モース警部は太っているのか コリン・デクスター「ウッド・ストック行最終バス」

西へ東へ、昨日は砧公園、今日はまた駒沢公園、ついでにあたりの小さな公園を歩き続ける。
夕方の静かな公園っていいもんだよ。
落語、能の回数を減らし、本は図書館で借りて読む。
夕方は公園歩き。
節約人生も悪くない。
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せんじつ何年振りかでコリン・デクスターの「別館三号室の男」を読んで、この作家の面白さを思い出した。
図書館で借りてモースシリーズを読もうと思っていた矢先、知人がFBで電子ブックに切り替えるから不要になったシリーズを誰かもらってくれないかとの記事をアップしていた。
俺はFBは、自分から記事を書くゆとりがないから読むばかりだったが、この申し出には早速飛びついた。
ハヤカワミステリ12冊、うれしいね、とうぶんミステリに飢えることはなさそうだ。
俺が自分で買って読んだミステリはデクスター、デイック・フランシス、イアン・フレミング、、2000冊ではキカナイだろうが、すべて行く先々の職場に寄贈してきた。
そのお返しがこれだ、情けは人の為ならずってね。
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まずは第一巻の「ウッドストック行最終バス」から。
モース初体験は本書だったと思うが、冒頭の二人の若い女性がバスに乗れなくてヒッチハイクをしようという場面のうろ覚えくらい、あとはほとんど忘れている。

新保博久が、解説で、「刑務所にもって行くべき一冊の本」を問われたらコリン・デクスターの作品はどうだろうと書いている。

 「デクスターの作品が本の少ない環境でも伴侶となり得るというのは、何度も繰返して読めるからに他ならない。推理小説は一度読んで犯人やトリックを知ってしまったら再読がきかないと言われ、いや上質の作品ならそうではないとも言われるが、デクスターの場合は一度読んだくらいでは味わい尽くせないほど複雑華麗な論理の綾が織り出される。むしろ再読三読してこそ面白い小説と言えよう。」
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ヒッチハイクでウッドストックに行った娘が無残な暴行された死体になって発見される。
テムズ・バレイ警察のモース警部とルイス部長刑事は、オーソドックスな捜査活動とは必ずしも言い切れないような独特の(モースの)直観や爆笑必至のおそるべき仮説を立てたりする。
その推理の後を追いかけるのも楽しいが、そのプロセスで描かれる登場人物の人生の細部に味わいがある。
聖人君子は一人もいない、ほとんどの男女が秘密(他愛がないけど、本人には死ぬほど恥ずかしい)があり、放埓ですらある。
ルイスくらいかな、誠実な夫、正直でモースおよび警察に忠誠なのは。
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本書でもモースの二転三転する推理・仮説に振り回されて俺なりに犯人の見当をつけるのだが、それもしょっちゅう引っくり返される。
さいごまで読んで、どうしてそうなの、ともう一度大事なところを読み直してみる。
くそ!こんな伏線を書いてやがる、そんなところがたくさんある。
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俺は何冊かのモースを読んで、モースは肥満男かと思っていた。
ところが、モースが初登場する場面では、「きゃしゃな黒っぽい髪の男」だとある、オヤオヤ。
それから、だいぶ物語が進行したところで、モースの髪について「薄くなりかけて 後頭部に広いハゲがあり 髪の毛が脇に飛び出している」とある。
それからどこかに「太ることを気にしている」とあって、終わりの方では「太り気味だ」とある。
9月29日に事件が発生して10月25日に解決するまでの間にモースの体型が変わったのだろうか。
不眠、ビールの飲みすぎ、フイッシュ&チップスの食いすぎ、、身体にはよくねえやな。
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スケベで我儘で呑み助で、、女にはもてないのかと思うと、とてもよくモテルのだ。
古今東西、女の気持ちはわからない。
この小説の犯人の気持ちもわからない。
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まあ、いいや、また読み直そう。

大庭忠男 訳
ハヤカワ・ミステリ文庫
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Tracked from じゅうのblog at 2022-06-30 22:14
タイトル : 『主任警部モース シーズン2「エピソード4:ウッドストッ..
 "Inspector Morse:Last Bus to Woodstock" [主任警部モース シーズン2「エピソード4:ウッドストック行最終バス」] 先日、BS11で放映していた『主任警部モース シーズン2「エピソード4:ウッドストック行最終バス」』を観ました。 -----story------------- <前編> オックスフォード郊外のパブの駐車場で「シルヴィア・ケイン」という若い女性が発見される。 一見ただのひき逃げに見えるが彼女のバッグから「ジェニファー・コルビー」宛の手紙が見つ...... more
Commented by byogakudo at 2015-12-11 15:14
とうとう封印を切られたのですね!
わたしも
<冒頭の二人の若い女性がバスに乗れなくて
ヒッチハイクをしようという場面のうろ覚え
くらい>です。どんな展開でしたっけ?
左平次さまより最近に読んでいるはずなのに、
真っ白な記憶です。
Commented by saheizi-inokori at 2015-12-11 21:08
> byogakudoさん、殺されたシルビアと一緒にいた女を探すのですね。
なかなかの女、果たして彼女はどんな役割をしたのか。
スウ、メリーと一緒に住んでいる女らしいのですが、、。
Commented by ikuohasegawa at 2015-12-12 07:18
デクスターは目にしたことはあるのでしょうが、縁がありませんでした。順番待ちを飛び越してデクスターを読もうかな。
Commented by j-garden-hirasato at 2015-12-12 07:35
何の撮影でしょうね。
人だかりがないから、
ドラマ撮影ではなさそうです。
はらっぱプレーパークですか。
子どもの遊び場としては、
最高の環境です。
こういうことができるのも、
東京ならではなんですよね。
(一応、自分の専門分野)
Commented by reikogogogo at 2015-12-12 07:44
砧公園の黄葉久しぶりにみせていただきました。
以前寒い梅の季節、続いて桜、そして秋と楽しみましたが何故か夏行った事がないのです。

読書、散歩ーーーそして美食
私の万歩計あっても引き出しで睡眠中、主婦の忘年会、皆の危険な体型での集合に歩こう会を考えねばーーーの会に成りました。
歩かない、驚いたのは読書してる友人が居ないの!!
Commented by saheizi-inokori at 2015-12-12 10:19
> ikuohasegawaさん、デクスターは順番待ちの人はいないでしょう。
すぐ読めますね。
Commented by saheizi-inokori at 2015-12-12 10:24
> j-garden-hirasatoさん、父親が子供抱き上げて「何とかちゃんは天才だ!」と叫ぶ声が聞こえてきました。
こういう遊び場は大人のボランテイアがいないとだめなんでしょう。
近所ではここ(駒沢)と世田谷公園にもあります。
孫の小さかったときはたき火をしたり、板切れで工作をしたり、ロープにぶら下がったり、楽しく遊びました。
地方はこんなもの作らなくてもあたり一面子供の遊び場でしたが、、今は?
Commented by saheizi-inokori at 2015-12-12 10:25
> reikogogogoさん、本を読まなくても退屈しない人は羨ましいような気もしますよ。
私は刑務所に入るよりも本を取り上げられる方がつらいかも。
Commented by quietrose at 2015-12-13 08:15
おはようございます。
お久しぶりです。
いつも日本の作家ばかり読んでいますので、こういうのも面白そう、と思いました。昔、父の書棚にたくさんあったような・・・。またよろしくお願いします。
Commented by saheizi-inokori at 2015-12-13 10:39
> quietroseさん、おや、お元気でしたか。
こちらこそよろしく!
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by saheizi-inokori | 2015-12-11 12:17 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback(1) | Comments(10)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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