変わりゆく銀座をぶらり 長谷部 浩「菊之助の礼儀」
2016年 04月 21日
いぜん働いていた八重洲を通りすぎていくときに懐かしい人の顔をみたような気がした。
そんなはずはないのだ、あれから15年経っている、彼だってもう爺さんになっている。
記憶をたぐりよせるときには年を取らないままの顔になっている。

立ち退きを迫られているのか、と余計な心配。


これでも足りないのだとテレビで言ってた、宿場町銀座。
韓国語と中国語の案内表示が目立つ。

入って見るとユニクロの一昔前のような値段、地味目のフアッション、客は中国人・韓国人が多い。

パリからRIEちゃんがお里帰りで急遽昔の仲間が集まった。
彼女がくるたび集まるので日本にいる人よりも「久しぶり」度合いが少ない。
散歩と銭湯で渇いた喉に上手にクリーミーな泡をたてた生ビールがうまいこと。
若い子に、「GU」のことを「ぐー」といったら、「じーゆー」というんだって、やっぱりユニクロの新業態。

二時間半飲み放題、話が弾んで三時間を優に過ぎていた。

お借りして読み始めたらやっぱり「拗ね心」が邪魔をする。
それでも25の短いエッセイ風の文章につられて読んでいくと、だんだん、著者の菊之助讃歌が気にならなくなって、見たこともない菊之助がいろんな演目にチャレンジしていく様子に惹かれるようになった。
「歌舞伎が博物館のガラスケースに納められている」ようで、このままでは「歌舞伎は滅びつつある」と思った著者と家に伝わる芸の継承にとどまらず、そこにあらたな息吹を注ぎ込もうとする菊之助、亡くなった勘三郎などのひたむきな思いが垣間見える。
菊五郎を襲名するためには、女方だけでなく立役(男の役)もやらなければならない、とか梅幸の一生は息子の四代目菊之助を七代目菊五郎にするためにあったかもしれないと菊五郎が述懐するエピソード、人気役者の超多忙な生活など、世襲でなりたっている梨園に生まれた人たちの人生もたいへんだ、人気におぼれていては、それこそ歌舞伎は滅びるのだろう。

だってここに取り上げられている演目をしかるべき場所で見ようとしたら酒断ちでもしなきゃ無理だもの。
なあ、サンチ。

新潮社
うちのダンナと、一緒だ!と嬉しくなりました。
最近のユニクロは、めっきりペラペラでかつてのお得感がなくなりましたが、GUは、まだ値段が安いので人気があるようです。
サイズが若い人向きなので、私のようなオバサンには似合いません…(ー ー;)

近頃は年を取ったせいか、平気で昭和の香りのする言葉を放つようになってきました。立派なオバさんになった証拠ですね。それに外国にいると、どんどん浦島タロ子になってくるのかもしれません。私の場合、ミートボールというとどうも石井のミートボールが思い浮かんでしまい安っぽく感じられてしまうんですが、肉団子だと逆に手作り感が感じられて、私の中ではあくまであれは西洋風肉団子です(笑)。
昭和の言葉、もっと昔の言葉、いい言葉がたくさんあります。
ぜひつかってやってください。
言葉は使ってやらないと死んでしまうのですから。
石井のミートボール、これは私がわからない。
肉といえば新橋駅前(烏森神社の近く)にある「末げん」のひき肉の親子丼、11時半開店でちょっと前に並ぶ状態ですが、お薦めですよ。