一つ目、三つ目、ボケにしっかり者、名人も出て湯島は梅まつり前夜祭
2014年 02月 13日
憂鬱な日々、そこに腹の立つこともあったが、気を取り直して湯島へ。
「ぎやまん寄席」は開演30分前開場、予約券の受付番号順にきちんと整列させて入場するのだ。
噺家たちが異口同音にギャグのタネにするのだが怖いくらいに高座を高くつくってあるから、後ろの席でも十分に噺家が見える。
それでも少しでも近くで表情を見たいという人が多い。
最前列は椅子ではなく座布団に座る席で、俺などは到底我慢できないし噺家を見上げるのもどんなものかと思うがここも埋まっている。
前座・さん坊が「金明竹」のあと、
喬太郎・「館林」
弘前に行ったこと、東北のイメージの虚実、文生=正しい日本のオッチャンの酔っ払いの物まね、小さんに芸道は「守=物まね」、「破=それを打破する」、「離=独り立ちする」の「守破離」だと教わったが、この道25年にしてようやく、今が、、守だとわかった、と笑わせて、熊さんの剣術修行の噺に。
最後は首がちょん切られてコロコロ、という初めて聴いた噺。
喬太郎の語りがニンだから面白いのだ。
(境内の枝垂れ梅とおぼろ月)
扇辰「一眼国」
ここ湯島は前座時代、喬太郎と二人で小満んの独演会のお供をして交代に高座に上がらせてもらった、懐かしい場所という。
江戸時代、江戸で一番賑やかなところは両国広小路だった。
そこにあった見世物小屋の描写、蛇娘、八間の大燈籠、目が三つ歯が二つの化け物、インチキばかり、頓智機智を客も怒らず楽しむ。
俺も長野のサーカス小屋の前で蛇娘は「見た」ことがある。
偽ベートーベンは本人もケシカランが騙されたこっちもそんなに大騒ぎすることなのかが分からない。
見世物小屋点描のあと一つ目の国に行くところは5分足らずと短いが「王子の狐」などケダモノ・化け物が得意な扇辰だ。
扇辰「鮑のし」
サラちゃんを昭和の女性みたいに折り目正しい(平野君と対照的)と評す。
俺はこのところの彼女の新聞でみる顔がどこかひきつったような、自信のなさそうな、目に力のないのが気になっていた。
若いから、これからだ、という扇辰に同感。
女性が元気だ、地方に行っても女性は悪天候をものともせずやってきてよく笑う。
その点、男性は笑わない、地方の、といったが今夜の俺たちのことだ。
たしかに周りの女性たち、笑わなきゃ損だとばかりにもよく笑う、娘17・8みたいだ。
というわけでしっかり者のお光さんに指南されて金策に走るジンベイさんの噺。
尾頭付きの鯛が5円で、アワビ三枚が50銭、こんな時代もあったのだ。
(泉鏡花 筆塚 立派だね。
せんじつ鏡花の短編集を借りてきて冒頭の一作だけ読んで返却した。気分じゃなかったのだ)
喬太郎「名人長二 仏壇叩き」
圓朝の作った長い噺の初めの部分、マクラなしで入る。
若くて腕があってイイ男、まるで私のようだ、などとくすぐりを好いタイミングで入れながら名人と蔵前の商人のやり取りを聴かせる。
二人の描き分けがさすがだし、長二の作った百両の仏壇の価値を疑い壊しにかかるところは迫力もある。
久しぶりの喬太郎、よかった。
扇辰じゃないけれど、ふたりを前座として使ってくれた小満んの目は確かだった。
帰りに久しぶりに「一(はじめ)」によって晩飯。
隣に座っていた女性と世相慨嘆、安倍とその周辺の異常・狂気、どうなっちゃうんでしょうね、若い人たちが可哀そう(とくに復興増税なんてなんも知らないでずっと払わされる)、、ついつい3本。
月を見ながら歩いて帰った。
それでも少しでも近くで表情を見たいという人が多い。
最前列は椅子ではなく座布団に座る席で、俺などは到底我慢できないし噺家を見上げるのもどんなものかと思うがここも埋まっている。
前座・さん坊が「金明竹」のあと、
喬太郎・「館林」
弘前に行ったこと、東北のイメージの虚実、文生=正しい日本のオッチャンの酔っ払いの物まね、小さんに芸道は「守=物まね」、「破=それを打破する」、「離=独り立ちする」の「守破離」だと教わったが、この道25年にしてようやく、今が、、守だとわかった、と笑わせて、熊さんの剣術修行の噺に。
最後は首がちょん切られてコロコロ、という初めて聴いた噺。
喬太郎の語りがニンだから面白いのだ。
扇辰「一眼国」
ここ湯島は前座時代、喬太郎と二人で小満んの独演会のお供をして交代に高座に上がらせてもらった、懐かしい場所という。
江戸時代、江戸で一番賑やかなところは両国広小路だった。
そこにあった見世物小屋の描写、蛇娘、八間の大燈籠、目が三つ歯が二つの化け物、インチキばかり、頓智機智を客も怒らず楽しむ。
俺も長野のサーカス小屋の前で蛇娘は「見た」ことがある。
偽ベートーベンは本人もケシカランが騙されたこっちもそんなに大騒ぎすることなのかが分からない。
見世物小屋点描のあと一つ目の国に行くところは5分足らずと短いが「王子の狐」などケダモノ・化け物が得意な扇辰だ。
扇辰「鮑のし」
サラちゃんを昭和の女性みたいに折り目正しい(平野君と対照的)と評す。
俺はこのところの彼女の新聞でみる顔がどこかひきつったような、自信のなさそうな、目に力のないのが気になっていた。
若いから、これからだ、という扇辰に同感。
女性が元気だ、地方に行っても女性は悪天候をものともせずやってきてよく笑う。
その点、男性は笑わない、地方の、といったが今夜の俺たちのことだ。
たしかに周りの女性たち、笑わなきゃ損だとばかりにもよく笑う、娘17・8みたいだ。
というわけでしっかり者のお光さんに指南されて金策に走るジンベイさんの噺。
尾頭付きの鯛が5円で、アワビ三枚が50銭、こんな時代もあったのだ。
せんじつ鏡花の短編集を借りてきて冒頭の一作だけ読んで返却した。気分じゃなかったのだ)
喬太郎「名人長二 仏壇叩き」
圓朝の作った長い噺の初めの部分、マクラなしで入る。
若くて腕があってイイ男、まるで私のようだ、などとくすぐりを好いタイミングで入れながら名人と蔵前の商人のやり取りを聴かせる。
二人の描き分けがさすがだし、長二の作った百両の仏壇の価値を疑い壊しにかかるところは迫力もある。
久しぶりの喬太郎、よかった。
扇辰じゃないけれど、ふたりを前座として使ってくれた小満んの目は確かだった。
隣に座っていた女性と世相慨嘆、安倍とその周辺の異常・狂気、どうなっちゃうんでしょうね、若い人たちが可哀そう(とくに復興増税なんてなんも知らないでずっと払わされる)、、ついつい3本。
月を見ながら歩いて帰った。
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tocotoco-o3po at 2014-02-13 14:24
saheiziさん~こんにちは。
小泉も石原慎太郎カジノ作っちゃうんでしょうか…
復興税どこにいくんでしょう…
小泉も石原慎太郎カジノ作っちゃうんでしょうか…
復興税どこにいくんでしょう…
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ikuohasegawa at 2014-02-13 15:35
『喬太郎の語りがニンだから面白いのだ。』
ニンだから、ここの解説をおねがいします。
ニンだから、ここの解説をおねがいします。
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tona
at 2014-02-13 21:17
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泉鏡花の筆塚どの辺にあるのですか。私も鏡花の作品は冒頭だけです。
しだれ梅きれいですね!
しだれ梅きれいですね!
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saheizi-inokori at 2014-02-13 21:48
tocotoco-o3po さん、税金取るだけとって無駄に使うのが腹立たしいですね。
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saheizi-inokori at 2014-02-13 21:52
ikuohasegawa さん、いい加減で口が達者な熊さんとそれをたしなめる師範、そのキャラクターが喬太郎の芸風によくあっているのです。
「ニン」、元は歌舞伎のようですが、役者の芸風・キャラをいうようです。
「ニン」、元は歌舞伎のようですが、役者の芸風・キャラをいうようです。
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saheizi-inokori at 2014-02-13 21:54
豆ママさん、じゃあお顔を拝していたのかも。
そちらのブログにどうしてもアクセスできないのです、毎朝悔しがっています。
そちらのブログにどうしてもアクセスできないのです、毎朝悔しがっています。
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saheizi-inokori at 2014-02-13 21:55
小言幸兵衛さん、こうしてみると喬太郎はなかなかです。
続きを聴きたくなりました。
続きを聴きたくなりました。
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saheizi-inokori at 2014-02-13 21:56
tona さん、湯島天神の境内にありましたよ。
来週あたりが梅の見ごろでしょうか。
来週あたりが梅の見ごろでしょうか。
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蛸
at 2014-02-13 21:56
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風邪、皆さん治ったん?
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saheizi-inokori at 2014-02-13 22:16
蛸さん、風邪はなんとかね。
カミさんのリンパが心配、明日生検です。
カミさんのリンパが心配、明日生検です。
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豆ママ
at 2014-02-13 23:10
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相変わらず取り留めないことをチンタラやってます。
とはいえ・・・一方通行はさみしゅうござんす。携帯も不通ですか・・?
とはいえ・・・一方通行はさみしゅうござんす。携帯も不通ですか・・?
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saheizi-inokori at 2014-02-13 23:15
豆ママさん、携帯はエクサイト以外にアクセスする方法を知らないのです。Googleからでもやってみようかな。
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keiko_52 at 2014-02-14 01:36
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poirier_aaa at 2014-02-14 01:41
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旭のキューです。
at 2014-02-14 05:32
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一に寄っての晩ごはん。隣に座っていた女性との、世相慨嘆がいいですね。旭のキューです。
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saheizi-inokori at 2014-02-14 08:58
keikoさん、丸くはなかったのですが、写真の撮り方が下手でした。
いつのまにか軍国日本になってますよ。
いつのまにか軍国日本になってますよ。
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saheizi-inokori at 2014-02-14 09:00
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saheizi-inokori at 2014-02-14 09:01
旭のキューです。さん、言いたいことを言い合って少し気分がすっきりしました。他愛のない隠居也。
もう半世紀も前の話ですが、会社の同僚が浅草に遊びに行き、派手な裸女の看板につられて小屋に入ったら、猿のストリップだったそうで皆で大笑いしました。大した被害でなければ、騙されたのを笑って済ませる余裕も必要です。
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tocotoco-o3po at 2014-02-14 12:03
猿のストリップ…
浅草ってそんな町なのですね
昔浅草をお散歩していたら、鼻セレブというティッシュを箱ごと持っていた下町のお兄さんに助けて頂いたので衝撃的でした!
どのあたりにあるんでしょう、猿のストリップ…
浅草ってそんな町なのですね
昔浅草をお散歩していたら、鼻セレブというティッシュを箱ごと持っていた下町のお兄さんに助けて頂いたので衝撃的でした!
どのあたりにあるんでしょう、猿のストリップ…
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reikogogogo at 2014-02-14 12:27
saheiziさんといい,小言幸兵衛さんといい楽しいお仲間、ブログ面白いです。
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saheizi-inokori at 2014-02-14 15:40
ほめ・くさん、猿の惑星から巡業してきたんですね^^。
猿女と書けば嘘じゃないですね(絵はともかく)。
猿女と書けば嘘じゃないですね(絵はともかく)。
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saheizi-inokori at 2014-02-14 15:41
tocotoco-o3po さん、半世紀も前の噺ですよ。
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saheizi-inokori at 2014-02-14 15:42
reikogogogoさん、仕事に関係のない落語の仲間、時々一緒に落語を聴いて一杯飲んでいいご機嫌です。
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tocotoco-o3po at 2014-02-14 16:17
kanaさんのところで読みましたが、奥さまの具合早くよくなるとよいですね。
病院も先生や病院で対応が全然ちがいますもの。
リンパ心配ですね。
奥さまの具合よくなりますように…
世田谷には除雪機がないとテレビで聞きましたので、雪掻きが大変でしょう。
あまり無理されないでくださいね。
病院も先生や病院で対応が全然ちがいますもの。
リンパ心配ですね。
奥さまの具合よくなりますように…
世田谷には除雪機がないとテレビで聞きましたので、雪掻きが大変でしょう。
あまり無理されないでくださいね。
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saheizi-inokori at 2014-02-14 16:33
tocotoco-o3po さん、ありがとう。
by saheizi-inokori
| 2014-02-13 13:40
| 落語・寄席
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