スーダン大統領を拉致せよ 壮絶な銃撃戦 マーク・グリーニー「暗殺者の正義」

海外ニュースを見ていると南スーダンの映像。
細かいところは変化しているのかもしれないが、もう何十年も同じような光景なのではないだろうか。
荒廃というか不毛というか、もっと正直に言ったらこの世の地獄のような風景。
痛いだの痒いだの不味いだの言いながら暖かい部屋でストレッチをしている自分が申し訳ない。
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故あって、前の勤め先からシユート・オン・サイト、目撃しだい射殺の指令が出ている、今は一匹狼の暗殺者ジェントリー(”グレイマン”と呼ばれる)がロシア・マフィアの親分からスーダン大統領の暗殺依頼、報酬は400万ドル。
そこにCIA時代の上司が現れ、大統領を殺さずに拉致せよ、そうすれば射殺命令は撤回するという。

アフリカの独裁者を殺せば虐殺とか苛酷な統治はなくなるのか。
正義の名のもとに絡み合う大国のエゴ、大国内部の官僚たちのエゴ。
正当とされる殺しか、道義的中立というカテゴリーで正義の側にどうにか収まっている殺ししか引き受けない
というグレイマン。
さて、何が正義なのだろう。
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まあ、こういったところはスパイスとでもいうべきだ、この小説はほとんどが冒険アクション、スーダンを舞台にした壮絶なサヴァイヴァル、銃撃戦。
細部が丁寧に描かれている。
俺はもうちょっとシブイ方が好みだ。

昔、アリステア・マクリーン、ジャック・ヒギンズ、ギャビン・ライアル、バー・ゾウハー、、冒険小説を次から次へと読んだことがあった。
通勤途上で読むのに最適だった。

セシル・スコット・フォレスターの「ホーンブロワー・シリーズ」は全巻購入して読んだ。
もとよりどこかに寄贈してしまったが、あれば読み直してみたい。
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ハヤカワ文庫

伏見威蕃 訳
Commented by 旭のキューです。 at 2014-01-10 16:30 x
エクアドルとベネズエラで、射殺した事件がありましたけど、日本は、いい国ですね。
Commented by tocotoco-o3po at 2014-01-10 19:02
暗殺者に正義なんてあるのでしょうか~
それよりも最近警察や検察の方が犯罪者を取り逃がして税金の無駄使いをしている方がよっぽどきになります。
今日は辛口ですみません~
節税せずに増税なんてって感じ庶民は思います~
Commented by at 2014-01-10 19:10 x
こっちも同じやし、日本やって体質は変わってないんとちゃうの?
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-10 20:59
旭のキューです。さん、そんないい国を悪くしようとしている政権は許せないですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-10 21:04
tocotoco-o3po さん、今晩の飯も食えない、こどもの薬も買えない、そういうスーダンの人々のことを考えると税金の一部はアフリカにやってくれと思います。
でもその援助資金がアフリカで権力者たちのポケットに入ってしまうのです。
そこで暗殺者が登場するのです。
でもそれが正義といえるかどうかがこの小説のポイントです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-10 21:05
蛸さん、体質は変わってないかも知らんけれど、、アフリカは大変すぎるなあ。
Commented by 小言幸兵衛 at 2014-01-10 21:11 x
あら、私も冒険小説、スパイ小説(エスピオナージュ)大好きです!
「もっとも危険なゲーム」「深夜プラス1」などのライアル、「バンドラ抹殺文書」「復讐のダブルクロス」など、たぶん「ミュンヘン」まで全冊読んだはずのバ^・ゾウハーなど。
佐平次さんとは、次回、落語ではなく冒険小説のことを肴に飲みましょうか^^
Commented by tocotoco-o3po at 2014-01-10 21:15
本当にアフリカは大変ですね…
正義こそ戦争の始まりなのだと思います…検察と警察も意地の張り合いでしょうか…
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-10 21:22
小言幸兵衛さん、それは楽しみなんですが、、みんな忘れてしまったのですよ。
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-10 21:25
tocotoco-o3po さん、そうですね、正義って難しいね。
Commented by tocotoco-o3po at 2014-01-10 21:33
国立演芸場にいって落語なり寄せなり
酒のつまみにされるのは結構ですが、今の日本はアフリカよりも哀れで仕方ありません。
何よりもこんなことしか目に入らなくなった今の自分が一番あわれです。
Commented by ikuohasegawa at 2014-01-11 05:50
「暗殺者の正義」
初めて、読んでますと言える本が出てきました。
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-11 09:18
tocotoco-o3po さん、生まれてこない方がよかったという赤ん坊を抱いているスーダンの人を見ると哀れでもあり情けなくもなります。
こっちは落語を聴いて好きなこと言ってるんですから。
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-11 09:20
ikuohasegawa さん、どこかの書評をみて借りた本です。
似た名前ですがマイクル・コナリーの方が好みです、圧倒的に。
Commented by fusk at 2014-01-11 19:45 x
私の本棚にある作者名と思いながらリストを読んでいて。笑。この後はフェイケラーマンやスーグラフトンなどの女性作家を読みました。
アフリカは戦後処理に欧米が勝手に線引きして国を作ったことも起因していますね。同じ部族なのにそれを考えないで真ん中で切って二つの国に分けてしまった。いまだに宗主国としての権限も持っているし。
Commented by saheizi-inokori at 2014-01-11 21:12
fusk さん、ケラーマンやグラフトン、名前は知ってますがあまり読んだ記憶がないです。
面白そうですね、読む本はいくらでもあるってことですね。
アフリカの線引き、全くおっしゃる通り、人間が住んでいるというより土地の分配があたまにあったのでしょう。
今でも同じかもしれないなあ。
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by saheizi-inokori | 2014-01-10 15:01 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori