トルコ観光ガイド、というほどでもないか 恩田陸「ブラック・ベルベット」
2015年 11月 12日
アメリカの製薬会社所属のウイルスハンター(なんてのがいるんだね)、腕利きらしい男。
バイセクシャルで女言葉をしゃべるのだ。
男性の格好をした人が「あら、そうじゃないわ」なんて言いながら男友達二人と酒を飲んだりするのを、現実に見ても驚きゃしないが、活字で読むと、そのたびに、ああ、ここにいるのは男が三人なのだ、と確認する。
その女を見つけてくれと日本の友人から頼まれていたのだ。
謎の人物の指示に従ってトルコ観光をしていると、なんとかいう新種のウイルスの噂だとか、謎の男や美人刑事だとか、いろんな遭遇があって、ハードボイルドっぽいようなネタがたくさん出てくるのだが、ストーリーはいつまで経っても導入部の連続みたいで、ちっとも起承転結の「転」どころか「承」にも至らない。
そして突然バタバタと「結」。
むりやり、すべて(でもないか)が謎解きされてしまう。
政経分離が徹底していたT共和国がムスリムへの回帰が強まっていることをめぐって、
「ムスリムってのは合理的だよ。人間が弱いものだというのが大前提で、変な幻想がない。
幽霊もいなければ、妙な精神主義もない」
というセリフがでてきた。
そうなのか。
ムスリムが書いたミステリはあるのだろうか。
シリーズの三作目だって、でも前作を読みたい気持ちにはならなかった。
双葉社
外資製薬会社に身を置く凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。 ある博士の捜索を依頼されてT共和国にやってきたが、博士は殺されてしまう。 一方、この国では全身を黒い苔で覆われて死んだ人間がいるらしい。 ビジネスで滞在中のかつての恋人・橘は不穏な行動を見せる。 恵弥が想像だにしない、これらの背景に存在するものとは――? 製薬会社のプラントハンターである主人公が、海外住まいの長い友人を訪ね...... more
ピクニックや図書室の海。6番目。三月は。。。
それなりに面白いとは思いましたが。
佐平次さんの解説を読んで
この本は垣根涼介の午前3時に似てるなあと思いましたが。。。。
文庫にならないかもしれませんね。
以前我が家にスティしていた黒人すごい乾燥肌で、彼が使用した寝具、お風呂場、家中が甘い香り。本の内容はお酒?イスラム教、ムスリムお酒を飲みますから。
『わたしの名は紅』も面白いらしいのですが、未読です。
落語にしても「悋気の火の玉」とか「三年目」とか。
変な幻想がない世界は合理的だとは思いますけど、つまらないと思います。
ムスリムが本当にそうなのかは別として。
ある微生物が、ある重金属の毒性を中和した結果できるカビのようなもの。
わかんない、よね。
読もうと思いつつ未読です。
そういえばイランの作家の小説、マーシャ・メヘラーン「柘榴のスープ」思い出しました。
料理がテーマになってるの、面白かった。
これはミステリぽかったような気がします。
すこし物語の厚みが足りない気もしましたが、
キャラの立っている主人公がいるからこそのおもしろさがあります。
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