足るを知ったか 日本国宝展@国立博物館

まい朝、野菜を切りながらつまみ食いをする。
カブ、その葉っぱ、キャベツの硬いとこ、ニンジンのキレッパシ、、うまい、感謝!
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所要で出かけて空き時間ができたので再び上野に。
蓮玉庵の蕎麦を食いたくなって広小路で降りて歩く。
途中でわざと裏道に入ると「かわいい子がいますよ」って客引きが寄ってくる、それも一人ならず。
まだそのように見えるのか、ふふ。

こういう天ぷら蕎麦が学生時代の最大の御馳走だった。
家庭教師の賃金が入ったときに喰った。

何年振りかに注文してみたが、期待が大きすぎた。
蕎麦湯を二杯飲んだ。
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少しづつ紅葉が始まっている。
西郷ドンは衣替えしなくていいんだ。
真ん中の広場では何かのイベントの準備中、あ~とかい~とかマイクの調整を延々とやっている。
両側にテントが並び、青森の物産販売展が早々と売り出している。

夕方のニュースを見てたらこれは「創エネ・あかりパーク2014」の準備だったのだ。
今夜から天気が崩れるんじゃないかな、気の毒に。
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美濃和紙の行灯が夜はきれいだろう。

観ようとしたのは「日本国宝展」
平日なのに入場待ち10分。

薬師寺の仏足石(「足るを知る」の意味を若き高田好胤が面白おかしく解いてくれた)と法隆寺の玉虫厨子が最初にあって、中学の修学旅行とか教科書とか受験知識とか、とかとかとか、いろんな懐かしい知識や記憶が並んでいる、豪華な納戸だ。

前の人の肩越しに覗きこまないとみられないもの、歴史的に珍しいというだけの(美術的な価値は分からないような)ものはスルーして歩く。
茅野でみた縄文のヴィーナスが、「あらあ、又お会いしましたね、こんなとこでちょっと恥ずかしいわ」、青森から来た合掌土偶には初めて逢った。

井戸の茶碗、朝鮮の庶民の雑器が二つとない名器と珍重され、今は落語で楽しませてくれる。
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京都三千院の阿弥陀如来の両脇侍。
観音菩薩(↑)と勢至菩薩(↓)。
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少し前かがみになっているのは往生者を迎えようとしている由。
お二方を見ていると安らぎを感じる。
こんなふうに迎えてくれるなら死ぬのは悪くない。

観音様が手にした蓮台に往生者を乗せるんだって。
俺はあんなに小っちゃくなるのか。
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博物館の日本庭園が解放されていたのでちょっと。
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ホドラー展はまたこんどね。
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宮城県のテントでずんだ大福とトマトを買って上野駅から地下鉄に。
ああ、秋田に行きたいなあ、長野に行きたい、八ヶ岳にも行きたい、行きたい行きたい。
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今朝は、雨の降る前にとサンチを連れ出す。

行きたい行きたい、か。
病牀六尺で病魔と苦闘しながら新しい芸術を拓いた子規のことを言わなくたって、毎朝毎日足を延せば移り変わる世界、古今東西の宝物を味わえるってことの上に何を更に望もうというのか。
なあっ サンちゃん!
Commented by unburro at 2014-10-31 14:10
「日本国宝展」!
日本各地の神社仏閣のお宝が、東京に出張中でなのですね。
ルーブルに行ったら、モナリザが日本に出張中だった、とかいう話を聞いた事がありますが、法隆寺でガッカリしている人もいるのかな?
Commented by pallet-sorairo at 2014-10-31 15:13
ホドラー展に行った日、『ボストン美術館浮世絵名品展 北斎』には70分待ちの列ができてました。
10分待ちなら許容範囲、行ってこようかな。
地方にお住いのブロ友さんから、ちょっと足を伸ばせばいろんな「いいもの」が見れるのを羨ましがられました。
ほんとだわ…。
見たいものがたくさんあってどれから見ようか迷うくらいなんだもの、感謝しなくちゃですね。
西郷さんの向こうにスカイツリーの頭が見えてますね(^^ゞ
Commented by quietrose at 2014-10-31 18:50
いつもながら、粋なsaheiziさんですね^^
西郷どんの下を歩いた東京旅行は、いつだったっけ。
久しぶりに、行ってみたいな、東京。
もう電車の乗り方も忘れてしまったよ^^
Commented by haruneko3 at 2014-10-31 19:34
いいお顔の観音菩薩様、穏やかな気持ちになりますね。
大仏様、菩薩様ファンなんです。ぜひ観に行きたいと思っています。
追伸/以前紹介していらした出久根達郎 「隅っこの四季」読みました。「人生の達人」も読みつぎは。。。「本があって猫がいる」読もうと思っています。読むのが楽しいです。紹介ありがとうございました!
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-31 22:55
unburro さん、法隆寺の宝物は三日までだったかな、期間中展示物も変わるようです。
仏像は少なくて古文書が多かったです。
文學史に必ず登場するようなものが。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-31 22:59
pallet-sorairo さん、直江津の居酒屋で一人酒をやっていたら、隣に来た土地の人が大した美術ファンで東京の美術館で何をやっているかを話題にして、ナントカ○○には行きたいけどなあ、と話しているのを聞きました。
何だか申しわけないような気分になりました。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-31 23:00
quietrose さん、東京もいいところがありますね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-31 23:02
haruneko3 さん、展覧会は見るものが多いけれど、全部見るのは大変です。
今回はこの観音たちだけでもよかったです。
出久根の本、私もまた読もうかな。
Commented by tona at 2014-11-01 09:02 x
>足を延せば移り変わる世界、古今東西の宝物を味わえるってことの上に何を更に望もうというのか
全くその通りで感謝の日々です。寝るようになってしまったらその時考えます。
観音様のお迎えを信じます。
Commented by saheizi-inokori at 2014-11-01 09:25
tona さん、そのとおりですね。
Commented by ikuohasegawa at 2014-11-01 10:29
学生の時に食べた三定の天丼を思い出しました。そりゃあ、旨かった。
贅沢をしたのでそのあと、二日昼食を抜くことになりましたが。
Commented by saheizi-inokori at 2014-11-01 12:12
ikuohasegawaさん、天丼!そんなものはとうてい手が出せなかったです。
安い蕎麦やの安い天ぷら蕎麦が精いっぱいでした。
Commented by kumagoro21 at 2014-11-01 14:15
本当に、観音様に迎えられて逝きたいものです。

ちなみに、私はよく西郷さんといわれます。(^^;)
Commented by saheizi-inokori at 2014-11-01 15:03
kumagoro21 さん、貫録がおありなのですね^^。
Commented by Vimalakirti at 2014-11-01 17:49
よい前傾写真をアップされましたね。
わたしが感動したのもこの角度です。
正座(大和坐り)の前傾姿勢に現れた
救済の心、ありがたいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-11-01 21:51
Vimalakirti さん、慈しみの心が伝わってきますね。
昔は能書きばかりで仏像を見ていましたが、さすがに最近はもっと身近に感じられるようになりました。
Commented by sheri-sheri at 2014-11-02 18:04
観音様の脇にいらっしゃる菩薩様像。心を打たれますね。温かな深い御心で、私達を迎えてくださるんですね。安堵する思いです。でしたら安心して生きていけると思いました。あの世界では、両親も縁の人もいます。愛犬や愛猫もいます。現世では、大事にして下さる縁の人々もいます。感謝して生きていこうと思います。いい御仏像のお写真嬉しく拝見させていただきました。ところでさへいじさん、旅に行かれたらどうでしょうか。・・・サンチちゃんも一緒に。
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by saheizi-inokori | 2014-10-31 12:59 | こんなところがあったよ | Trackback | Comments(17)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori