小柄な女が伸びあがって見送るなんざイイネ 第554回落語研究会
2014年 08月 28日
落語研究会は二月続けて欠席、久しぶりだ。
雨が強くなったのでバスに乗る、涼しくなったのに歩かないのが残念。
時松「松曳き」
庭の松を植え替える(松曳き)について植木職人と話をするのだが大名とその中を取り持つ三太夫の両方がオッチョコチョイだから大変だ。
植木屋に酒を呑ませるまでの話と後半の手紙をめぐる騒動との結びつきが、、あたかも俳句の切れ字みたいなものか。
面白くなくはないが、ずいぶん威厳のない大名ではあった。
志ん好「ろくろ首」
3月に真打になったばかり。
与太郎が兄の赤ん坊のいる新婚生活を羨んで、「お嫁さんが欲しい、欲しい、欲しいよ!」とオジサンに駄々をこねるのはカワユイ。
が、あとは基本通りに真っ向から演じたのを良しとするのみ、あまり笑えなかった。
この噺、けっこう難しいのだろう。
一朝「中村仲蔵」
このところ一朝で聴き雲助で聴き、よくあたる。
そういえば今年は「青菜」を聴かないまま秋になってしまう。
こっちのめぐりあわせなのか噺家たちの流行り廃りもあるのかそういうことがよくある。
6月に聴いたときよりもマクラは短く(歌舞伎俳優の階級の説明のみ)、ネタにはいる。
クライマックスの新しい斧定九郎のデヴューの芝居がかかりは淡々と、いうべきか。
無駄を殺いだやり方、それだけに「夢でイイから持ちたいものは金のなる木といい女房」の流れで自分のカミさんの父のことなど引っ張り出して、「私もイイ女房を持った」などというクスグリが取ってつけたようで俺は買えない。
6月の時のようにゆっくりマクラで歌舞伎の世界のことを楽しく語る、その中で嫁さんのお父さんのエピソードを言うのは面白かったけれど。
終わりに親方から飲んでいけと言われて、「酒はいつでも飲める」とだけ言って、さっさと帰るやり方も初めて。
サゲも前回と変えていた。
悪くないけれど、イッチョウだからなあ、やや期待はずれ。
たい平「おかめ団子」
志ん生のテープでしか聴いたことのない噺。
団子やの娘・おかめが首を吊る(未遂)理由を、志ん生の「父の勧める男と結婚したくないから」を変えて、父を喜ばせて生きてきて、父の勧める男と結婚するつもりだったが、「おとっつあんのために生きてるのがいいのか私は何のために生きてるのか、分からなくって哀しくなった」というようにしたのは、どういう魂胆なのか。
小賢しい改変。
モトモトそんなに面白くない噺を思い入れたっぷりに必要以上に長い間を取って熱演しても、、どうもなあ。
病気の母親に対する言葉とか介抱ぶりが学芸会の演劇のようで、、。
扇遊「唐茄子屋政談」
吉原の花魁の「勘当になったら身を引き受ける」という言葉を真に受けて流連(いつづけ)る徳が誰が迎えに行っても帰らないのでお頭とその子分たちで半ば力づくで連れ帰る、などと頭の部分をずいぶん丁寧にいろいろな挿話をいれて、放浪する徳が折からの夕立を逃げるでもなく、ぼんやりと「いい気持だ」と立ち尽くす場面なども初めて聴いた。
叔父さん叔母さんとの会話もじっくり、浅草田原町で出あった気風のイイ江戸っ子がカボチャを売るところはややくどいくらい。
二つだけ残ったカボチャを担いで「トウナスヤ~」と売り声の練習をしながら吉原田圃で花魁との逢瀬を思い出し、いい声で「のびあがり」
とここで終わった、50分。
さいごの小唄がたンまらない。
刺身はなんどか食ったが焼いたのは初物。
にぎやかに盛り上がる「はじめ」、俺はそそくさと食って飲んで帰宅。
だれものびあがって見送る奴ァいなかった。
雨が強くなったのでバスに乗る、涼しくなったのに歩かないのが残念。
時松「松曳き」
庭の松を植え替える(松曳き)について植木職人と話をするのだが大名とその中を取り持つ三太夫の両方がオッチョコチョイだから大変だ。
植木屋に酒を呑ませるまでの話と後半の手紙をめぐる騒動との結びつきが、、あたかも俳句の切れ字みたいなものか。
面白くなくはないが、ずいぶん威厳のない大名ではあった。
3月に真打になったばかり。
与太郎が兄の赤ん坊のいる新婚生活を羨んで、「お嫁さんが欲しい、欲しい、欲しいよ!」とオジサンに駄々をこねるのはカワユイ。
が、あとは基本通りに真っ向から演じたのを良しとするのみ、あまり笑えなかった。
この噺、けっこう難しいのだろう。
一朝「中村仲蔵」
このところ一朝で聴き雲助で聴き、よくあたる。
そういえば今年は「青菜」を聴かないまま秋になってしまう。
こっちのめぐりあわせなのか噺家たちの流行り廃りもあるのかそういうことがよくある。
6月に聴いたときよりもマクラは短く(歌舞伎俳優の階級の説明のみ)、ネタにはいる。
クライマックスの新しい斧定九郎のデヴューの芝居がかかりは淡々と、いうべきか。
無駄を殺いだやり方、それだけに「夢でイイから持ちたいものは金のなる木といい女房」の流れで自分のカミさんの父のことなど引っ張り出して、「私もイイ女房を持った」などというクスグリが取ってつけたようで俺は買えない。
6月の時のようにゆっくりマクラで歌舞伎の世界のことを楽しく語る、その中で嫁さんのお父さんのエピソードを言うのは面白かったけれど。
終わりに親方から飲んでいけと言われて、「酒はいつでも飲める」とだけ言って、さっさと帰るやり方も初めて。
サゲも前回と変えていた。
悪くないけれど、イッチョウだからなあ、やや期待はずれ。
志ん生のテープでしか聴いたことのない噺。
団子やの娘・おかめが首を吊る(未遂)理由を、志ん生の「父の勧める男と結婚したくないから」を変えて、父を喜ばせて生きてきて、父の勧める男と結婚するつもりだったが、「おとっつあんのために生きてるのがいいのか私は何のために生きてるのか、分からなくって哀しくなった」というようにしたのは、どういう魂胆なのか。
小賢しい改変。
モトモトそんなに面白くない噺を思い入れたっぷりに必要以上に長い間を取って熱演しても、、どうもなあ。
病気の母親に対する言葉とか介抱ぶりが学芸会の演劇のようで、、。
吉原の花魁の「勘当になったら身を引き受ける」という言葉を真に受けて流連(いつづけ)る徳が誰が迎えに行っても帰らないのでお頭とその子分たちで半ば力づくで連れ帰る、などと頭の部分をずいぶん丁寧にいろいろな挿話をいれて、放浪する徳が折からの夕立を逃げるでもなく、ぼんやりと「いい気持だ」と立ち尽くす場面なども初めて聴いた。
叔父さん叔母さんとの会話もじっくり、浅草田原町で出あった気風のイイ江戸っ子がカボチャを売るところはややくどいくらい。
二つだけ残ったカボチャを担いで「トウナスヤ~」と売り声の練習をしながら吉原田圃で花魁との逢瀬を思い出し、いい声で「のびあがり」
のびあがり のびあがりトウナスヤ~。
見れども見えぬ 後ろ影
ええ、も、じれったいと
思わず噛み切る 爪楊枝
とここで終わった、50分。
さいごの小唄がたンまらない。
にぎやかに盛り上がる「はじめ」、俺はそそくさと食って飲んで帰宅。
だれものびあがって見送る奴ァいなかった。
Commented
by
ikuohasegawa at 2014-08-28 17:40
焼き秋刀魚=秋。私も頂きたい。
0
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-28 21:25
ikuohasegawa さん、おんぼう焼きってのがあるんですね。
炭の中で真っ黒けに焼く、プチプチ、目黒のさんまはこれだったのかもしれない。
炭の中で真っ黒けに焼く、プチプチ、目黒のさんまはこれだったのかもしれない。
Commented
by
unburro at 2014-08-28 22:29
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-28 22:35
unburroさん、今の人には差別語とか言う前に意味不明でしょうね。
あの脂ののったサンマがどこかに行ってしまったように。
あの脂ののったサンマがどこかに行ってしまったように。
Commented
by
mother-of-pearl at 2014-08-29 00:33
伸びあがって見送る、のは小柄な女性限定なのでしょうね・・・
『金のなる木といい女房』が欲しいだなんて、言ってみたいものです(^.^)
さて!ご紹介頂いた憲法の本が届きました。
お陰様で心に火がつきました。
『金のなる木といい女房』が欲しいだなんて、言ってみたいものです(^.^)
さて!ご紹介頂いた憲法の本が届きました。
お陰様で心に火がつきました。
Commented
by
福
at 2014-08-29 07:20
x
「青菜」私は立川談幸で聴きました。個性の通り、さっぱりした一席。
植木屋が青い菜が好きだろうと言うと、
大工が「きれえだ。こどものときから」と逆らうので、
前に進めなくなって泣きべそをかく、なんていうところで笑いました。
植木屋が青い菜が好きだろうと言うと、
大工が「きれえだ。こどものときから」と逆らうので、
前に進めなくなって泣きべそをかく、なんていうところで笑いました。
Commented
by
wawa38 at 2014-08-29 09:56
秋刀魚、サンマ・・・美味しそう(^_^)
家族がいたころは、七輪で炭おこして焼いていました。
家族がいたころは、七輪で炭おこして焼いていました。
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-29 11:20
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-29 11:22
福さん、あの話の後半は前のお屋敷の風情が粋であればあるほどワットきますね。
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-29 11:24
wawa38 さん、あのもうもうたる煙がいいですね。
今は無煙で匂いも少ない、きれいごとになってしまった。
今は無煙で匂いも少ない、きれいごとになってしまった。
Commented
by
sheri-sheri at 2014-08-29 15:20
小唄・・粋きですねぇ。・・・たまりませんね。そして秋刀魚、美味しそう~!
Commented
by
ikuohasegawa at 2014-08-29 17:32
29日が更新されません。
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-29 17:39
sheri-sheri さん、小唄のひとつも覚えたらよかった人生です^^。
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-29 17:40
ikuohasegawa さん、いろいろあってゆうべの夜中から今までいろいろありました。
今から更新します。
今から更新します。
「だれものびあがって見送る奴ァいなかった。」
その代わり、ご自宅で奥様が首を長~~~くして待ってますよ。
その代わり、ご自宅で奥様が首を長~~~くして待ってますよ。
Commented
by
saheizi-inokori at 2014-08-29 19:13
ほめ・くさん、ろくろ首ですか?そそくさと帰ってみたけどそれほどでもなかったなあ。
by saheizi-inokori
| 2014-08-28 16:02
| 落語・寄席
|
Trackback
|
Comments(16)