茶髪じゃ箱根は勝てない? 生島淳「駅伝がマラソンをダメにした」(光文社新書)

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1920年に始まった箱根駅伝は当初トラックシーズンが終わってロードレースの練習が始まる前の息抜きみたいなものだったそうだ。正月に走るのを嫌がったり選手の数が揃わず砲丸投げ選手を狩り出したこともあると。

それが日テレが87年に完全中継放送するようになってから一変する。有望な高校生にとって箱根がエベレストになる。大学も学校宣伝の最大のチヤンスとなることに気がつき懸命に有力高校生のリクルートを行う。山梨学院大学がケニアから留学生を連れて来て一躍学校名を全国に周知させれば駒沢、大東大学などもトラックより駅伝専門の強化に走る。 新興校の特徴はロゴが漢字だ。

箱根駅伝の距離が20キロ平均と他のトラックの距離と違った練習をしなければならないこと、開催時期がマラソンの有力大会向けの調整と矛盾すること、箱根があまりに大きな目標になったために駅伝が終わると“燃え尽き症候群“になって新たにマラソンにチヤレンジしなくなるー駅伝がマラソンを駄目にした所以だという。女子に箱根はないし駅伝はもっと短い距離設定でマラソンと両立するから今や世界のトップレベルだ。

このように言うが著者は箱根が好きなのだ。箱根の戦いを制するには人格も優れた監督が必須だとして沢木、大後、中村、上田らの名将のやり方を紹介する。選手に茶髪長髪を許すチームは優勝しにくいことをデータで示す。

これからのテレビ観戦がもうひとつ奥が深くなるかも。
Tracked from 【徒然なるままに・・・】.. at 2006-01-09 22:37
タイトル : 『駅伝がマラソンをダメにした』 生島淳
駅伝好きとしては聞き捨てならないタイトルだなぁ、と思いつつ購入。 でも駅伝(特に正月の箱根駅伝)の魅力は認めた上で、駅伝中心に回っている陸上界が、マラソンで戦える選手の育成を阻んでいるのだ、という主張にはナルホドなぁと頷く。 個人的にはマラソンよりも駅伝の方が好きなので、現在の駅伝の隆盛ぶりは歓迎したいところなのだけれども、世界で勝負するマラソン選手が出てこないのも確かに面白くはない。色々と真剣に考えるべき時に来ているのかも。... more
Tracked from たこの感想文 at 2006-01-11 00:38
タイトル : (書評)駅伝がマラソンをダメにした
著者:生島淳 実のところ、私の2006年最初の読了本はこれだったりします。テレビ... more
Commented by YUKI-arch at 2005-12-22 10:20 x
本の手前に写っているのは、湯麺でしょうか。
ラーメンより湯麺が好きなものですから。
どこかお店で撮ったのかな、それとも自作ですか。
Commented by saheizi-inokori at 2005-12-22 10:38
YUKI-arch さん、食いしんぼですなあ。私といい勝負?タン麺ですよ。新宿3丁目のラーメン屋です。ラー油かけてゴマも振りかけて、あったまりました。
Commented by waraneko at 2005-12-22 11:24
男子長距離陸上競技において、箱根を走ることが最高の栄誉、終われば「燃え尽き症候群」となりその後伸びない、という説はそのとおりだと思います。
でも私も箱根が大好き!来年もドキドキしながら観戦するでしょう。
Commented by saheizi-inokori at 2005-12-22 11:34
そうなんですよね,waranekoさん、だから燃え尽きるのでしょうね。主人公たちは。一度箱根のまじかで走るのをみました。かっこよくてしびれました。
Commented by waku59 at 2005-12-22 23:38
駅伝大好きなんです。

オリンピックにぜひ採用して欲しいものです。
決して歪んだナショナリズムには走らないと思う。
Commented by saheizi-inokori at 2005-12-22 23:59
暫くは日本がぶっちぎりでしょうね。
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by saheizi-inokori | 2006-12-21 23:16 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback(2) | Comments(6)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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