”イヤされる”テレビリポーターの語り ＆マイクル・コナリ―「ブラック・ハート」（上下）

八ヶ岳高原に未練が残る。テレビでビーナスライン（美ヶ原から小淵沢）の旅をやっている。
ああ、あそこあそこ！あれは見損じたねえ。
カミさんとミイハア気分で見ていると「このキューリ地元で採れたんですか」（中国から輸入したんですハイ）「ジューシーな葡萄！」（干しブドウじゃないもんですからハイ）、連発する「カワイイ」「かわいいね」「キモチイイ！」「キモチいいね」「おいしい！」「おいしいね！」の応酬（三種のジンギだね）、、リポーターのタレントたちの会話に突っ込みを入れて見るのも一興。
イヤサレルネエ～。
ナレーターも負けずに「女性中心に人気がある」、中心ってあとは男と獣と虫たちかい？
言葉といえば方言が好き。
タクシーの運転手の出身地を当てて喜んでいる。
東京新聞で見た記事↑、用語法をチャート式に辿って出身地を当てるんだって。
詳しくは→http://ssl.japanknowledge.jp/hougen/
これは下巻の半分を原村で読み上げた本、例によってマイクルおじさんのハリー・ボッシュシリーズ第三作。
ハリーは連続娼婦殺人犯をよんどころなく射殺したことを咎められて（相手がマクラの下に手を伸ばしたので銃を取り出すかと思って撃ったのだが、マクラの下にあったのはカツラだった）本部からハリウッド署に飛ばされたのだったが、、
殺した犯人の妻が人権派の女性弁護士を立てて、夫は無実だと損害賠償訴訟を起こす。

なんと殺したはずの連続殺人犯から、俺は生きていると、その証拠に死体を埋めた場所を書いたメモが警察に投入され、調べてみるとコンクリート詰めになったブロンド美女の死体が見つかる。
危うしハリー・ボッシュ！

法廷のサスペンスと現実の捜査活動を平行させ、もうお馴染みのハリーの人間的な苦悩、恋愛、警察・検察幹部の保身・堕落がリアルに描かれて、俺は興奮したぜ。
ハリーは何かというとビール、運転する前もよく飲む。
俺はこの『真澄の生』冷酒と『七賢』の燗、それにわずかなビール『ハートランド』『一番搾り』できたばかりの『キリン秋味』とサドヤワインで高原の夜を過ごした。

ハリウッド署の警察官はサイドジョブ、たとえば金持ちのボデーガードなどになってもお咎めなし、飲んでも乗るし、今でもそうなのかな。
ビーナスライン。
向こうに見えるのは白樺湖。

古沢嘉通　訳
扶桑社ミステリー