オルセー美術館展で印象派を、シンガポール的沖縄居酒屋でトルコ美女をみる

暑かったけれど近くにいったついでに行きたかった「オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由ー」@国立新美術館に。
乃木坂駅から外に出ないで行けるのは知らなかった。
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1874年4月15日、パリで第一回の印象派展が開かれた。
アカデミズムの大家たちに支配された画壇、サロンでは落選を重ねるばかりだったクールベやマネなど新人たちの謀反。

パンフレットの冒頭に1874年の画家たちの相関図(対立、友人、尊敬、援助)を載せている。
中学生?たちが夏休みの課題なのか一生懸命にメモを取っている。
カイユボット、ピサロ、セザンヌ、モリゾ、ルノアール、モネ、シスレー、ドガなどの印象派、マネ、クールベ、コロー、ミレーはレアリスムであり、コローとミレーはバルビゾン派とも言われた、、懐かしいな、こんなことを覚えていた頃。
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550円で音声ガイドを借りた。
東出昌大は知らないが秀島史香の声は好きなんだ。
マネの『笛を吹く少年』のところでは少年の吹いている笛、フルートより小さいファイフという笛の音も聴かせてくれる。

子供の頃から慣れ親しんだ絵が多い。

ミレーの『晩鐘』、謙虚・勤勉・祈りに満ちた迷いのない日々。

モネの大きな二つに分かれた『草上の昼食』、三人の男と二人の女、もう一人はスカートだけ見せて、それぞれが立ったり座ったり後ろ姿に横顔に真ん中に座ったモネの妻・カミーユらしき水玉を着て皿を差し出している女が主人公なのかもしれない。
上の方までしっかり描きこまれた木々の緑は彼らの屈託のない若い歓びを包み込んでいる。
この13年後に描かれた『死の床のカミーユ』もあった。
そっちを先に見てから『草上の食卓』を観たのだった。

印象派の描く自然のいかに憂いなく穏やかで爽やかなことか。
こういう風景は現代人には憧憬でしかなくなったのかもしれない。
洪水風景ですらシスレーは美しく穏やかな佇まいを描く。

しかし、時は近代、アンリ・ファンタン=ラトゥールの『テーブルの片隅』、8人の詩人が座って、そのまた片隅にはヴェルレーヌとランボーが鋭く屈折した眼差しを見せている、野心も。

ちっとも古さを感じさせない生き生きとした絵を見ていて、ふと同じこの画を140年前のパリジャンたちも見ていたんだと思い、不思議な感覚に囚われた。
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夜は近所の沖縄居酒屋に行ってみた。
エアコンなし、開けっぱなしのカウンター。
日本対トルコの女子バレーの音なし中継、BGMは沖縄民謡やビギンの唄。
上手に泡を作った生ビール、揚げたてのかまぼこ(石垣島)
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ゴーヤチャンプル
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島ラッキョ
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クーブイリチ(昆布の細切りの炒め物)。
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ときどき団扇をパタパタ。
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いいね、沖縄というには蒸し暑くシンガポールの夜かな。
世田谷でシンガポールと沖縄とトルコの美女たちを味わった。
Commented by unburro at 2014-08-22 15:24
ゴーヤー、苦瓜、しみじみ・・
私は島らっきょう、が好きで、これと泡盛があれば御機嫌です。
Commented at 2014-08-22 17:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by k_hankichi at 2014-08-22 18:44
バルビゾン、沖縄、トルコ。詩的な組み合わせを感じます。
Commented by tona at 2014-08-22 19:04 x
行ってないのですが、随分いろいろ来ているのですね。名画には見入ってしまいますね。
混んでいましたか?
中学生たちもこの頃宿題が出るのでしょうね。いいことだと思います。
Commented by saheizi-inokori at 2014-08-22 22:23
unburro さん、長野県で育った私がなぜか沖縄の食べ物が大好きです。
島ラッキョ、海葡萄、もずく、こんなものを食っているとあの青い海と涼やかな風を想います。
Commented by saheizi-inokori at 2014-08-22 22:27
鍵コメさん、さっき事務所に電話したらドイツから電話があったと話してくれました。
大感激です。
若い人たちがどんな感想を持つか、気になります。
シスレーたちの絵を観ると悩みなんかないように思います。
勃興しつつあったブルジョアたちの楽観が横溢してるように思います。
Commented by saheizi-inokori at 2014-08-22 22:29
k_hankichi さん、それぞれ今は苦悩の中にある土地ですが、イメージは明るいのですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-08-22 22:32
tona さん、さほど混んではいませんでしたよ。
押し付けられた宿題で学ぶ美術がどれだけ彼らの創造性を高めるのか、私などは試験に出るから覚えたということで今はほとんど忘れてしまいました。
子供たちの自主的な学びをこういう美術展とうまく結び付けてやりたいものです。
Commented by koro49 at 2014-08-26 21:21
暑くても、美術館に行けるなら我慢します^^;
これ、行きたかったな。

↓今メールで注文しました。
楽しみです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-08-26 21:43
koro49 さん、まだやってるよ^^。
Commented by desire_san at 2014-10-13 13:07
こんにちは
私も「オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由」を見てきましたので、楽しく拝見しました。14年ぶりの来日したマネの「笛を吹く少年」とミレーの「晩鐘」には感激しました。印象派絵画の代表作が一つの部屋ん並び、モネ、シスレー、ルノワール、セザンヌに画家の個性理解できたのも良かったと思います。印象派以外にも優れた作品が来日していて充実した美術展で満足しました。
私はこの美術展を観た機会に、マネの美術、写実主義(クールベ)と自然主義(ミレー)、二つのリアリズの違い、印象派とは別の道を歩んだ同同時代の画家について整理し、自分なりの見方も書いてみました。よろしかったらご一読いだき、ご感想、ご意見などコメントいただけると感謝致します。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-13 22:25
desire_san さん、丁寧な、かつ専門的な鑑賞記事を拝見しました。
私のいい加減な鑑賞とはまるで違っておそれいりました。
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by saheizi-inokori | 2014-08-22 12:50 | こんなところがあったよ | Trackback | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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