古いやつだとお思いでしょうが イアン・ランキン「他人の墓の中に立ち」
2016年 03月 21日
ストレッチをしながら、今日は海外ニュースがないので、「こども音楽コンクール」の日本一になった学校の紹介番組をみていた。
小学生、中学生とは思えない素晴らしい演奏にびっくり。
曲だってバロック、モツアルト、バルトーク、現代音楽と難しそうなのを、目をつぶって聴くと自然に心地よく聴かせる。
大編成の管弦楽団なんて楽器をそろえるだけでも大変だったろうと思う。
どの子もすらっとして賢そうな育ちの良さそうな顔をしてる。
手を大写しにすると白いきれいな指。

60年前の俺たちの子供時代からみたら「夢の国」の子供たちだ。
このまますくすくと育っていい日本の大人になってほしい。
子供たちの代表が「お世話になった皆さんに感謝します」と言っていたが、ほんとにそうだ。
感極まって泣き出したオンナセンセイもいた。
先生もすごいけれど家族の支援もさぞかし大変だったろうと、孫たちの親を見ている爺さんは思った。

リーバス刑事シリーズ堂々の再始動、ってことだが、俺は5年前に18作をもって定年退職をしたというリーバス刑事の現役時代を知らなかった。
スコットランドが舞台、警察官が不足しているのか、退職警察官も再雇用があるらしい。
リーバスは元刑事・民間人として未解決事件の再調査班に属しているが、正式に再雇用を申請するつもり。

プロフアイリングだとかIT化された現代的捜査方法、なにかと今の刑事たちのやり方に馴染まない。
仕事のやり方と言えば、人との接触だった。
重要なネットワークは、街での人脈だった。
なにかといえばパブに行き、タバコを吸わずにはいられないところはモース警部と同じだ。
モースはワグナーだが、リーバスはジャッキー・レヴィンでありU2であり、アナログレコードだ。
この曲↑のなかの「Another Man’s Rain」の「Rain」をリーバスは「Grave」と聞いてしまう。
本書の題名が「STANDING IN ANOTHER MAN’S GRAVE」。
2011年に61歳で亡くなったジャッキー・レヴィンを悼んだイアン・ランキンは本書を彼に捧げたのだ。
人生の半分を警官として働いたのに、突然、自分は不要となった。
この気持ち、わっかるかなあ。

ストーリーはいくつもの行方不明になった女性の事件が同一犯の連続犯行であることを突き止めるというもの。
正直なところ、前半はまだるっこしいし、謎ときのスリルもいまいち。
リーバスのがむしゃら・独りよがりだけど、犯罪者をどうでもこうでもつかまえるという執念(エリートや堅物警官に妨害されながら)にもとづく足を使った丹念な捜査とか毒舌に隠された哀愁に自分を重ねていると不思議なおもしろみが感じられる。
リーバスが「俺」といい、若い頭脳派ギャングが「ぼく」という、翻訳者に一杯。
スコットランドの北の果ての、月世界みたいな景観も想像するといい。

延原泰子 訳
ハヤカワミステリ
小学生、中学生とは思えない素晴らしい演奏にびっくり。
曲だってバロック、モツアルト、バルトーク、現代音楽と難しそうなのを、目をつぶって聴くと自然に心地よく聴かせる。
大編成の管弦楽団なんて楽器をそろえるだけでも大変だったろうと思う。
どの子もすらっとして賢そうな育ちの良さそうな顔をしてる。
手を大写しにすると白いきれいな指。

このまますくすくと育っていい日本の大人になってほしい。
子供たちの代表が「お世話になった皆さんに感謝します」と言っていたが、ほんとにそうだ。
感極まって泣き出したオンナセンセイもいた。
先生もすごいけれど家族の支援もさぞかし大変だったろうと、孫たちの親を見ている爺さんは思った。

スコットランドが舞台、警察官が不足しているのか、退職警察官も再雇用があるらしい。
リーバスは元刑事・民間人として未解決事件の再調査班に属しているが、正式に再雇用を申請するつもり。

仕事のやり方と言えば、人との接触だった。
重要なネットワークは、街での人脈だった。
なにかといえばパブに行き、タバコを吸わずにはいられないところはモース警部と同じだ。
モースはワグナーだが、リーバスはジャッキー・レヴィンでありU2であり、アナログレコードだ。
この曲↑のなかの「Another Man’s Rain」の「Rain」をリーバスは「Grave」と聞いてしまう。
本書の題名が「STANDING IN ANOTHER MAN’S GRAVE」。
2011年に61歳で亡くなったジャッキー・レヴィンを悼んだイアン・ランキンは本書を彼に捧げたのだ。
人生の半分を警官として働いたのに、突然、自分は不要となった。
この気持ち、わっかるかなあ。

正直なところ、前半はまだるっこしいし、謎ときのスリルもいまいち。
リーバスのがむしゃら・独りよがりだけど、犯罪者をどうでもこうでもつかまえるという執念(エリートや堅物警官に妨害されながら)にもとづく足を使った丹念な捜査とか毒舌に隠された哀愁に自分を重ねていると不思議なおもしろみが感じられる。
リーバスが「俺」といい、若い頭脳派ギャングが「ぼく」という、翻訳者に一杯。
スコットランドの北の果ての、月世界みたいな景観も想像するといい。

ハヤカワミステリ
人生の半分を(警官として)働いたのに、突然、自分は不要となった。この気持ち、わかるなあ。
そして、元同僚は人手不足とかでインチキ再雇用。70まで勤めるとか。企業は先輩社員にもブラック化しているようです。
そして、元同僚は人手不足とかでインチキ再雇用。70まで勤めるとか。企業は先輩社員にもブラック化しているようです。
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ikuohasegawa さん、おお、分かっていただけた、リーバス党員ですね。
by saheizi-inokori
| 2016-03-21 11:30
| 今週の1冊、又は2・3冊
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Comments(6)