隠れ山里に住む幸せなイジンたち 十谷温泉「山の湯」の飯のことなど
2015年 05月 20日
露天風呂でゆっくり夕べの酒を抜いたけれど朝食にはまだ時間がある。
風呂からもよく見える集落、ほとんど誰も住んでいない、だからスッポンポンで突っ立っても誰も見てないと、女性たちが笑っていた、その集落のことが気になる。
火の見やぐらやがらんとした校庭、妙に蔵が多くお互いに肩寄せ合って建っている家々のことなどが。
坂をぶらぶら降りていくと、立派な寺があって、この町を何度も大火が襲ったこと、焼けた寺の屋根の修復に960万円の寄付が集まったことなどが記されている。
火事の被害が広がりやすいこと、蔵を建てる家が増えたことなどの訳がわかった。
さらに歩くと人の気配のする家の壁の掲示板に、この町で起きた(?)部落差別事件の詳細を報じ当時者を糾弾する記事が貼ってある。
誰かに配慮したのだろうか、掲示板の上枠にかすれた文字で「詳細調査中」と書きなぐってある。
この後会うことになったYさんの言葉を借りれば「マチュピチュみたいになった」、この町に部落差別問題が生きていることに少しびっくりし、いやかえってこんな風な集落だから差別する気持ちが生き続けるのだろうかとも思ってもみた。
古民家和み庵と案内がある長屋門の前で中のようすを窺っていたら「みますか」と道の向こうから60歳くらいの男が声をかけてくる。
この家の主、Yさんだった。
「7時半から朝飯なんで無理かな」というと「30分じゃ無理だな。ユキさんは時間に遅れると嫌がるから早く帰った方が好いよ」。
その朝飯はこんな風で、晩飯はこんな風だった。
冷たくてもいいものがきちんと並べられ、酒(燗)を頼むとあまり待たせることなく出て来て、食いはじめるとタイミングよく次の料理が気配をはかるようにして出てくる。
スペアリブの猪鍋、見た目はともかく、うまいのだ。
焼きあがった岩魚に、宿のサーヴィスの馬刺し。
酒は春のウグイスが囀る、春鶯囀。
いったい何本飲んだか、ユキさんも驚いていた由。
どの小鉢も塩梅よく作られて、俺のような大食いでも文句なくたっぷり盛りつけてある。
朝飯も前日の昼の手打ち蕎麦の時もそうだったが、みんなが食い終ったかと思うと、上手に淹れたコーヒーが出てくる。
十谷温泉民宿「山の湯」の手作りの大柳川渓谷滝めぐりの案内マップの端っこに書いてある、オヤジ・幸さんの信条。
なるほど、有言実行、されば客も時間に遅れるなどはマナー違反だ。
立派な露天風呂を土台から内装・外装・外構、、すべてユキさんが三年かけて自分で作り上げた。
日の出や雲海の眺望もみごと、一抱えもありそうなミズナラの柱が圧巻。
岩魚、山女、鰻、猪、鹿、キノコ、山菜、、ほとんどを自分で獲ってくる。
望めばツアーにも案内してくれるらしい。
ワハハ!と大声で笑い、いっしょに働く家族も笑顔。
すべては信条・信念だね。
強固な信念とそれを支える強健な身体、信じてついてくる家族。
食後、みなさんを誘ってYさんの「和み庵」に行く。
松本に住んでいたYさんがネットで見て惚れ込んだという築123年の庄屋の屋敷。
樹齢250年のぶっといカエデ、婚活の場作りを楽しむYさんは「縁結びもみじ」と看板を立てている。
庭も面白いが室内は30センチもある長押、黒光りする鏡板、本格書院造の床の間など、そのひとつ一つをユーモアを交えて説明するYさんも面白い。
かつて鰍沢は富士川の舟運の拠点、甲府よりも殷賑を極めた由。
それが庄屋にこれほどの家屋敷を作らせた。
譲り受けたときは室内外はゴミの山で二トン車何十台も使って処理、そのあとも修理修復、汚れ落とし、今でも廊下を磨いているというYさんは、山の湯のユキさんとは「仲良しクラブ」だという。
案内料は一人200円、十人以上は2000円に割引と笑うが、儲け仕事ではないだろう。
もう少しこの地域の歴史、場合によっては部落差別問題のことなども訊いて見たかったが、帰りの時間が迫っている。
ほれ、ユキさんが次の客を迎える仕度で大童。
家族総出で運転してくれる車三台に分乗してバス停に向かう13人と一匹。
風呂からもよく見える集落、ほとんど誰も住んでいない、だからスッポンポンで突っ立っても誰も見てないと、女性たちが笑っていた、その集落のことが気になる。
火の見やぐらやがらんとした校庭、妙に蔵が多くお互いに肩寄せ合って建っている家々のことなどが。
火事の被害が広がりやすいこと、蔵を建てる家が増えたことなどの訳がわかった。
誰かに配慮したのだろうか、掲示板の上枠にかすれた文字で「詳細調査中」と書きなぐってある。
この家の主、Yさんだった。
「7時半から朝飯なんで無理かな」というと「30分じゃ無理だな。ユキさんは時間に遅れると嫌がるから早く帰った方が好いよ」。
いったい何本飲んだか、ユキさんも驚いていた由。
どの小鉢も塩梅よく作られて、俺のような大食いでも文句なくたっぷり盛りつけてある。
朝飯も前日の昼の手打ち蕎麦の時もそうだったが、みんなが食い終ったかと思うと、上手に淹れたコーヒーが出てくる。
なるほど、有言実行、されば客も時間に遅れるなどはマナー違反だ。
立派な露天風呂を土台から内装・外装・外構、、すべてユキさんが三年かけて自分で作り上げた。
日の出や雲海の眺望もみごと、一抱えもありそうなミズナラの柱が圧巻。
岩魚、山女、鰻、猪、鹿、キノコ、山菜、、ほとんどを自分で獲ってくる。
望めばツアーにも案内してくれるらしい。
ワハハ!と大声で笑い、いっしょに働く家族も笑顔。
すべては信条・信念だね。
強固な信念とそれを支える強健な身体、信じてついてくる家族。
松本に住んでいたYさんがネットで見て惚れ込んだという築123年の庄屋の屋敷。
樹齢250年のぶっといカエデ、婚活の場作りを楽しむYさんは「縁結びもみじ」と看板を立てている。
庭も面白いが室内は30センチもある長押、黒光りする鏡板、本格書院造の床の間など、そのひとつ一つをユーモアを交えて説明するYさんも面白い。
それが庄屋にこれほどの家屋敷を作らせた。
譲り受けたときは室内外はゴミの山で二トン車何十台も使って処理、そのあとも修理修復、汚れ落とし、今でも廊下を磨いているというYさんは、山の湯のユキさんとは「仲良しクラブ」だという。
案内料は一人200円、十人以上は2000円に割引と笑うが、儲け仕事ではないだろう。
もう少しこの地域の歴史、場合によっては部落差別問題のことなども訊いて見たかったが、帰りの時間が迫っている。
ほれ、ユキさんが次の客を迎える仕度で大童。
家族総出で運転してくれる車三台に分乗してバス停に向かう13人と一匹。
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m-rica at 2015-05-20 14:33
隠れ里に住む幸せなジジイと読み違え。
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HOOP at 2015-05-20 14:47
源氏の湯には泊まったっことがあるのですが、やはり今でも良いところのようですね。
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旭のキューです。
at 2015-05-20 19:21
x
綺麗な盛り合わせです。お酒が進みますね♪
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reikogogogo at 2015-05-20 21:55
凄い、魅力的な旅、車3台13人とサンチ良かったねー。
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saheizi-inokori at 2015-05-20 22:26
m-rica さん、やっぱりね^^。
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saheizi-inokori at 2015-05-20 22:27
HOOP さん、源氏の湯まで上がってみようかと思ったけれど二年ほど年を取りすぎました。
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saheizi-inokori at 2015-05-20 22:28
旭のキューです。さん、それに仲間が楽しいのですから、進みすぎて困りました。
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saheizi-inokori at 2015-05-20 22:29
reikogogogoさん、半分以上は初めて逢う人でした。
でも幹事の人が仲立ちで貸切、楽しかったです。
でも幹事の人が仲立ちで貸切、楽しかったです。
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sheri-sheri at 2015-05-22 14:55
サンチちゃん、可愛い。お父さんやお母さんと一緒で良かったね。 しかし、部落差別は心痛む事ですね。
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saheizi-inokori at 2015-05-22 18:14
sheri-sheri さん、こんなに美しいところでね。
by saheizi-inokori
| 2015-05-20 13:20
| こんなところがあったよ
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Comments(10)