豪華絢爛!笑いが絶えなかった 吉例夏夜話 さん喬・権太楼特選集・初日@鈴本夏まつり
2015年 08月 12日
このチケットを取ったのが一か月ほど前、そのときはこんな状態に陥るとは夢にも思わなかった。
能楽堂、友人に頼んだ白酒独演会とキャンセルして、これも当然無駄になると覚悟していたら、たまたま夜がポカッと空いた。
今朝退院する息子の栄養指導を聴いて、カミさんや息子の「行ってきなよ」の言葉に押されるように鈴本へ。
それにしても栄養指導の先生、どうしてああ質問されるのを嫌がるのか。
「そんなことは今までの俺の噺を聴いてればわかるはず」と言わんばかり。
俺が漢方的な質問をするのが気に喰わないのか。
燕湯で汗を流して鈴本へ。
甚語楼「のめる」
膝でも怪我したのか見台をおいて、でも元気な高座。
先頭打者、気持ちのいいヒット、こりゃ飲めるな、とペットボトルの水をぐいっ。
仙三郎社中・太神楽曲芸
前から三列目の真ん中といういつもよりいい席でみると、後輩がやっている芸を見守る時の仙三郎の厳しく光る眼、危うそうにとどまっている扇子、、迫力が違う。
志ん輔「替り目」
夕べ、呑みすぎた、三軒目の店でホッピー中ジョッキを1分半で三杯呑んだところまで、「アベはバカだな」「アベはバカだ」、、酔っぱらいのナンセンスな会話や自虐ネタをこう羽目を外して話すのは珍しい。
ネタは短く歯切れよく、さいごの亭主がカミさんの素晴らしさを語るところで突然号泣して見せた。
新境地?
昨日の酒がガソリンになっていたか。
三三「道具屋」
誰の形か、あまり聞かないギャグが多い。
与太郎はちょっと悪の与太郎。
一之輔「初天神」
金坊のド迫力!八五郎さん、と呼ばれるオトッツアンはたじたじを通り過ぎて恐怖か。
ふたりの、とくに金坊の百面相がなんともおかしい。
小猫・ものまね
雷鳥、振り向きざまに啼く猫、ため息をつくアシカ、、ゴリラの笑い、アルパカ、、、知らない鳴き声でもウマいと思わせひと言で笑わせるセンスがいい。
喬太郎「寿司屋水滸伝」
きょうちゃ~ん、の間の悪い声に興を殺がれたか、ケンタッキーフライドチキンを食う(フエチ?)噺、回転ずしを一皿だけで出てくるのが男の勇気なんだとか言いつつ、「今日は真面目な噺をする人ばかりだから、一人くらい、、これで終わっちゃうか、、やはり粗忽長屋が良かったか、、」恒例の自己突込みを入れながら、ネタらしきものはヘンな寿司屋の噺。
ま、たしかに今日は豪華すぎるメンバーだから、いいか。
新治「紙入れ」
どの方もトリを取られるようなものすごい師匠方に挟まれて、感激です。
一生懸命やります。
舞台に出る時、去る時に必ず楽屋口で一礼する。
上方の人が何かを言ってはさいごに「よう知らんけど」とつける、とかいつもの「おかしな言い回し」は相変わらず爆笑を誘う。
「紙入れ」はこの間三田落語会で聴いたばかり。
気のせいか、少し力が入って、おカミさんが帯を解き着物を脱ぐところなどは、ちょっとぎごちなかった。
新さんが、紙入れを置き忘れて帰るさ、「逃げ出そう、この国におったら、総理大臣は無茶苦茶するし、、そうだ、ギリシャに行こう、あそこは間男などやってるよゆうないやろ」、どっと来た。
翌朝、旦那の前でオカミサンが、「心配しなくていいんちゃう、よう知りませんけど」。
中入り後、あずみ・三味線漫談
大柄な、本人もフィリピンパブ?に誘われたというような顔立ちだが京都生まれの京都育ち。
歌い方が洋楽っぽい感じがした。
さん喬「夢金」
寒い雪の夜の大川、真っ黒な水面を流れるように行く屋形舟。
中にいるのは騙されてきた娘(おせつか?)とそれを殺して懐中の金を盗ろうという浪人。
船頭は酒手をはずむという餌に食い付いた強欲な熊。
下卑た熊が、人殺しも相棒になれと持ちかけられて、
金は欲しい!金は欲しいが、ただ欲しいのだ。
人を殺してまで欲しくはない!
強欲新自由主義が人殺しすらやってのけるのに比べたら、真っ当しごくな船頭だ。
急に凛として見えた。
しつこくなく適当に笑いもとって上出来の一席也。
正楽・紙切り
「お墓参り、お墓参り」と鼻歌を歌いながら切った「お墓詣り」が、小さな子供と夫婦連れ、見事だった。
権太楼「鰻の幇間」
店が汚くても鰻がきれいならいいン。ワタシャ店食うんじゃないんだから、シロアリじゃないン。
腰の強い鰻、男らしいですね。
払うけどさ、云わして!
おしめ、え、加奈子ちゃんの?そんなこと聞いてんじゃない。
盃に金子葬儀社と書いてある。
お馴染み、名セリフの数々、思いだしても笑えてくる。
権ちゃん・さん喬、全力投球、互角の勝負。
素晴らしい3時間半だった。
それだけに軽く晩飯を食うつもりで、呑みすぎるのを警戒して、あえて「はじめ」を避けて入った店で、、亭主が汗びっしょりになって働くオカミサンにぐちぐち文句ばかり言ってるのが腹が立ってさっさと出てきた。
大画面のテレビ映像の野球中継が終わったままになっているのに、川内原発再稼働のニュースが流れだしたせいかもしれない。
いくらか暑さが和らいだ夜の道を歩きながら、きびしい現実に立ち向かう心仕度。
能楽堂、友人に頼んだ白酒独演会とキャンセルして、これも当然無駄になると覚悟していたら、たまたま夜がポカッと空いた。
今朝退院する息子の栄養指導を聴いて、カミさんや息子の「行ってきなよ」の言葉に押されるように鈴本へ。
それにしても栄養指導の先生、どうしてああ質問されるのを嫌がるのか。
「そんなことは今までの俺の噺を聴いてればわかるはず」と言わんばかり。
俺が漢方的な質問をするのが気に喰わないのか。
燕湯で汗を流して鈴本へ。
膝でも怪我したのか見台をおいて、でも元気な高座。
先頭打者、気持ちのいいヒット、こりゃ飲めるな、とペットボトルの水をぐいっ。
仙三郎社中・太神楽曲芸
前から三列目の真ん中といういつもよりいい席でみると、後輩がやっている芸を見守る時の仙三郎の厳しく光る眼、危うそうにとどまっている扇子、、迫力が違う。
夕べ、呑みすぎた、三軒目の店でホッピー中ジョッキを1分半で三杯呑んだところまで、「アベはバカだな」「アベはバカだ」、、酔っぱらいのナンセンスな会話や自虐ネタをこう羽目を外して話すのは珍しい。
ネタは短く歯切れよく、さいごの亭主がカミさんの素晴らしさを語るところで突然号泣して見せた。
新境地?
昨日の酒がガソリンになっていたか。
誰の形か、あまり聞かないギャグが多い。
与太郎はちょっと悪の与太郎。
一之輔「初天神」
金坊のド迫力!八五郎さん、と呼ばれるオトッツアンはたじたじを通り過ぎて恐怖か。
ふたりの、とくに金坊の百面相がなんともおかしい。
小猫・ものまね
雷鳥、振り向きざまに啼く猫、ため息をつくアシカ、、ゴリラの笑い、アルパカ、、、知らない鳴き声でもウマいと思わせひと言で笑わせるセンスがいい。
きょうちゃ~ん、の間の悪い声に興を殺がれたか、ケンタッキーフライドチキンを食う(フエチ?)噺、回転ずしを一皿だけで出てくるのが男の勇気なんだとか言いつつ、「今日は真面目な噺をする人ばかりだから、一人くらい、、これで終わっちゃうか、、やはり粗忽長屋が良かったか、、」恒例の自己突込みを入れながら、ネタらしきものはヘンな寿司屋の噺。
ま、たしかに今日は豪華すぎるメンバーだから、いいか。
新治「紙入れ」
どの方もトリを取られるようなものすごい師匠方に挟まれて、感激です。
一生懸命やります。
舞台に出る時、去る時に必ず楽屋口で一礼する。
上方の人が何かを言ってはさいごに「よう知らんけど」とつける、とかいつもの「おかしな言い回し」は相変わらず爆笑を誘う。
「紙入れ」はこの間三田落語会で聴いたばかり。
気のせいか、少し力が入って、おカミさんが帯を解き着物を脱ぐところなどは、ちょっとぎごちなかった。
新さんが、紙入れを置き忘れて帰るさ、「逃げ出そう、この国におったら、総理大臣は無茶苦茶するし、、そうだ、ギリシャに行こう、あそこは間男などやってるよゆうないやろ」、どっと来た。
翌朝、旦那の前でオカミサンが、「心配しなくていいんちゃう、よう知りませんけど」。
中入り後、あずみ・三味線漫談
大柄な、本人もフィリピンパブ?に誘われたというような顔立ちだが京都生まれの京都育ち。
歌い方が洋楽っぽい感じがした。
寒い雪の夜の大川、真っ黒な水面を流れるように行く屋形舟。
中にいるのは騙されてきた娘(おせつか?)とそれを殺して懐中の金を盗ろうという浪人。
船頭は酒手をはずむという餌に食い付いた強欲な熊。
下卑た熊が、人殺しも相棒になれと持ちかけられて、
金は欲しい!金は欲しいが、ただ欲しいのだ。
人を殺してまで欲しくはない!
強欲新自由主義が人殺しすらやってのけるのに比べたら、真っ当しごくな船頭だ。
急に凛として見えた。
しつこくなく適当に笑いもとって上出来の一席也。
正楽・紙切り
「お墓参り、お墓参り」と鼻歌を歌いながら切った「お墓詣り」が、小さな子供と夫婦連れ、見事だった。
権太楼「鰻の幇間」
店が汚くても鰻がきれいならいいン。ワタシャ店食うんじゃないんだから、シロアリじゃないン。
腰の強い鰻、男らしいですね。
払うけどさ、云わして!
おしめ、え、加奈子ちゃんの?そんなこと聞いてんじゃない。
盃に金子葬儀社と書いてある。
お馴染み、名セリフの数々、思いだしても笑えてくる。
権ちゃん・さん喬、全力投球、互角の勝負。
素晴らしい3時間半だった。
それだけに軽く晩飯を食うつもりで、呑みすぎるのを警戒して、あえて「はじめ」を避けて入った店で、、亭主が汗びっしょりになって働くオカミサンにぐちぐち文句ばかり言ってるのが腹が立ってさっさと出てきた。
大画面のテレビ映像の野球中継が終わったままになっているのに、川内原発再稼働のニュースが流れだしたせいかもしれない。
いくらか暑さが和らいだ夜の道を歩きながら、きびしい現実に立ち向かう心仕度。
Commented
by
ikuohasegawa at 2015-08-12 09:27
権太楼二席は『ぐやじい』です。
厳しい暑さが和らいだとはいいながら、現実は一層厳しいですね。おまけに再稼動だもの。
厳しい暑さが和らいだとはいいながら、現実は一層厳しいですね。おまけに再稼動だもの。
0
Commented
by
sheri-sheri at 2015-08-12 10:29
お早うございます。息子さん御退院ほんとによかったですね。病院、栄養指導なんてこれからの生活に一番重要なことなのに、まったく意識が低いですね。でも夜、演芸場夏祭り聴きごたえありで何よりでした。川内原子力発電所、いままでの累積赤字が膨大で再稼働することにより、150億利益が見込まれ来年には赤字も回復とか。一重に九州電力とそれにまつわりつく利権が発生する集団のために再稼働された由。ラジオからの情報ですが。 鹿児島県は、再稼働反対のため、昨年まで使っていた海岸の場所を申請していた市民グループの要請を今年は却下。そこまで強権的か!と驚きます。しかし市民グループはめげずその場所で行動しました。
Commented
by
kogotokoubei at 2015-08-12 10:45
木戸銭が無駄にならずに良かったですね。
こちらは越後、連れ合いの実家です。
今ほど、連れ合いが義母と一緒に病院に向かい、私は犬と一緒に留守番です。
昭和一桁生まれの義父、義母、いろいろございます。
川内再稼動・・・学習能力のなさは、我が家のワンコ以下です。
こちらは越後、連れ合いの実家です。
今ほど、連れ合いが義母と一緒に病院に向かい、私は犬と一緒に留守番です。
昭和一桁生まれの義父、義母、いろいろございます。
川内再稼動・・・学習能力のなさは、我が家のワンコ以下です。
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-12 11:42
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-12 11:45
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-12 11:46
> kogotokoubeiさん、月命日に再稼働するってのが、挑戦的だなあ。
Commented
by
ラクゴスキー
at 2015-08-12 16:05
x
ご一緒でしたか。サラからトリまで密度の高い中席でした。初日というのは演者にも適度な緊張感があるようで、それがいい方へ作用していた気がします。
原発抜きでも電力の供給は十分であり、あれだけ反対が多いにも拘らず政権が再稼働に拘るのは、やはり別の目的(核開発)の為としか思えません。
原発抜きでも電力の供給は十分であり、あれだけ反対が多いにも拘らず政権が再稼働に拘るのは、やはり別の目的(核開発)の為としか思えません。
Commented
by
k_hankichi at 2015-08-12 18:04
燕湯、すこし深めの湯船で、熱めの湯だったことを覚えています。夏の湯もそうなのでしょうか。
Commented
by
j-garden-hirasato at 2015-08-12 20:43
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-12 21:04
> ラクゴスキーさん、いらっしゃいませ。
私には喬ちゃんに聞こえました。ちゃ~ん、が頭に残っています。
喬太郎は上手前列にダメだししましたね。
そんなことあんなこととても楽しかった。
天中殺から抜け出せそうな気がしました。
私には喬ちゃんに聞こえました。ちゃ~ん、が頭に残っています。
喬太郎は上手前列にダメだししましたね。
そんなことあんなこととても楽しかった。
天中殺から抜け出せそうな気がしました。
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-12 21:06
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-12 21:08
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-12 21:12
> j-garden-hirasatoさん、東京で入湯料が460円、寄席が3000円程度、いつでもできますよ^^。
Commented
by
hanamomo06 at 2015-08-13 00:30
豪華な顔ぶれ、さぞ聴き応えがあった事でしょう。
燕湯・・・・・張子の金魚を吊るしていますね。
季節によってお客さんにサービスなのでしょうね。
一風呂あびて、寄席に行く。
江戸情緒たっぷり。
権太楼さんの落語、生で聴きたいなあ~。
燕湯・・・・・張子の金魚を吊るしていますね。
季節によってお客さんにサービスなのでしょうね。
一風呂あびて、寄席に行く。
江戸情緒たっぷり。
権太楼さんの落語、生で聴きたいなあ~。
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-13 08:17
Commented
by
Vimalakirti at 2015-08-13 09:30
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-13 10:49
> Vimalakirtiさん、私は青森ねぶたの列の先頭を歩いたこともあるのに金魚ねぷたのことは忘れていました。
Commented
by
福
at 2015-08-14 07:12
x
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-14 08:51
Commented
by
豆ママ
at 2015-08-14 11:02
x
今回チケットとってないんですが、佐平次さんの日記読んだら
行きたくなってしまいましたよ!
行きたくなってしまいましたよ!
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-08-14 13:15
> 豆ママさん、楽しかったですよ。19日がまだ席があるとさん喬がいってましたよ。
by saheizi-inokori
| 2015-08-12 08:38
| 落語・寄席
|
Trackback
|
Comments(22)