ものすごい恨みつらみ 仕返ししてやりたい 故吉田所長が言った

東京新聞でフクイチの故吉田所長の証言が連載されている。
東電や政府が非公開にしたかったわけがよくわかる。
朝日はよく抜いたと思うよ。
（ゆうべ、コスモスを訪ねて多摩川に行ってみたがどこにも見あたらないのだった）

胸に突き刺さる発言のいくつかを、２２日掲載分から。
１３日の未明から早朝にかけてベントがうまくいかないなかで各号機の核燃料プールの状況が心配され１４日１１時１分、３号機の原子炉建屋が水素爆発する頃のことについて、

結果として誰も助けに来なかったじゃないか。本店にしても、どこにしてもこれだけの人間で、これだけのあれ（作業）をしているにもかかわらず、実質的な効果的なレスキューが何もない。ものすごい恨みつらみが残っていますね。

建屋の水素を抜こうとしてもガス抜き穴が大きなパネルでふさがっている。
新潟中越沖地震ではがたっと落ちて開いてしまったので開きづらいようにしているのだ。

（対策を指示した）「（経済産業省の旧原子力安全・）保安院来てやれ、ばかやろう」と言いたくなるわけですよ。

爆発の可能性があるから出せないと言ったのに武藤副社長から現場をやってくれというので、３号機の現場に人を出してすぐに爆発があった。

最初、現場から上がってきたのは四十何人行方不明という話。私、その時、死のうと思っていました。四十何人亡くなっているんだとすると、腹切ろうと思っていました。その後、確認したら、一人も死んでいない。私は仏様のおかげとしか思えないんです。

次いで、２３日掲載分では、２号機への注水に苦闘する時のことが語られる。
班目（原子力安全委員長・当時）がパニクリ、清水（東電社長・当時）も現場のことなんか分かっていないのに「斑目の言うとおりにしろ」とわめいてくる。
現場では、早く水を入れたくてしょうがない。そのためには手順があってなかなかうまくいかない。

なかなかそれが通じないんですね。ちゅうちょしていると思われているんです。現場がちゅうちょしているなどというやつはたたきのめしてやろうかと思っている。私は、菅（直人）首相にかかろうが何しようがいいんです。そんなことは。「早く圧力下げる、早く水入れる」と、これしか考えていないのに、あたかも現場がちゅうちょしたようなことを言うやつは全員、後で何か仕返ししてやろうと思っています。本当に。仕返ししてください。代わりに。よろしくお願いしますよ。

２２日掲載記事の中で吉田氏は当時の作業に当たった人たちのことを

うちの連中は本当にベテランのプロで、優秀だと思います。部下たちは少なくとも、日本で有数の手が動く技術屋だったと思います。それでこのレベルです。

とも語っている。

仕返しどころか、あなたや部下たちの必死の苦闘のことなどなかったことのように、再稼働に猛進しようとしているんですよ。