鵺を飼っていた青春の思い出 多田富雄「残夢整理―昭和の青春」
2014年 02月 03日
人生で出会った忘れがたき人たちのことを6つの話で追憶し自身の青春を振り返る。
自身の死を覚悟してなんども画き直した50号、「廃兵と廃砲」と題されている。
日仏現代美術展に出品され多田の書斎に飾られた。
廃兵は自身、廃砲は果たせなかった熱情、白雲はどうしても得られなかった「永遠」ではないかと多田はいう。
「俊作は天才だったことを疑わない」と多田は書く。
ネット検索してみたがそれらしい画家の名はみつからなかった。
無名の天才だ。
中学時代に出会って大学の下宿に来てはマラルメの詩を暗唱してみせた早熟な詩人(生死不明)、大学時代のプライド高き親友たち3人、特攻志願をしたけれど結核のために20歳で死んだ従兄、多田に免疫学に対する目を啓かせた恩師・岡林篤、多田のもう一つの生き甲斐であった能の師匠であり同士であった型破りの観世流能楽師・橋岡久馬のことが語られる。
満たされた人生とは何か、そんな人生なんてあるのか、青春とはなんだったのか、友情のはかなさと美しさ(多田は友情に篤い)、いずれも哀切、ユーモアも。
伝説の怪獣・鵺は「頭は猿、胴は狸、尾は蛇、足手は虎のごとくして、鳴く声トラツグミに似たりけり」、
私たちの鵺も、私たちの想念に巣くって私たちを動かしていた。私たちは全力でその鵺を養って生きていた。私たちの青春の情熱は、この正体不明の動物によってかきたてられていたのだ。俺も飼っていたなあ、鵺、ナリはちっぽけだったかもしれないが。
多田富雄について別記事
「詩の心が巨人を支えた 多田富雄『寡黙なる巨人』」
新潮社
とてもあんなふうには生きられない。
私は韓国式エステや銭湯が大好きなのですが、たまに「あなたって、若いのねえ~、羨ましいわあ~。」などといって、ベタベタ躯体を触りにくる人がいます。
これってあれなんじゃないかな、とは思いますけれども、褒められて嫌な気はしないので「肉体労働で鍛えてますから。」などといって力こぶを見せたりしてます| ̄ω ̄、|
恋人同士くらいに仲がイイ、くらいの意味でしょう。
この本、最近わたし買いました。
文庫本なので表紙絵は、違いますが。
でも表紙をめくると永井俊作さんの、この不思議な絵があります。
多田さんは、この回想録を書き終え2ヶ月後に亡くなったとか・・・
まだ途中までしか読んでません。
今夜続きを読みます^^。
サンチ君、舌ぺロリ!かわいいね^^。
また佐平次隊長から、新しい世界を見せてもらいました。