寄席はキセキなのだ! 奇跡の人・柳家小はんの会
2013年 11月 29日
一年に一度の「柳家小はんの会」、13回の今日俺は二回目。
ヤクルトホールは他の落語会とはずいぶん違う雰囲気の客たちで550席が満たされている。
高校の同級生、地域の友人、、ロビーにいても高校の同窓会のような会話があちこちで聞かれる。
会費2千円を払って入ると今年の年賀状に印刷したプログラムが渡される。
予約の電話をした時も短いけれどきれいな直筆のお礼状とともにチケットが送られてきた。
郵送料だの手数料だの会費以外にいろいろふんだくられる凡百の落語会とは佇まいが違う。
北海道は寒いから鴨が凍りついてしまう。
それを鎌で刈り取ると翌年芽が出てくる、カモメ。
明るくホラ話を連発して会場を沸かす。
落語は古典なんかじゃない、世間噺に過ぎない、古典じゃなくてコハンだよ。
ポンポンとギャグ・シャレを言う、それがなんとも古い風を帯びていて、フクちゃんやサザエさんの笑い、時々ちょいと色っぽいが、を感じる。
大きなはっきりした声でゆっくりと独特の謡い調子。
その世界に入ると得も言われぬ心地よさ。
「二人旅」の茶店のおばあさんが出色、目に見えるようだ。
故人となった名人たちの出囃子はいつ聞いても懐かしい。
最後に『ナスカボ』を舞う。
二番番頭の善六がカミサンの知恵で“そろばん占い”なるインチキをする。
チッチッチッチ、そろばんの玉を動かしながらいい加減なことを言って行がけの駄賃で女中のオモヨさんに日ごろの食い物の恨みなんかぶつける。
泊まり客の財布を盗んだ犯人を当ててくれ、できっこない占いを頼まれて三六計逃げ出す算段をしていると
盗んだ使用人がこっそりやってきて病気の父の薬代が欲しかった、頼むから内緒にしてくれ。
タナボタの解決に嬉しそうな善六の顔がいい。
時間の都合だろう最後までやらず、神奈川の宿で〆たけれど満足満足。
好い酒を貰って一人で飲むんじゃつまらない、クラさん、お前が一番一緒に飲みたい友達だよ。
クラさん、喜んだが、魚を買ってこい、火をつけろ、燗をしろ、、こき使われるばかりでちっとも飲ませてもらえない。
クラさん、ほら、酒がついちゃう、早く持ってこい、顎で使いながら飲み続ける男の、、ああ、なんという、そのうまそうなこと。
飲むにつれ酔いはまわり、ご機嫌でシャレは言う、小噺をするわ、
お、お、おかおか、おかしいだろ一人で受けてるけれど飲めないクラさんはオカシイどころか、かみつぶした苦虫は何匹だろう。
一人で酒を飲む男、見ているこっちも腹が立つのが多くの噺家のやり方だが、小はんのは俺も一緒になってうまい酒を飲んでいるようで、「うん、おかしい」と相槌を打ってしまう。
最後は恒例の三本締め、会場全員立ち上がって小はんの三つの祈願、三番目は「今日来なかった人たちのなんとか」を祈願したりしたのだが、今朝になると忘却の彼方。
らくだ亭?で一度聴いて以来です(だいぶ前)
粋で素敵な師匠だなーと、またぜひ聴きたいと思い続けて今にいたります…。
会もアットホームな感じなんですね。
行きたかったなぁ。
しかし、馬刺しは目に毒だなぁ^^
昨日はいらしてなかったのですか。
食べたこっちもかなり身の毒^^。