駅員さん、ごくろうさま

五時半に起きて洗濯をして、体操もして、八時前に、もう雪はないのだが長靴で病院に。
ゴム底なのに滑りそうになる、一見何もないところで。
採血、レントゲン、採尿、心電図検査をして三時間待って結果を聴く。

（今日はやらなかった呼吸器の検査、ほんとに大きな声で必死になってくれた看護師に会えた。いじめられたなんて思ってないよ）

案の定、ガンマなんとかと中性脂肪が高い。
アルコールと菓子を節制せよ。
と言われても俺は意志が弱いから、適当に、ということができない。
煙草をやめたのも、オールオアナッシングしか実行できなかったからだ。

それにしても菓子はともかく酒はナッシングはつらいなあ。
一か月、やめるか。
それとも一日おきにして二か月やめるか。
一週に一度やめて、七年やめるか。

落語のマクラでは、朝晩飲んでる男が、一年禁酒するのを、夜だけ飲んで二年禁酒するという。
ああ、俺も朝昼晩と飲んでいたらよかったなあ。
昨日の雪で電車駅内外がずいぶん混乱したようだ。
情報の提供がナットラン、と電鉄を怒る声もある。
しかし、いくら怒られても、どうにもならないだろう。
そもそも平凡な日常そのものが限界ぎりぎり（人的・物理的）の綱渡りの上に成り立っているのだから。
情報を一番欲しいのは駅員だったろう。
しかし、いったいどんな情報が役に立つというんだ。
新宿駅ほどの巨大な駅になったら、駅の中がどうなっていて、五分後にそれがどう変わるかを駅長だってちゃんと把握できないだろう。
情報収集をしてしかるべく整理してしかるべきところに流す（情報が届く前に状況は変化する）、そんな人手がどこにいる？
多変数を一次方程式一つで解くようなもの。
目の前の混乱に対処して惨事の起きないようにするだけでも精いっぱいだ。
昨日、アップした映画「ブリッジ・オブ・スパイ」でソ連のスパイが、弁護士から「不安か？」と訊かれるたびに「（不安になって）何かの役に立つのか」と言い返す。
「いつこの混乱が解消するかは（天気や客の動向・他社線や道路の状況も有之で）解りかねます」という情報が役に立つのか。

死者が出なかった（俺の知る限りでは）のをもって、諸君よくやった！と言ってやりたい。
四通八達、東京生活の長い人でもどこでどの線に乗ったらいいのか迷う。
便利になりすぎた。