ボーン・コレクター(上下) ジエフリー・デイヴァー (文春文庫)
2005年 07月 18日
2月に同じ人の「魔術師」を読んで感心したので、今頃になって手を出した。「魔術師」で初めて四肢麻痺の名探偵・リンカーン・ライムに会って、是非ゼヒ、その登場ぶりを見たかったのだ。遅く読むというのは文庫本になっているのがありがたい。逆に単行本を買ってツンドクでいるうちに文庫本が出るのはグヤジイネ。
期待が大きい分、更には、すでに緻密そのものの科学捜査と博学を素敵な連想・想像力で結びつけて魔術のような結論を出していくライムの方法、気難しいライムをなだめ、あやしている介護士トム、そして美人警察官・アメリア、などおなじみになっている分、損をしているのだろうが、「魔術師」に一歩及ばない印象。
両作とも犯人(これも俺は「魔術師」のほうが魅力的だった)との、知恵比べが時間との競争でスリリングに展開される。映画は見ていないが、カーアクションとか見所はあるけれど、原作の味は出ないだろうな。
もうひとつ、最近見た映画「ミリオンダラー・ベイビー」と同じ”四肢麻痺者の自殺”というテーマが扱われ、どちらも死を選ぶ。読みながら映画”ミリオン・・”(こちらは原作が未読、これから読む)の女主人公がベッドでイーストウッドと話し合う光景が思い出された。ライムも死を選びアメリアもそれを受け入れるのだが・・。重いテーマをリアルさを失わず、かつエンタテイメントの面白さがしらけないように書くことには成功している。
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by saheizi-inokori
| 2005-07-18 11:51
| 今週の1冊、又は2・3冊
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