夕飯の買い物に付き合った
ヒラメ は 危ないと買わないくせに 家の電気は煌々とつけっぱなし
節電 約束させたけど、鼻から視点がずれてるんですよね
もしかして 死ぬまで目覚めないかもしれませんね
いまだに 小出さんの存在を無視していることからも隠したいことが山積みであることが明確にわかります
なかったふり 臭いものに蓋
オリンピックなんかに浮かれていないで その蓋開け 現実と向き合うべきだと思いますけどね
安倍がいまやってることは、官僚が 東電みたいなところを不法に優遇してきたことと同じ、 つまり自分の定年後の土壌づくり以外のなにものでもないとおもいます
国民 そろそろ目覚めないかなあ
東京で友人の夕飯の買い物に付き合った
ヒラメ は 危ないと買わないくせに 家の電気は煌々とつけっぱなし
節電 約束させたけど、鼻から視点がずれてるんですよね
もしかして 死ぬまで目覚めないかもしれませんね
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reikogogogo at 2016-07-20 18:40
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wawa38 at 2016-07-20 21:22
小出さんのお話、日本国民のみんなに聞いてもらいたいです。
>原発が必要だということを本気で信じている日本人が多い・・・
そういう人、私の身近にもいます。胃が痛くなるくらいな気持ちになるのですが、私にはどうしようもできません。
最近、石棺の話が出て、すぐさま取り消されましたね。
それだけ難しい処理だということがわかります。
>原発が必要だということを本気で信じている日本人が多い・・・
そういう人、私の身近にもいます。胃が痛くなるくらいな気持ちになるのですが、私にはどうしようもできません。
最近、石棺の話が出て、すぐさま取り消されましたね。
それだけ難しい処理だということがわかります。
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saheizi-inokori at 2016-07-20 21:54
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saheizi-inokori at 2016-07-20 21:57
> cocomeritaさん、3・11の我がブログを見直すと、コメント欄であなたが私のことをきづかってくれたことがよくわかります。
その時はそれほどにも感じなかったのになあ。
気づかずに生きていることって多いのですね。
その時はそれほどにも感じなかったのになあ。
気づかずに生きていることって多いのですね。
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saheizi-inokori at 2016-07-20 21:58
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saheizi-inokori at 2016-07-20 22:00
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sora
at 2016-07-20 22:17
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j-garden-hirasa
at 2016-07-21 06:51
x
「to」が入力できない…。
「日本中、地震だらけ原発だらけ、いったいどこに行けば…」
先日、仙台の同窓会のとき、
福島原発が原因で、
離婚したのがいました。
奥さんは奄美大島に移住したとかで…。
脳天気くらいじゃないと、
今の日本には住めないのかもしれませんね。
「日本中、地震だらけ原発だらけ、いったいどこに行けば…」
先日、仙台の同窓会のとき、
福島原発が原因で、
離婚したのがいました。
奥さんは奄美大島に移住したとかで…。
脳天気くらいじゃないと、
今の日本には住めないのかもしれませんね。
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saheizi-inokori at 2016-07-21 08:59
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saheizi-inokori at 2016-07-21 09:07
> j-garden-hirasaさん、この映画でも記者の近所に住む友人の旦那がアメリカ人で帰国命令が出て別れを告げに来たときに「日本人だけが真実を知らされていない」と口走ってしまう場面がありました。
仕事がある人は簡単に引っ越すことができないから、諸説あるなかで安易な方を無理にも信じようとするのではないでしょうか。
そういう国民の足元を見透かすようにして気休めみたいなことをいう。
腹がたちますね。
仕事がある人は簡単に引っ越すことができないから、諸説あるなかで安易な方を無理にも信じようとするのではないでしょうか。
そういう国民の足元を見透かすようにして気休めみたいなことをいう。
腹がたちますね。
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jarippe at 2016-07-21 10:24
再稼働しか考えられない力を持った人たち
その陰にあるものは何なんでしょう
そこのところを暴露してほしい
それともこういう理由で再稼働しなくちゃならないと説明してほしい
国民はみな脱原発を願い協力したいと思っている
フク1で働いておられる大勢の方々に敬意を表します
この映画 TVで放映しないかな~
その陰にあるものは何なんでしょう
そこのところを暴露してほしい
それともこういう理由で再稼働しなくちゃならないと説明してほしい
国民はみな脱原発を願い協力したいと思っている
フク1で働いておられる大勢の方々に敬意を表します
この映画 TVで放映しないかな~
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namiheiii at 2016-07-21 10:46
福島の原発は今なお日本の半分が壊滅するかもしれぬ状況にあるのですね。
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saheizi-inokori at 2016-07-21 16:00
> jarippeさん、アメリカとの密約、権力者および原子力村住民の保身と既得権への執着でしょう。
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saheizi-inokori at 2016-07-21 16:01
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sheri-sheri at 2016-07-22 13:06
小出先生の記者クラブでのスピーチお聴きしました。小出先生はたしか、京大での自分の研究室は、電気をともさず暗い中でお仕事をしていらっしゃったようです。不屈の精神を持ち、東電や権力と闘い、原発の本当の恐ろしさを私たちに説いてくれる方ですね・真正面から、大きな権力に立ち向かい警告を鳴らし続けていらっしゃいます。もっともっと小出先生の警告に日本の方々が関心を払い、学習すべきですね。さへいじさん、ご紹介ほんとにありがとうございます。
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saheizi-inokori at 2016-07-22 21:50
by saheizi-inokori
| 2016-07-20 11:51
| 原発はいらない
|
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