猫と牡丹と銭湯とチータ だ～から歩いて豪徳寺

牡丹と猫、花札にはなかったか、でも絵にはあるし禅問答にも出てくる。
牡丹花下眠猫児（ぼたんかかすいびょうじ）、牡丹の下に寝ていた猫が人の気配で起き上がって行っちゃった、この猫は果たして寝ていたのでしょうか？というらしい。
猫に訊いてくれって。
というわけで牡丹と猫で有名だという（俺は最近知ったばかり）豪徳寺に行った。
バスで世田谷駅前に、そこから歩く。
世田谷城阯公園を見て直ぐ、門前に「八重桜下絵画老人」、さてこの人は本当に絵を描いているのでしょうか、なんちって。
三重塔に近づいてよく見ると、いたぞ！生きてる猫か！
こっちにも、
あっちにも、
ネズミに難問を出されて頭をかく猫やら、
仏様の下で招くありがたい猫も。
ぐるっと十二支を彫りめぐらしてある中に、よく見ないと気がつかないような小さな猫たち、猫は十二支じゃないよね。
牡丹は想像していたよりも数は少ないがいずれも丹精が行き届いている。
参拝、いや撮影客が一人二人、大きなカメラで接写に余念がない。
招福観世音菩薩の眷属である招福猫児（まねぎねこ）を祀る招猫殿にはお礼参りの招き猫の大集団。
彦根藩主であり世田谷の領主でもあった井伊直孝が井伊家の菩提寺として整備、直孝の死後、奥さんと娘が仏殿を建てた。
お釈迦様を挟んで弥勒菩薩と阿弥陀如来がいらっしゃるそうだがガラス戸から覗くしかない。
井伊家の墓所、井伊直弼の墓の前には桜田門外で死んだ家来たちの碑もある。
吉村昭の小説をちらっと思いだす。
本堂にお参りして賽銭を入れる隙間から写真を撮った。
寺を出て直ぐに大きな神社、世田谷八幡、源義家が奥州の内乱を鎮めた記念に建立したという、後三年の役のことか。
奉納相撲の土俵がある。
迷いながら歩いていると烏山緑道があった。
桜草の匂いがたちこめている。
現役の頃、下北沢のマッサージに通って、なんども北沢川緑道から烏山緑道を歩いたことがあるが、それがこっちに繋がっているとは知らなかった。
そしてガラケーのガイドでたどり着いた「山崎湯」が梅ヶ丘で国士舘大学の直近、さらに世田谷区役所も近かった。
子供の頃遊んだ神経衰弱というトランプゲームで、何かの拍子にカード相互の関係が忽然と分かった、そんな感じだ。

熱い湯で汗を流したらもう夕焼け。
帰りは桜新町まで歩き、「一」で酒を三杯で我慢して帰っていい塩梅。
この町に住んでいるチータの「３６５歩のマーチ」が流れるサザエさん通りを、ワンツーワンツーと歩いて帰って、今日は１３４２５歩、消費カリーは４４５キロカロリー、フライドポテトＭ相当。