異変に立ち向かうのは人任せお上任せじゃだめだ 中国新聞取材班「猪変 いへん」

昨日も書いたが↓、考えれば考えるほど、自民党もさることながら民主党に腹が立ってくる。
本気で、辞表を懐に忍ばせて、言葉通り「あらゆる手段を講じて、絶対廃案にする!絶対に認められない!」という戦いを展開していたら、最低でも昨日の夕方くらい、ひょっとすれば今日の今頃でもごちゃごちゃやっていたかもしれない。

今頃、地元に帰って、偉そうに「我かく闘えり」と吹聴して、夜はうまい酒でも飲んで、こんどの選挙は勝てるぞとほくそ笑んでいる奴がいそうだ。

シールズの諸君が政治に目覚めてもこういう連中がリードしていては再び政治不信に陥らないか。
もしそうなったら罪は自民党より大きい。
細川政権、民主党政権の失敗の罪が自民党=安倍独裁を育ててきたのだから。
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しばらく本の紹介をしなかった。
2002年から半年ほど、中国新聞に連載された記事を中心に、猪と農家(中国地方)の戦いを取材した本。

「21世紀は獣害の世紀になる」といった学者がいるそうだ。
たしかに中国地方にかぎらず、房総、山梨、長野、、旅にでるとどこでも、猿・鹿・猪・熊などに深刻な被害を受けている話を耳にし、じっさいに人を恐れずに歩き回る動物たちを目にする。
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瀬戸内海を泳いで島を渡り歩く猪がいる、と聞いて興味半分、ちょっとしたスクープ写真をものに出来るかと、取り組んでいくうちに猪の害の大きさ、集落を滅亡させるほどの実例などにぶつかる。
猪突猛進どころか急なユーターンもジグザグ、後じさりすら自由自在。
いざとなれば一メートルものハイジャンプもする(ふだんは低いフエンスでも防護柵として有効)。

深刻な被害をもたらしている割に、その全貌がつかめていない。
猪の生態についての研究もほとんどなかった。

捕獲するのか、保護するのか、駆除する前にやることはないのか。
ハンターに委嘱して駆除した頭数で報奨金を出したら、奥山に棲む無害な猪を撃って、かえって人里に追いやる始末。
獲った猪をどうするのか。
食えばうまいが、流通ルートをどうつくるか。

手探りでいろんな情報をもとに取材していく。
補助金頼りの限界を知る。
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獣害に泣き寝入りせず、何とかした農家が自ら立ち上がるー。
この当事者起点が、問題の山を動かしていく。
農家が狩猟免許を取る。おりのような箱わなを裏山に仕掛けだす。すると、集落ぐるみで立ち向かう意識も出てくる。しだいに地域づくりの一環として、獣害対策をとらえる発想が根付いていった。


これこそ、集団的自衛の佳き事例ではないか。
こういう運動・戦いに欠かせないのは「人」だ。
役所の中のジョブ・ローテーションのひとつとして短期間を義務的に務めるのではなく、長年腰を落ち着けて、現場に入り,農家の人々を説得して効果のある取り組みを作り上げていく役人。
それを助ける専門家。
どこにも前例とか教科書がないから自分たちで考え行動していく。
シールズの奥田君の言う、「孤独に判断し、自分の頭で考えて」だ。
でもやってるうちに孤独ではなくなるありさまが読んで楽しい。
当時者には深刻な話なのは分かっていてもどことなくユーモラスなのは、あの風貌にあるのか。
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ハンターたちの趣味の場としてビジネスにしている欧州事情、縄文時代からの猪と人間の関係なども。
TPPで日本の農家が廃業してしまえば、猪はいなくなる?
段々畑が亡くなってから猪が里まで降りてくるようになったという。

本の雑誌社
Commented by unburro at 2015-09-20 12:46
知り合いの料理人(イタリアン)が、
地元の猟師とタッグを組んで、猪や鹿を料理することに力を入れています。
たくさん消費するために、自分で解体を学んで、燻製やソーセージを作り始めたのですが、そうすると保健所などがうるさくなってきたとかで、ついに狩猟免許をとりました。
Commented by saheizi-inokori at 2015-09-20 13:01
unburroさん、保健所行政と獣害対策行政がうまく連携を取れればいいのですがね。
うまくできているところもあるようです。
落語の「二番煎じ」を聴くと猪鍋が食いたくなります。
「池田の猪買」も楽しい噺ですね。
Commented by hazuremon at 2015-09-21 01:06 x
 志ん朝の「二番煎じ」が大好きです。
あの粋な感じは噺家を選びますね。
夏は小三治の「青菜」。
 今迄は漫然と新聞を読んでいたが、この頃は
一字一句「誘導されていないか?偏ってないか?」と考え乍ら読む。判らない言葉は調べる。
安倍様のお蔭で勉強させて頂いています。
 奥田君の「孤独に思考し判断し行動する」という言葉が心に響く。
「統治行為論」って、これで又、やられちゃうの?与党(多数)の暴挙は誰も押さえられないってことになってしまう。司法って何よ?

 
Commented by jarippe at 2015-09-21 05:57
モヤモヤした気持ちでニュースを見る気にもなれず
このところの青空がぴったり来ない感じで過ごしています

田畑を荒らす動物たち
農業が衰退してきたからの結果かもしれないですね
農業ばかりか漁業も若い力がなくなってしまって
第一次産業は原点だと思うのですが・・・・
Commented by j-garden-hirasato at 2015-09-21 08:29
「21世紀は獣害の世紀になる」
そうなってますね。
ハンターも高齢化して、
個体数の減が一向に進んでいません。
Commented by fusk-en25 at 2015-09-21 09:26
獣害って言いますが。
昔は彼らの陣地だったとこに人間が押しかけた?
ロアルド・ダールの小説(童話?)に父さんぎつねバンザイと言う人間を振り回す動物の話があるのを思い出してました。
Commented by saheizi-inokori at 2015-09-21 10:41
> hazuremonさん、安倍たちの欺瞞、それに対して諦めて保身を図る野党、彼らを慄かせたのは奥田君の言うような「孤独な思考と行動」が連帯したからでしょう。
司法も国民の顔色を見ますよ。
Commented by saheizi-inokori at 2015-09-21 10:46
> jarippeさん、休耕田が身を隠す草原を作り、臆病な猪が下に降りてこられるようになったのだそうです。
TPPで農業が亡くなれば今度は食うものに困って獣たちも死んでいくのかもしれません。
Commented by saheizi-inokori at 2015-09-21 10:52
> j-garden-hirasatoさん、個体数の変化についてもきちんとした調査がなされていないようです。
今どのくらいの獣がいて、それを何頭にまで抑えるのか、その方法はどうするのか、ほとんど国は無策。
Commented by saheizi-inokori at 2015-09-21 10:54
> fusk-en25さん、殺しつくすのか、保護するのか、どういうレベルで共生できるのか、縄文時代から続いている問題ですね。
鹿を見て、可愛い殺さないで、という状況ではなさそうですが。
Commented by 平名 at 2015-09-21 19:42 x
 「亥変」でもなく「異変」でもなく「猪変」か、、 芦屋川では、かわいがられて居るが作物に臭いが憑いて猿より大変そう、、 政治の世界だけじゃなく生物全部ですか、、
Commented by saheizi-inokori at 2015-09-21 21:58
> 平名さん、チョヘンと読むのかと思いましたら。
都会の人と農家では受け止め方が違う、それも対策の進め方に影響しているようです。
都会の人は「かわいそう―」になっちゃうから。
Commented by 平名 at 2015-09-22 02:33 x
「チョ変」ですか、「イ変」とばかり想ってました。 世界は「著変」ですから、、 健康第一!!
Commented by saheizi-inokori at 2015-09-22 10:11
> 平名さん、ちょとつもうしん。だと。。
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by saheizi-inokori | 2015-09-20 12:34 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(14)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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