季節の花がこれほど美しいことに歳をとるまで少しも気づかなかった

花ってやつは油断も隙もならない。
今まで背景に過ぎなかった緑の壁をつきやぶるがごとくに一斉に顔を見せる。
まったく今朝まで気がつかなかった金木犀。
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え!ほんとに?
思わず近づいてみればまぎれもなく。
なぜだろう香りはこれからか。


季節の花がこれほど美しいことに
歳をとるまで少しも気づかなかった
美しく老いてゆくことがどれほどに
難しいかということさえ気づかなかった

もしももう一度だけ若さをくれると言われても
おそらく私はそっと断るだろう
楊姫銀の詩を読んで曲と日本語訳をつけたのはさだまさし。
今の気持ちにぴったりだ。

ここに続く
若き日のときめきや迷いをもう一度
繰り返すなんてそれはもう望むものではない
というところも。
繰り返したいことは夢に見ることにしよう。
そういう夢の見方は村田喜代子さんに教わったことだし
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ゆうべはカミさんと近所の沖縄居酒屋へ、俺がビールを飲みカミさんはニンジンシリシリとかタコライスなどを美味しい美味しいと食ってくれた。
BGMに陽気な沖縄民謡が流れる中に、音を消したテレビニュースが御嶽さんの噴火の様子を繰り返し写し続ける。
その対比が「突然真っ暗になってしまった」という遭難者の言葉の恐ろしさを痛感させた。
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先月だったか、長野の友人が送ってくれた一箱のジャガイモ、毎日のようにスープに入れたりチンしたりして食ってとうとう一番大きなこいつだけになった。
どれもこれもウマかったよ、ほんとに、ジャガイモがこんなにうまい物だとはこの歳になるまで気づかなかったよ、ありがとう。
Commented by unburro at 2014-09-28 12:38
<花ってやつは油断も隙もならない>

この一行、いいですね。
洒落た感じと、粋な気合のようなものが凝縮されていて、
ちょっと色気を足すと、都々逸になりそうですね。
愛すべき佐平次節に、座布団一枚、いや3枚!
Commented at 2014-09-28 12:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-09-28 12:58
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sweetmitsuki at 2014-09-28 12:58
散る花や枯れる花は以前は見るのも嫌だったのですが、そういうものの中にこそ美しさがあること、価値があることに気が付いたのは本当につい最近のことです。
そういうことは歳月を重ねないとわからないのかも知れません。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-28 15:14
unburro さん、座布団なんてもったいない、寝転がってますけ^^。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-28 15:15
鍵コメさんお二人!ありがとうありがとう。
思い込みですね。
沈丁花の画像をチエックして納得しました^^。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-28 15:17
sweetmitsuki さん、遅くても気がつけばいいけれど、気がつかないままに過ぎてしまうことも多いです。
Commented by pallet at 2014-09-28 16:13 x
キンモクセイは香りもすてきだけれど
こぼれ花(↑pallet)もいい感じで大好きです。
Commented by jarippe at 2014-09-28 16:51 x
本当に もういっぺん生き直すなんてしんどいですね
ただ死ぬまで元気でいたい・・・・・これ無理な要求ですね
始めのほうの映像 美ヶ原ですね ビックリしました
Commented by gakis-room at 2014-09-28 18:40
花が見えていなかったことに気付いて愕然とした日のことを思い出しました。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-28 21:46
pallet さん、あっという間に咲いてあっという間に散っていくのですね。
それにしては金木犀の時間が長いように感じるのはあちこちの花が時間差攻撃なんですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-28 21:47
jarippe さん、死ぬまで生きていることはできますがね^^。
美ヶ原でしたか、いいところですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-28 21:50
gakis-room さん、それから「野の花記念日」が出来たんですね。
生きているうちに参列したいものです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-28 22:40
gakis-room さん、↑のコメント変ですね。死んだら幽霊になって参列するみたい、落語や本の影響かな、幽霊モードになってます。
Commented by ikuohasegawa at 2014-09-29 07:41
歩いていて香りで、初めて花に気付くことが時々あります。
花は気付かせよう。と、してくれているのかなあ。
Commented by namiheiii at 2014-09-29 10:06
年とって痛い病に苦しむ私には耳の痛い文章ですね。
家の金木犀、開花を目前にして厳しく剪定されてしまいました。もう自分では出来ないので仕方ありません。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-29 10:23
ikuohasegawa さん、少し離れたところで香るのですね。
もう一度と近寄ってみるともう匂わなかったり。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-29 10:25
namiheiii さん、何かお気に障ることを書きましたか。
我がマンションの玄関にも金木犀があるのですが、日陰のせいかようやくちらほらです。
Commented by 熊伍朗 at 2014-09-29 11:43 x
私もこの歌をテーマにかつてブログを書きました。
長い長いブログでした。

この歌は岩崎宏美も歌っていますよね。
実は、私はラストノートに、岩崎宏美のこの「人生の贈り物」と「いのちの理由」を葬式に流してくれと書いてあります。
歳をとらなければわからないこともあるということでは、歳をとるのも悪くはないのかなあと、ふと思ったりします。

そして、並んで座って沈む夕日を一緒に見てくれる友がいれば他に何も望むものはない。
確かにそうだよなあ・・・と思います。

その友も昨年逝ってしまいましたがね。
Commented by hanamomo06 at 2014-09-29 12:01
そう、花って待ってはくれないのです。
私は、花とは一期一会だと思っています。

この曲私も大好きです、なかなかコンサートでは歌ってくれませんが、本人も大すきな曲のはずです。
さださんとお父さんとお母さんが出会ったところが中国ということで、彼は中国のことをよく知っています。
きんもくせいの季節ですね。
花の美しさに気づいたsaheiziさん、良かったですね。

にんじんしりしり、とうふよう、じまみー豆腐沖縄の食べ物って魅力的です。
奥様と素敵な晩ご飯でしたね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-29 12:25
熊伍朗さん、この曲は後半も泣かせますね。
そんな友人、なかなかいないです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-29 12:27
hanamomo06 さん、それなのに沈丁花だなんて間違えて書いてしまいました(教えてくださる人がいて助かった)。
私はゴーヤチャーハンというのを、、これもうまかったですよ。
Commented by at 2014-09-29 23:43 x
油断も隙もないのは勘違いで生きてる人間の方やと思いますで、

花ってやつは・・・、いいえ、自然は偉大で静かに営んでます。
たまに、腹たててえらい目にあわされますけどね、
ほら、どか〜んってね、人はもっと謙虚に生きなあかんのです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-09-30 09:50
蛸さん、偉大で静かだからこそ、そして人間がうかつだからこそ油断も隙もならないように思います。
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by saheizi-inokori | 2014-09-28 11:56 | よしなしごと | Trackback | Comments(24)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori