初天神には初天神を雲助で聴こう 「雲助蔵出し ぞろぞろ」@浅草見番
2014年 01月 26日
氷の招き猫、温かい日だからよかったけど、、。
滑り込み参詣で賑わう観音様。
遅くきた分、しっかり手を合わせていろいろとお願いしてきた。
あんかけが体を温める。
カキは半煮えの苦みがうまし。
講釈の部分が「よくできました」。
市楽「松山鏡」
肩の力が抜けて明るく楽しい一席。
身内のようなファンを前にして気持ちよさそうに落語会の名前が「雲助蔵出し ぞろぞろ」に改まったいくたてを語り、子供の面白さを
(坊や)おねえちゃん、なんでお化粧するの?など三つほど小噺をして
(おねえちゃん)きれいになるためよ
(坊や)なんできれいにならないの?
今日は25日、初天神です。とネタに入る。
今日こそこの噺です。
悪ガキは悪ガキでもカワイイッたらない金坊。
いろいろへこまされる父ちゃん、それが嬉しいのよ。
あれ買ってこれ買ってと言わない、約束していてもやっぱり飴玉くらいは買ってやりたい父ちゃん。
父ちゃんのマネをして団子やをからかう金坊、似た者親子だってのも嬉しい初天神。
凧揚げは父ちゃんの方が夢中になって余所の子と喧嘩凧。
ガラス粉をまぶした糸で切って
ハッハッハッ!飛んでいっちまいやがらァ!俺も凧揚げしたくなった。
金坊の表情が素晴らしい。
雲助ワールド満開の初天神、最高!
宇野信夫が師匠の馬生のために書き下ろしたという新作人情噺。
子供のころからの仲良しがともに植木職人になって二人とも男やもめになった。
そこまでは同じだったが平さんは息子に先立たれ足も怪我をして木に登れない。
留さんは娘が米問屋に嫁いでゆとりのある暮らし。
ひがみっぽくなっている平さんは神経質、留さんはのんびりやっているが親友の平さんのことが心配なのだ。
いかにも芝居噺の作者らしい作品、珍品。
雲助いわく「こういう噺をいろんな人がやって磨き上げていったらいい」。
馬生が感激して真剣に稽古したのに、宇野にダメを出されてその後あまりやらなかったというエピソードなどを後席で披露した。
こういう楽屋噺を聴けるのもこの会の余得。
花魁が「年が明けたらあなたと一緒になります」と約束した証文、もらって有頂天になってるイノさん、実は棟梁もセイさんも同じものをもらってた。
怒り悲しみ、自分だけじゃないことが分かってちょっと嬉しい。
三人そろって花魁に恥をかかせに、、。
男純情、騙され連中揃い踏みの滑稽。
高齢化した噺家の高座での立ち往生などの話題から、自分たちも「あれ、これ」ばかりが多くなったと転じ、その話の中でも「あれ、これ」になってしまう。
この会は「あれこれ会」と改名しようか。
せんじつ俺が絶賛した喜多八「二番煎じ」、あの猪鍋からはあったかさが伝わらなかったと評する人がいた。
同じ噺を聴いて、共感すれば嬉しくて感動の倍返し、感想が異なるとそれまた面白く、やっぱり二度楽しむ居残り会。
好きなことば遣い、嫌いな・解らない言葉遣いの話題にも花が咲き酒がすすむのであった。
本、展覧会、映画、勿論、落語、などなど、本当に有難いです。
居残り会、遠巻きにでも、一緒の空間にいれたら、この上なく佳い気をいただけそうです‼︎
「あれこれ会」に改名ですか、「居残り ぞろぞろ」もいいかな^^
花巻、柚子そばに続いて、これも食べたい。
初天神もいいお話ですね~
ボヤキの多い隠居のブログ、気軽な飲み会、面白いと思っていただけたら望外の幸せです^^。
愉快な話で飲む酒はすすみます。
人気メニューらしいです。
とくに雲助はよかったです。
温かい蕎麦には一種の充実感があります。
昔、TVドラマで志村喬が孫に「若い時の夢は何だった?」と質問されて、
「天麩羅蕎麦を腹いっぱい食えるようになりたい」と答えていたのが今でも印象的です。
ところで、あれは何というドラマだったんだろう?
わたしも学生時代にバイトの月謝が入ったときなど町の蕎麦屋の暗い空間であの天ぷらそばをすすった、ささやかな豊かさが忘れられません。今は天ぷら蕎麦を食うことは少なくなりましたが。
油と醤油の匂い!懐かしいなあ。
ラーメン屋でアルバイトをしたとき、夜ゴハンの賄いで、餃子を50個焼いて、いや、20個は水餃子でした。また、ラー油に酢醤油だけでなく、ケチャップを使ったソースとテンメン醤を使ったソースを、大将が作ってくれました。
これには、感動しました。