戦争絶滅請け合い法案って知ってますか 保坂正康「田中角栄の昭和」

昨日は日本が無謀な戦争に敗れた記念の日。
俺にとっては妻が病気に敗れた日。
今朝、散歩していて２０年前の同じ時間のころ、一晩過ごした霊安室から出て病院の構内を走ったことを思いだした。
暑かった、涙は冷たかったような記憶。
つくつく法師の鳴声を聞いた、今朝も２０年前も。（昨日の夕日）
朝、シャワーを浴びながら聞いているラジオで小沢遼子が「え！日本がアメリカと戦争したの？どっちが勝ったの」と言った高校生のことを語り、「そういえば、あの原爆をアメリカが落したってこと、なぜかテレビでも言わないのよね。落ちてきた！なんて」と笑ってた。

あの戦争は自衛のための戦争だった、という人たちがいる。
彼らの論を借りれば自衛でない戦争なんてないということだ。
集団的自衛権を認めようとしている北岡伸一が、集団的自衛権の行使を４類型に限定など出来ない、と明言する所以でもある。
イランだって、もしアメリカが行くとなったら従うってことになるかもしれない。

安倍が不戦の誓いとか反省の言葉を言わなかったことを中国や韓国のテレビが大きく報道している。
自衛のための戦争だったから、もう謝らない、また戦争することもある、ってわけか？
たとえそうであったとしても、中国や韓国の攻撃から自衛しようとしたわけじゃないだろうに。
大正７年生まれの今太閤・田中角栄の軌跡を追い、その功罪を論じた本、面白い。
早くも忘れそうになっている同時代史の復習にもなる。

田中と同い年の男が

これはわしらの世代ならみんな心で思うていることなんやが、、（声をひそめて）わしが田中さんを好きというより、尊敬しているというのは、あの人は戦争が嫌いだったと思うからや。あの人は、仮病を使ってでも軍隊を離れた人と思うからや

と語り、自分が仮病を使って軍隊を離れた手口を筆者に教えた。
そして

わしは断言はせんが、田中さんが好きなのはわしと同じような『戦争なんかで死ねるか』という意思はもっていたように思えるためだ。あの人は、決して日本を軍国主義にはしないよ。それだけは断言できる

と繰り返したそうだ。
（ゆうべはカミさんと近所の居酒屋、ダダ茶豆）
「戦争絶滅請け合い法案」というのを知ってますか。
せんじつｇａｋｉｓさんが紹介してくださった。
要するに、戦争を始めるときは、時の為政者・その親族の１６歳以上の男、反対しなかった宗教者などは、年齢・健康状態を問わず、

最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従はしむべし。

さらに、彼らの

妻、娘、姉妹等は、戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に接近したる野戦病院に勤務せしむべし。

というものだ。
ナカナカ妙案だ。
憲法９条改正の条件としたいくらいだ。
でも、国会を通りそうもないことが一番の問題だ。

朝日新書