無実の人間には中間的な結論はない マイクル・コナリー「リンカーン弁護士」(上下)
2014年 08月 27日
葡萄を送っていただいた。
ひとつでは大きすぎるので半分切って食ったがそれでも腹いっぱいになった。
子供の頃の葡萄はほとんどがこの半分くらい、粒の大きさも半分くらい。
一粒づつ食うんじゃなくてガブっとかじるように口に入れて皮だけをぷっとホキ出す。
種なんか気にしない。
それが本場の食い方だ、なんて教わった。
石和温泉が出るまではどのうちにも掘り抜き井戸があって、ジンジンするような水がいつもこんこんと湧きだしていた、そこに葡萄や桃、スイカなどがぷかぷか浮いて俺を歓迎してくれた。
(若者よ、体を鍛えておけ@日体大)
リニア新幹線の工事が南アルプスなどのドテッパラを掘りまくるそうだ。
「南アルプスの水」とかいう水が涸れることはないだろうか。
東京ドーム46杯分の残土の処理先も決まっていない。
5兆5千億円を超す工事費だともいう。
フクシマはどうなのか。
あそこの水の始末ひとつめどが立っていない。
家や土地、そして生きていく希望を奪われた人たちのことも。
JR北海道の建て直しのめどもついてないだろう。
オリンピックが引き金でいろんなプロジェクトが動き出す。
なんだか日本が二つあるようだ。
ハリー・ボッシュ・シリーズで楽しませてくれたマイクル・コナリーのもう一つのシリーズ。
2005年に出版された「リンカーン弁護士」は刑事ハリーとは攻守ところをかえた刑事弁護士、マイクル(ミッキー)・ハラ―の活躍だ。
事務所は3台あるリンカーンの後部座席、プリンタとファクス、無線カードでコンピューターも使える。
運転手はコカイン密売で有罪になったのを保護観察処分にしてやった男が「体で」弁護報酬を払っているのだ。
秘書は元妻、美人で有能、自分のコンドミで各種電話を捌く。
元妻はもう一人、こちらはエリート検事(野心あり)、愛娘と暮らしている。
ミッキーはリンカーンに乗ってロスアンジェルス郡を駆け巡り、眺望の好い家と車のローン、養育費の支払いのためにミスターグリーン(金)を求めて四苦八苦。
しかし極悪犯罪者であっても最善を尽くして無罪または罪の軽減を図ることは「巨大な司法機械の機械工」としての役割であると覚悟している。
亡き父は斯界の尊敬を集める有名な刑事弁護士だった。
もっとも怖いのは「無実の人間」というのは亡き父が遺した言葉だ。
多くのケースが司法取引などで法廷に行く前に解決することが多い。
それは自動的に弁護士の収入が少ないことになる。
金持ちで、陪審まで戦おうという依頼人こそ希望の灯なのだ。
シリーズ第一作の本書は、依頼人は資産家の息子で娼婦に対する暴行容疑で逮捕されてゼッタイ無罪だと敢闘精神旺盛な男、やったぜ!、、意気込むミッキー、なのだが。
そうは問屋が卸さないからこのミステリが面白いのさ。
軽快なテンポ、法廷ものの面白さも十分、どんでん返しもたっぷり、ミッキーが落ち込む天中殺のしつらえもスリリング、主人公の人間的な懊悩もハリー・ボッシュ・シリーズに劣らない。
古沢義通 訳
講談社文庫
ひとつでは大きすぎるので半分切って食ったがそれでも腹いっぱいになった。
一粒づつ食うんじゃなくてガブっとかじるように口に入れて皮だけをぷっとホキ出す。
種なんか気にしない。
それが本場の食い方だ、なんて教わった。
石和温泉が出るまではどのうちにも掘り抜き井戸があって、ジンジンするような水がいつもこんこんと湧きだしていた、そこに葡萄や桃、スイカなどがぷかぷか浮いて俺を歓迎してくれた。
リニア新幹線の工事が南アルプスなどのドテッパラを掘りまくるそうだ。
「南アルプスの水」とかいう水が涸れることはないだろうか。
東京ドーム46杯分の残土の処理先も決まっていない。
5兆5千億円を超す工事費だともいう。
フクシマはどうなのか。
あそこの水の始末ひとつめどが立っていない。
家や土地、そして生きていく希望を奪われた人たちのことも。
JR北海道の建て直しのめどもついてないだろう。
オリンピックが引き金でいろんなプロジェクトが動き出す。
なんだか日本が二つあるようだ。
2005年に出版された「リンカーン弁護士」は刑事ハリーとは攻守ところをかえた刑事弁護士、マイクル(ミッキー)・ハラ―の活躍だ。
事務所は3台あるリンカーンの後部座席、プリンタとファクス、無線カードでコンピューターも使える。
運転手はコカイン密売で有罪になったのを保護観察処分にしてやった男が「体で」弁護報酬を払っているのだ。
秘書は元妻、美人で有能、自分のコンドミで各種電話を捌く。
元妻はもう一人、こちらはエリート検事(野心あり)、愛娘と暮らしている。
ミッキーはリンカーンに乗ってロスアンジェルス郡を駆け巡り、眺望の好い家と車のローン、養育費の支払いのためにミスターグリーン(金)を求めて四苦八苦。
しかし極悪犯罪者であっても最善を尽くして無罪または罪の軽減を図ることは「巨大な司法機械の機械工」としての役割であると覚悟している。
亡き父は斯界の尊敬を集める有名な刑事弁護士だった。
もっとも怖いのは「無実の人間」というのは亡き父が遺した言葉だ。
それは自動的に弁護士の収入が少ないことになる。
金持ちで、陪審まで戦おうという依頼人こそ希望の灯なのだ。
シリーズ第一作の本書は、依頼人は資産家の息子で娼婦に対する暴行容疑で逮捕されてゼッタイ無罪だと敢闘精神旺盛な男、やったぜ!、、意気込むミッキー、なのだが。
そうは問屋が卸さないからこのミステリが面白いのさ。
古沢義通 訳
講談社文庫
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at 2014-08-27 15:47
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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reikogogogo at 2014-08-27 17:33
弟さんの本、ようやく明日には届くと思います。
ブログのコメントの数に圧倒されて見てる方が慌ててしまう!!
ブログのコメントの数に圧倒されて見てる方が慌ててしまう!!
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ikuohasegawa at 2014-08-27 18:06
「リンカーン弁護士」にはハリー・ボッシュは登場しなかったようですので、次作「真鍮・・・」をお楽しみに。
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poirier_AAA at 2014-08-27 18:44
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saheizi-inokori at 2014-08-27 23:43
鍵コメさん、いろいろ交友が広がりますね。
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saheizi-inokori at 2014-08-27 23:45
reikogogogo さん、ようやく、予想外に反響があった故ならいいのですが、、。
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蛸
at 2014-08-27 23:45
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saheizi-inokori at 2014-08-27 23:46
ikuohasegawa さん、今日上巻と下巻の最初の方を読みました。
面白いですねえ。
面白いですねえ。
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saheizi-inokori at 2014-08-27 23:47
poirierさん、彼らにはフクシマなどに使っている余裕はない、ということでしょうか、二つの国です。
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saheizi-inokori at 2014-08-27 23:47
蛸さん、そういう価値観はまったくない連中です。
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keiko_52 at 2014-08-28 00:01
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saheizi-inokori at 2014-08-28 09:44
keikoさん、楽しみにお待ちしてます。
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unburro at 2014-08-28 11:02
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saheizi-inokori at 2014-08-28 14:34
unburro さん、そしてその二つの国にわたって権力利権を貪る奴バラが跳梁してます。
by saheizi-inokori
| 2014-08-27 12:38
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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Comments(14)