昔銭湯はゼイタクだった 瀬田で見つけた素敵な銭湯「藤の湯」
2014年 04月 13日
環八と246の交わる瀬田交差点、我が家からぶらぶら歩いても20分足らず、そこにこんなに嬉しい銭湯・「藤の湯」があるとは知らなかった。
玄関の前に無粋な物置みたいな建物があるのが残念だけれど、どうです、威風堂々老舗旅館のたたずまい。
入ると、
柱の陰になってしまったが品のいいお婆さんが座っている。
写真を撮る許しを得て尋ねると「昭和31年頃創業、燃料はガス」とのことだ。
薪を使っている銭湯がまだあるかどうかは分からない、とおっしゃったが、番台にあった「1010」を見たら、たとえば椎名町の「妙法湯」などはまだ薪で沸かしているそうだ。
薪で沸かしたお湯はトロッとして気持ちがいい、と書いてあるが、都内銭湯88か所巡礼を数年前に成し遂げた俺にもその違いは判らない。
脱衣所もちょっとした旅館のような雰囲気がある。
男女の脱衣所を隔てる鏡は低く開放感がある。
ヒノキの浴槽が売り物らしい。
中に入るとずいぶん天井が高い。
なによりも隅々まで清掃が行き届いているのが当たり前のようで珍重すべきことなのだ。
ヒノキ風呂の方はそれほどでもなかったがジエットの泡が出る大きな浴槽はやや熱い。
ここもそうだがボデイシャンプーとリンス入りシャンプーのボトルを置いてある銭湯も増えた。
土曜日の夕飯前、こんなに気持ちのいい風呂なのに客は親子連れと老人二人。
いろんな割引をしたり銭湯経営は大変だ。
出かける前にもう一軒玉川の銭湯に電話したら「うちはもうやってないんです」と申し訳なさそうな返事があった。
現役の頃は夜の会合などの前に店の近くで銭湯をみつけてヒトップロ浴びるのが好きだった。
電話ボックスにある電話帳で住所からあたりをつけて探していく。
土地の人の訛りのある会話を聴いたり風貌を見るのも楽しかったから出張で地方に行ったときも出来るだけホテルや旅館の風呂には入らず町の銭湯を探したものだ。
大きな風呂に入る、そのこと自体が快適なのだが、それだけではない、見知らぬ土地の人と「裸の付き合い」をしたような気分がよかった。
銭湯好きなのにはもう一つわけがある。
子供の頃、バラック住まいの我が家の入浴は近所の共同風呂だった。
そこは一日おきに男女が交代で入るのだった。
コンクリート打ちっぱなし、カランなども数は少なく芋の子状態、安くて近いのが取り柄。
そんな共同風呂も自分の家に風呂を作る人が増えたこともあって閉じてしまってからは自転車で3キロくらい離れた銭湯に、、そうだな、一週間に一度行ったかどうか。
ここも芋の子、肩をふれあって湯につかった。
それでも銭湯に行くってことは一つの贅沢、すがすがしい気分で帰宅したものだ。
そんな気分の名残が意識のどこかにあって、今でも銭湯に入ることを少し有難い気分にしてくれているような気がする。
同級生のガキ大将、石野君の家が銭湯をやっていたことなども懐かしさの一片かな。
入ると、
写真を撮る許しを得て尋ねると「昭和31年頃創業、燃料はガス」とのことだ。
薪を使っている銭湯がまだあるかどうかは分からない、とおっしゃったが、番台にあった「1010」を見たら、たとえば椎名町の「妙法湯」などはまだ薪で沸かしているそうだ。
薪で沸かしたお湯はトロッとして気持ちがいい、と書いてあるが、都内銭湯88か所巡礼を数年前に成し遂げた俺にもその違いは判らない。
なによりも隅々まで清掃が行き届いているのが当たり前のようで珍重すべきことなのだ。
ヒノキ風呂の方はそれほどでもなかったがジエットの泡が出る大きな浴槽はやや熱い。
ここもそうだがボデイシャンプーとリンス入りシャンプーのボトルを置いてある銭湯も増えた。
土曜日の夕飯前、こんなに気持ちのいい風呂なのに客は親子連れと老人二人。
いろんな割引をしたり銭湯経営は大変だ。
出かける前にもう一軒玉川の銭湯に電話したら「うちはもうやってないんです」と申し訳なさそうな返事があった。
電話ボックスにある電話帳で住所からあたりをつけて探していく。
土地の人の訛りのある会話を聴いたり風貌を見るのも楽しかったから出張で地方に行ったときも出来るだけホテルや旅館の風呂には入らず町の銭湯を探したものだ。
子供の頃、バラック住まいの我が家の入浴は近所の共同風呂だった。
そこは一日おきに男女が交代で入るのだった。
コンクリート打ちっぱなし、カランなども数は少なく芋の子状態、安くて近いのが取り柄。
そんな共同風呂も自分の家に風呂を作る人が増えたこともあって閉じてしまってからは自転車で3キロくらい離れた銭湯に、、そうだな、一週間に一度行ったかどうか。
ここも芋の子、肩をふれあって湯につかった。
それでも銭湯に行くってことは一つの贅沢、すがすがしい気分で帰宅したものだ。
同級生のガキ大将、石野君の家が銭湯をやっていたことなども懐かしさの一片かな。
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創塁パパ
at 2014-04-13 12:07
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うわあ。むかしながらの銭湯ですね。道後温泉も思い出します。
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藤の湯、素晴らしいです、銭湯を超えてますよね!
昨日、西片の坂下りたアタリを通りかかったら「富士見湯」休業の案内が・・・ご主人のお加減が悪いようです・・・再開してほしいけど・・・。
昨日、西片の坂下りたアタリを通りかかったら「富士見湯」休業の案内が・・・ご主人のお加減が悪いようです・・・再開してほしいけど・・・。
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20070707open at 2014-04-13 12:28
雰囲気のある銭湯ですね・・・いつもsahiziさんの銭湯の記事を読んでなんとも言えないノスタルジーを感じます♪
山育ちのopenは、街にある父親の実家に遊びに行って銭湯に入るのが楽しみでした。銭湯はopenにとって都会の象徴!(笑)
父親と男湯に入って、毎回ツルツルのタイルでスッテンと転んでは大泣きしたことが思い出されます(笑)
これからも、銭湯の記事、楽しみにしています^^v
山育ちのopenは、街にある父親の実家に遊びに行って銭湯に入るのが楽しみでした。銭湯はopenにとって都会の象徴!(笑)
父親と男湯に入って、毎回ツルツルのタイルでスッテンと転んでは大泣きしたことが思い出されます(笑)
これからも、銭湯の記事、楽しみにしています^^v
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hisako-baaba at 2014-04-13 13:07
千住の銭湯も本来の玄関は何かで塞がれて、横からの出入りでした。入りませんでしたが、何で風情ある玄関を使わないのでしょうね。物置でふさぐ必要があるのでしょうか。あの屋根が素敵なのに、写真も撮れませんね。
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k_hankichi at 2014-04-13 18:32
Saheiziさん、風情溢れる銭湯のご紹介、ありがとうございます。僕も裸の付き合い的な湯が好きです。銭湯めぐりは、自分の昔を巡る旅のようなところもあります。ぼくの東京の88箇所巡礼は、まだ二合目手前。スタンブ帳のさみしいことといったらありません。
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fusk
at 2014-04-13 21:28
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去年大阪に帰った時。家にも風呂はあるのですが
6歳の孫が銭湯を気に入って。
毎晩「セントーイコイコ」と楽しみ。
番台で平均何人位のお客があるのか?と尋ねたら。
企業秘密って笑いはりましたが。やっぱり少なくなってるようでした。
6歳の孫が銭湯を気に入って。
毎晩「セントーイコイコ」と楽しみ。
番台で平均何人位のお客があるのか?と尋ねたら。
企業秘密って笑いはりましたが。やっぱり少なくなってるようでした。
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saheizi-inokori at 2014-04-13 22:06
創塁パパ さん、創塁君を連れて行ったら喜びまっせ。
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saheizi-inokori at 2014-04-13 22:08
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saheizi-inokori at 2014-04-13 22:10
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saheizi-inokori at 2014-04-13 22:12
hisako-baaba さん、日本の銭湯をまとめて文化遺産にできないものかと思います。
単に体を洗うというだけじゃなく地域の共同体を維持するという大事な機能を果たしていると思います。
単に体を洗うというだけじゃなく地域の共同体を維持するという大事な機能を果たしていると思います。
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saheizi-inokori at 2014-04-13 22:13
k_hankichi さん、まあ、ゆっくりやったらいいのではないでしょうか。
銭湯に焦って入ったら本末転倒ですものね。
銭湯に焦って入ったら本末転倒ですものね。
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saheizi-inokori at 2014-04-13 22:17
fusk さん、かつては毎月一軒都内の銭湯がつぶれてしまったといいますが、残ったところは何とか頑張って欲しいと願います。
そのためにはせいぜい利用しなくちゃ。
そのためにはせいぜい利用しなくちゃ。
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蛸
at 2014-04-13 22:56
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ええ毎日、送ってるなぁ、
風呂屋,行きてぇ!
風呂屋,行きてぇ!
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keiko
at 2014-04-13 22:57
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saheizi-inokori at 2014-04-13 23:04
蛸さん、タイにはないのでしょうね。
だいたい浴槽があるのかな。
だいたい浴槽があるのかな。
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saheizi-inokori at 2014-04-13 23:05
keiko さん、何気ない世間話を聞いているのが好きです。
しかもそれが方言ときたらこたえられません。
しかもそれが方言ときたらこたえられません。
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maru33340 at 2014-04-13 23:46
良い風情ですねぇ。入りたいなあ、銭湯。
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cocomerita at 2014-04-14 02:16
Ciao saheizi さん
うーーん、いい感じ
いわきの市民温泉思い出します
ロッカーも、本当は籠にしてほしいけど、難しいかな?
でも、木造りってので救われてる
うーーーーむ、内装も素敵
壁が木っていうのも、凄い凄い
ご一緒にーーと言いたいとこだけど、こればっかは無理ね ははは
うちの祖父母の家にはお風呂がなかったので、おじいちゃん、お婆ちゃんの家に泊まりに行くと近所の銭湯へ、これが又楽しみでした
湯上がりのフルーツ牛乳も美味しかったー
いまだにうっとり思い出します
うーーん、いい感じ
いわきの市民温泉思い出します
ロッカーも、本当は籠にしてほしいけど、難しいかな?
でも、木造りってので救われてる
うーーーーむ、内装も素敵
壁が木っていうのも、凄い凄い
ご一緒にーーと言いたいとこだけど、こればっかは無理ね ははは
うちの祖父母の家にはお風呂がなかったので、おじいちゃん、お婆ちゃんの家に泊まりに行くと近所の銭湯へ、これが又楽しみでした
湯上がりのフルーツ牛乳も美味しかったー
いまだにうっとり思い出します
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fusk
at 2014-04-14 02:50
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パリにも公衆浴場はあるのです。
ただし銭湯とは随分違いまして
風呂桶かシャワーかがついている小さな部屋がずらりと並んでいます。
40年前にシャワーしかないホテルに2週間泊まっていて。
身体をつかりたいと一度だけ行ったのですが。
今も有るかな?と検索したらパリに16カ所ありました。公営です。
ただし銭湯とは随分違いまして
風呂桶かシャワーかがついている小さな部屋がずらりと並んでいます。
40年前にシャワーしかないホテルに2週間泊まっていて。
身体をつかりたいと一度だけ行ったのですが。
今も有るかな?と検索したらパリに16カ所ありました。公営です。
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antsuan at 2014-04-14 06:08
実は、戦前の建物の我が家も、みんなビックリするほど風呂はけっこう広いのです。そんな環境に育ったせいか、中野に下宿している次男も、いま銭湯に嵌まっているようです。(笑)
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saheizi-inokori at 2014-04-14 08:47
maru33340 さん、ぶらっと出かけませんか。気に入った文庫本をもって。
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saheizi-inokori at 2014-04-14 08:49
cocomerita さん、籠を置いているとこともあります。
女湯と大声で「出るぞ~!」「はあい、ちょっと待ってね」なんて言うやり取りもありましたね。
女湯と大声で「出るぞ~!」「はあい、ちょっと待ってね」なんて言うやり取りもありましたね。
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saheizi-inokori at 2014-04-14 08:51
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saheizi-inokori at 2014-04-14 08:53
antsuan 、広い風呂にゆっくり入るのは健康によろしいと漢方医がかなり強く田舎に引っ越してそういう家を建てろとすすめました。
でもそこから通勤することを考えるとどっちが健康的なんだろうと思いましたよ^^。
でもそこから通勤することを考えるとどっちが健康的なんだろうと思いましたよ^^。
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namiheiii at 2014-04-14 10:45
新婚当初、練馬の四畳半のアパートに住んでいました。しばしば井戸水が涸れて、銭湯の蛇口から水を飲んだのを覚えています。
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LiberaJoy at 2014-04-14 11:07
私も、結婚するまで銭湯でした。32年前まで。
当時は家から徒歩5~6分以内に4軒ありました。
先日、小学校の閉校式があった折、早めに行って調べたところ
3軒が休業。1軒だけになっていました。
当然、銭湯周辺には、風呂上りの一杯飲める何らかの
お店があったわけで、それらも、見事に消えていました。
街がつまらなくなりました。
残っている1軒のそばには、ラーメン屋と蕎麦屋が残っていました。
寿司屋はなくなりました。
当時は家から徒歩5~6分以内に4軒ありました。
先日、小学校の閉校式があった折、早めに行って調べたところ
3軒が休業。1軒だけになっていました。
当然、銭湯周辺には、風呂上りの一杯飲める何らかの
お店があったわけで、それらも、見事に消えていました。
街がつまらなくなりました。
残っている1軒のそばには、ラーメン屋と蕎麦屋が残っていました。
寿司屋はなくなりました。
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saheizi-inokori at 2014-04-14 22:19
namiheiii さん、そういう断片的なシーンをいろいろ思い出す日々です。
銭湯に行くことでますます思いだします。
銭湯に行くことでますます思いだします。
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saheizi-inokori at 2014-04-14 22:21
LiberaJoy さん、銭湯の帰りに近くの店で一杯と思いつつも我慢の子です^^。
結婚して初めて風呂のある社宅に入った時の嬉しさは忘れられないです。
なんかものすごく偉くなったような気がしましたよ。
結婚して初めて風呂のある社宅に入った時の嬉しさは忘れられないです。
なんかものすごく偉くなったような気がしましたよ。
by saheizi-inokori
| 2014-04-13 12:03
| こんなところがあったよ
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