おならはいつから哀しくなるのか

雀が巣を作ったかどうかは定かではないが、いよいよ春が本格的になった。
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三日ぶりに歩いた川の畔に黄色の幕が張られて、足元には小さな花模様。
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桜は明日、それとも明後日か。
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こんげつのお祖母ちゃんと母のお出まし。
若く言はれたき昔もありきこの頃はおまけをつけて吾が年をいふ
俺はまだ若く見られたい。
この歌を詠んだ祖母とそう歳は違わないと思うけれど。
義母はあと少しで90だが、二三年前から「90歳です」という。

せんじつサンチと歩いていて40歳くらいの女性にオジサンと呼ばれて妙な気がした。
孫たちからを除くと、オジイサンと呼ばれる機会があまりない。
「旦那」とか「お客さん」とか、あとは名前やニックネームがほとんど、オジサンとも呼ばれない。
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囀りの途切れとぎれや人疎ら
晩年は、母と二人で歩くことは少なかったな。
散歩のときだったか、母がオナラをした。
困ったような照れたような顔で俺を見たのが忘れられない。
今ひとりで街歩きをしていて、ぶぶぶ、そのたびに母のあの顔を思い出す。

みんなが若かった頃は、おならは笑いのタネ、「やったな」「違うよ、兄ちゃんだよ」「ははは!」。
年を取るとおならにも哀愁が加わる。
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Commented by sheri-sheri at 2015-03-22 15:31
今日は。東京にもいよいよ春が来ましたか。いつも素敵な草木のお写真を拝見しているので、もうそこまで春は来ているよう・・と思っていました。オナラのことを綴られても清々しい感じがします。お母様の話いいですね。そして本当に歳を重ねるともう大見栄きるというか、かえって多く言うなんてことわかる気がします。こんなに歳とっちゃったのよ~といいつつ嬉しい気持ちがあるのでは。・・サへいじさんが、おじさんと呼ばれて複雑だったこと・・共感します。実は私もさっき買い物中、思うにあまり芳しくない見知らぬ男性から・
おばさんと言われ、しばしショックでした。でも、おばあちゃんと言われるよりいか・・と考えなおしました。しかし、なんだかいやでした。
Commented by jarippe at 2015-03-22 18:21
おりにふれことに触れ
ふと幼いころや 親とのシーンが浮かびます
胸がキュンキュンです
我が子もそんなこと思う時があるのかしら
いなくなってからのことでしょうか
Commented by fusk at 2015-03-22 19:09 x
バスに乗って。
席を譲ろうとされると愕然とします。
ええ?私の事と。年齢なら充分そうなんですが。笑。
おばさん?おばあさん?やっぱりちょっと変な気分。笑。
見知らぬ人からは他に呼びかけようが無いのでしょうけれど。。。
サンチと写っているのはシュナウザーですか?

Commented by saheizi-inokori at 2015-03-22 23:08
sheri-sheri さん、お爺さんなのにオジサン、うれしいはずなのに、何かしっくりこない。
お爺さんでもナオサラかも。
難しい年頃^^。
Commented by saheizi-inokori at 2015-03-22 23:09
jarippeさん、私はこの数年がそういう気分になることが多いです。
母が亡くなって何年か経った頃です。
Commented by saheizi-inokori at 2015-03-22 23:11
fusk さん、どう観ても私より若い女性(男性にはあまりいない)が、押しのけるようにして優先席に座るのをみると、なんか嬉しくもあります。
シュナウザーの二頭連れ、一頭は知らん顔、一頭がこうやってきます。
Commented by kurashiki-keiko at 2015-03-22 23:27
東京の春は早いようですね。倉敷にもそろそろ春が来たようです。
Commented by saheizi-inokori at 2015-03-22 23:35
kurashiki-keiko さん、ご無沙汰してました!
倉敷には夏しか行ったことがないのです。春もきれいなんでしょうね。
Commented by unburro at 2015-03-23 01:01
「おまけをつけて吾が年をいふ」
「おまけ」というところが光っていますね。
母上の俳句も、静かな空気が感じられます。
saheiziさんの言語感覚の素敵さは、遺伝だったのですね、と
しみじみ読ませて頂きました。

しかし、お母様のオナラを憶えているって…
これだから男の子は、油断ならない。
ウチの息子も、こっちが忘れているような、昔の変な失敗を
いつまでも憶えている時があります。
Commented by takoome at 2015-03-23 08:35
サワディーカー
その昔、子供に「おならはえらい」っちゅう、絵本を買った。
おならは世界共通音だって本やった。
私も楽しみ、子供も楽しみ、以後、オナラは快適に家の中でも外でも鳴りまくったのでありました。
Commented by saheizi-inokori at 2015-03-23 09:46
unburro さん、若い頃と違って堪えるまでもなく出てしまう。
それを哀しむような恥ずかしいような、あの顔は忘れられません。
子供のころは母というよりも兄弟が多かったなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2015-03-23 09:48
takoome さん、小津安二郎の映画「お早う」もおならが主役でしたね。
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by saheizi-inokori | 2015-03-22 11:26 | わが母と祖母の遺したまいしうた | Trackback | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori