ゴルフに行きたい

朝、茶碗を洗っているときに水の冷たさが気持ちいい日というのはかなり暑い日だ。
暑い日だけど体調は悪くない日だ。
石川遼君が大崩。
なんという大会かとか詳しい内容を読むわけではない、見出しだけをみる。
実力、将来性、人間の強さ、、どうも松山君の方が上らしい。
「松山は石川の活躍を見て発奮したんじゃないか」などと知ったかぶりのことを言ったら「松山ははなから石川のことなど眼中にない。彼が意識しているのは○○ですよ」と虫刺されのクスリみたいな外国人の名前を言われた。

たしかにフテブテシサが違うなあ。
そうなると判官びいきというんじゃないが石川のことが気になるのだ。
（酔芙蓉、これを見ると「朝には紅顔ありてゆうべには白骨となる」という葬式で聞く言葉を思い出す。
紅と白が逆だけどね）

ゴルフをやめて１０年くらいになる。
ゴルフ、車、自分の家、カラーテレビ、クーラー、、学生時代には絶対無縁の人生だろうと思っていた。
会社でゴルフの話をするのをやめさせもした、休んでゴルフに行くやつが許せなかった。

それなのに何かのはずみで、、一度だけ練習場に行って、初ラウンドはクラブ一本づつパッケージを開けて新しい道具を取り出して回った。
広々とした緑の芝生、手入れの行き届いた植栽、涼しげな池や水、高級ホテルみたいな風呂場（上等なタオルに化粧品、シャンプーなんか持っていかなくてもいい）、立派な食堂と土地の名物・ご馳走、、まるで天国！

面白くてたまらなくはなったが、金を貰っても練習場などには行きたくない。
それで毎度賭けではバカにならない金を払い続けた。
社用のゴルフがほとんど、車で送り迎えがついたりして、、のぼせあがっていたなあ。
思い出すたびに我とわが身が嫌になる。

休日ゴルフは嫌い、早く家に帰って子供と一緒にいたいという気持ちが強かった。
ゴルフ自体が好きというよりサボって気持ちの佳いところで社交的な遊びをすることが楽しかったんだ。
いまでも、たまにゴルフ場に行きたいなあと思うことがある。
他人のブログでゴルフの話題をみたりしたとき、ふと、そう思う。
緑の芝生を歩いて、ときどきカツーンとボールを打つ。
拾いになんかいかない、また歩く。
そんなゴルフ場歩きをしたいと思う。

昼には上がって誰もいない風呂に入って、昼酒を呑んで帰ってくる。
又は豪華なロビーでミステリでも読む、クラブハウスからゴルフ場をみるってのはいいもんだ。
夕方もう一度風呂に入って山の向こうに日が沈むのをみながらうまいものを食う。
芝生の緑が刻々と変わって見えるのは豪勢にしてしみじみとした景色なのだ。
こんなゴルフの話は前にも書いたような気がする。

出久根達郎、内田百閒、山本夏彦、、エッセイの名手たちはなんども同じ話を題材にしている。
そこんところだけ俺も名手に近づいた。