旦那の趣味は茶の湯くらいがほどの良さ 映画「フオックスキャッチャー」
2015年 02月 20日
ちょっと調子が悪く、いつもの体操をする気になれなかったが、ゴミを出したり朝飯の仕度やら洗濯物を片付けたり干したり、部屋の掃除もする。
働き者だなあ、我ながら。
(満艦飾の洗濯物は幸せのしるし)
このところ落語に行かないしちょっと引きこもりなので、そうだ!映画行こう。
大財閥デュポンの御曹司が、20ドルの講演料で食いつなぐロスオリンピック、レスリングの金メダリスト・マーク(アメリカは金メダリストも食っていけない)を抱え込んでソウルオリンピックの金を狙わせる。
兄の金メダリストも強引に金で引っ張り込む。
「真実に基づく映画」。
グローバル世界を支配する一員としての富と権力と名声。
それは世襲、自分で勝ち取ったものではない。
人々は権力・金力にひれ伏すが、己が母親に対してすら頭が上がらない。
ナントカして世襲・母譲りではない、俺自身にこれだけの才能があるということを示したくてしょうがない。
権力を持つ人が支配下にある人に、心から慕われ尊敬されていると思えるくらい嬉しいことはない。
スポーツ選手のように自分にない能力を持った人からのものだとひとしおだ。
集めたレスリング選手たちが走りながら「ジョン(デュポン)、最高!」と手を振るシーンをみて、昔、会社の野球部の合宿所の掲示板に「○○部長は最高!」という落書きがあったと有頂天になっている友人がいたことを思いだした。
有名大学出ということだけで部長になった男、馬鹿な奴と思ったが気持ちは分かる。
落書きをした男は監督に言われてやったという噂だった。
彼らの能力に対するリスペクトや厳しい練習環境に対する同情からではなく、自分の威信を示す装飾物として、またはドーベルマンを飼い馴らす快感を味わうために彼らを支配したくなるのが権力者の陥る罠だ。
マークが世界選手権で優勝して応援席にいるデュポンに頭を擦り付けてハグする姿はサンチが俺にすり寄る姿そのものだった。
とくに自分の能力に自信のない権力者が陥る罠。
(シネマライズ)
法外な待遇とかっこいい憂国の言葉でマークを誘うデュポン。
いかにも信用ならない、毒蛇を懐にした男のように見えるけれど、飢えたるスポーツマンは、目がくらむ。
病めるアメリカを救う、という言葉にも引き込まれる。
アメリカはこういう”自由を愛する愛国者”によって牛耳られているのだろう。
日本は尻尾を振って頭を擦り付ける忠犬になってはならない。
マーク、その兄、デュポン、それぞれ役者が好演。
広壮な敷地にそそり立つデュポンの豪邸に近接して作られたジム、アメリカ五輪代表チームの公式練習場として提供されたのも実話だろうか。
いささか漫画チックなデュポンの造型もおもしろい。
見ごたえのある映画だった。
落語に出てくる隠居や旦那の趣味は「茶の湯」であったり「義太夫」であったり、まことに罪がない。
「寝床」で旦那の義太夫を聴かされる長屋の衆は「とんでもない!」というかもしれないが。
働き者だなあ、我ながら。
このところ落語に行かないしちょっと引きこもりなので、そうだ!映画行こう。
大財閥デュポンの御曹司が、20ドルの講演料で食いつなぐロスオリンピック、レスリングの金メダリスト・マーク(アメリカは金メダリストも食っていけない)を抱え込んでソウルオリンピックの金を狙わせる。
兄の金メダリストも強引に金で引っ張り込む。
「真実に基づく映画」。
グローバル世界を支配する一員としての富と権力と名声。
それは世襲、自分で勝ち取ったものではない。
人々は権力・金力にひれ伏すが、己が母親に対してすら頭が上がらない。
ナントカして世襲・母譲りではない、俺自身にこれだけの才能があるということを示したくてしょうがない。
権力を持つ人が支配下にある人に、心から慕われ尊敬されていると思えるくらい嬉しいことはない。
スポーツ選手のように自分にない能力を持った人からのものだとひとしおだ。
集めたレスリング選手たちが走りながら「ジョン(デュポン)、最高!」と手を振るシーンをみて、昔、会社の野球部の合宿所の掲示板に「○○部長は最高!」という落書きがあったと有頂天になっている友人がいたことを思いだした。
有名大学出ということだけで部長になった男、馬鹿な奴と思ったが気持ちは分かる。
落書きをした男は監督に言われてやったという噂だった。
彼らの能力に対するリスペクトや厳しい練習環境に対する同情からではなく、自分の威信を示す装飾物として、またはドーベルマンを飼い馴らす快感を味わうために彼らを支配したくなるのが権力者の陥る罠だ。
マークが世界選手権で優勝して応援席にいるデュポンに頭を擦り付けてハグする姿はサンチが俺にすり寄る姿そのものだった。
とくに自分の能力に自信のない権力者が陥る罠。
法外な待遇とかっこいい憂国の言葉でマークを誘うデュポン。
いかにも信用ならない、毒蛇を懐にした男のように見えるけれど、飢えたるスポーツマンは、目がくらむ。
病めるアメリカを救う、という言葉にも引き込まれる。
アメリカはこういう”自由を愛する愛国者”によって牛耳られているのだろう。
日本は尻尾を振って頭を擦り付ける忠犬になってはならない。
マーク、その兄、デュポン、それぞれ役者が好演。
広壮な敷地にそそり立つデュポンの豪邸に近接して作られたジム、アメリカ五輪代表チームの公式練習場として提供されたのも実話だろうか。
いささか漫画チックなデュポンの造型もおもしろい。
見ごたえのある映画だった。
「寝床」で旦那の義太夫を聴かされる長屋の衆は「とんでもない!」というかもしれないが。
Commented
by
ikuohasegawa at 2015-02-21 05:38
烏賊大根に燗酒。いいなあ。
今日は烏賊大根をリクエストしよう。
今日は烏賊大根をリクエストしよう。
0
Commented
by
福
at 2015-02-21 06:57
x
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-02-21 10:09
ikuohasegawa さん、昼飯抜きでしたから一層うまかったです。
ほかに牡蠣のバター焼きとほうれん草とベーコンの炒めたの。
ほかに牡蠣のバター焼きとほうれん草とベーコンの炒めたの。
Commented
by
saheizi-inokori at 2015-02-21 10:11
by saheizi-inokori
| 2015-02-20 12:11
| 映画
|
Trackback
|
Comments(4)