ひとり鱈チリ思いだす若き日の酒

「めんどうだからしよう」、そんな題名の本の広告があるけれど、「めんどうでもやらなきゃいけない」のが家事。
自発的な手伝いなら面倒ではないがやらねばならぬとなると途端に面倒だ。
若いころ家族が喜んで食べてくれるなら三品や四品のご馳走もルンルン買い物から片付けまでやったけれど自分だけのためとなると食欲自体がなくなる。

タラ、豆腐、ネギの鍋（白菜が切れてた）に大根おろしとシラス、白菜漬けで晩飯。
片付けのことを考えると少しでも食器や鍋の数を減らしたい、油ものはやめ。
それでも飯山の「水尾」を燗で飲むうちに一丁の豆腐がなくなり二切れのタラも消える。

若いころ、会社の連中との宴会のことを思いだす。
かならず歌になったなあ。
民謡、文部省唱歌、童謡、軍歌、歌謡曲、次から次へと交代で立ち上がって歌い、皆は手拍子、ときに声を合わせてがなった。
合唱じゃない、ガナリだった。

思いだして、、もう一本燗をつけにたった。