朝から人助け 還暦を祝う若者たち 扇遊&喜多八&鯉昇
2013年 07月 09日
傍にスポーテイな自転車がおいてある。
あ、出会いがしら?事故かと思って一歩二歩、不思議なことにそのまま通り過ぎようとしたのだ。
なに!倒れてる!そこに!
すぐに戻って、大丈夫ですかと声をかけると、おばあさんがうなづいて青年がほっとしたような顔。
倒れていたおばあさんに気が付いた青年が介抱していたのだ。
意識はしっかりしている、持っていたペットボトルから水を一口飲んでもらう、ひと口じゃ足りないからともうひと口、救急車は呼ばないでという。
家は近いというので、二人で肩を貸して歩き出す。
肥っているのだ、汗でぬれた身体が重たい。
近いという家はどこだ?
マンションの窓があいて女の人が、知っている、家はそこだ、案内します、戸締りをしていくから、と言っているうちに別の奥さんが同じマンションだからと案内して、狭い階段を三人で上って、サンチが大人しくあとをついて、とんだ桃太郎おばあさんの帰宅、俺はキジ、いや猿なんだろう。
ご主人がいたので無事ご送還。
「昨日、わたし、熱中症になってしまいました」「おや、今さっきそこで倒れている人を家まで送って来たんですよ」「私も昨日熱中症になっちゃいました」なぜか繰り返して「お気をつけくださいませ」大きなサングラスのなか目が笑ってた。
濡れなくて良かったような、夕立を見たかったような。
新宿文化センター、「扇遊還暦祝いの会」。
自分でメクリをたしかめて、楽しげな歌入り(松尾あさ)の出囃子「いっさいいっさいろん」で開口一番、小辰「悋気の独楽」
はぎれよく、楽しい。
ときどき師匠の扇辰が顔を出すのも微笑ましい。
扇遊「お菊の皿」
入門したときに還暦で高座に出ることなんか想像もしなかった。
あの頃師匠の扇橋が42歳、志ん朝、馬生、、みんな3.40代なのに貫録がありました。
そうだ、俺も還暦なんかには一生なれないと思いこんでいた。
赤いカシオGショックを若い社員たちからプレゼントされて照れくさかった。
あの時計、電池を入れて又使おう。
今じゃ、扇遊の”若さ”がまばゆい^^。
最前列の下手から見るせいか、どうも痩せて顔色が悪いのが気になる。
始まると紅潮(と言っても普通の顔色になる)して、いつもように凸凹コンビのやり取りが可笑しくておお笑いなのだが。
小三治の付け入る隙のない芸空間からの笑いに比べて付け入りどころ満載の笑い。
あくびそのものはあまりうまくないけれど。
あくび指南が、まず扇子をキセルに見立てて長い無言、もやった舟の揺れるとも揺れないとも、をやってみせるのなんか最高だ。
21世紀の憂鬱と倦怠。
鯉昇「持参金」
8つ年上、器量は悪く、あちこち傷みがきてる、表は風化してるけど中はきれい、裏返ししたらどうだという意見もあるけれどそうもいかない、おでこに特徴があって、真中に黒い線が一本、それというのが普通は地面をみている鼻の穴が景色を見てるから、タバコをふかすとケブが立ち上って飛び出したおでこにあたって出来た線、背丈はすらっと横に長く低い。
どこで聞いてくるのか、いろんな噂噺を胸にしまっておこうなどという狭い了見じゃない。
おまんまは3人前、習い事は何をやってもダメ。
そんな女にたった一つ疵がある。
八か月の子供が腹ん中。
どう?嫁にもらわないか。
えっ!どっか気にいらない箇所がある?
聴きようによっては、寄らなくてもセクハラ、それが爆笑、とくに若い女性の嬌声にも近い笑い。
マンガの登場人物の風体を見てセクハラだと腹を立てる人もいないのと同じ?
嫌味がないのは軽さ、間の好さ、根っこにその女性に対する好意・愛情があるからだ。
しかも、扇遊「青菜」でトリもやる。
嬉しくて頑張りすぎたかな、一本調子でがなりっぱなしの八五郎。
せっかくの素敵な着物姿がちょっともったいなかった。
三人のなかでもっとも落語らしい落語を話す扇遊なんだがな。
喜多八や鯉昇の言葉だけじゃなくて表情や仕草で語るやり方、おかしさを増幅する間が際立って感じられた。
他者に無関心な若者が多いと言われるけれど、まだまだ捨てたもんじゃないね。
ぶつかりそうになって舌打ちして走り抜ける自転車オバサンも多いです。歩道を。
つい疑ってしまって悪かったなあ。
”助け合う人がいる”が、切実に大切な宝ですね。
15年前に”心でっかち”を読み ”これから安心はない信頼がキー”とあり
その頃はそうかという程度の浅い認識でした。。。
下の人と風景の写真 すてきですね* 撮られた方の愛情を感じます。
公園などで人々が見せるいろんな表情がいいです。ちょっと緊張を解いた非日常的な瞬間の。
この暑さなのでたしかに熱中症にご注意ですね!
前に山登ったとき倒れているおじさんがいてみんな通りかかるのに
知らんぷりんで(休んでいるのかなっとか思ったのかも)
お声かけして売店のひとに救急車呼んでもらったことありました。
笑うもんかと思っていても強引に脇の下をくすぐるのですよ^^。
それなのに、助けている若者が「おばあさん」と呼び私には「お父さん」と呼びました。
どういうことなんでしょ。お父さんの方が年寄り?
今夕、とある会合にて、私と年代の余り代わらぬ先輩2人が相次いで奥方を癌でなくされた由。(ともに人間ドックを受けてなかったとか・・・)
明日から、私の趣味は「仕事」などではけっしてなく、きっぱり、愛すべき相方の「〇〇さん」にしようかと思います由・・・?。
私は小柳枝を買います。
後半の笑わせるところもともかく前半のお店の庭先の清涼感が聴きどころ、おっしゃるように私も鯉の洗いと冷えた柳陰が欲しくなります^^。
寄席の客の入りが「一束」とか、文楽の「寝床」では提灯屋が作るホオズキ提灯が「八束五十」とか、豆腐屋の作るがんもどきの数が「三束五十」など。
ちょっと偉そうに専門用語を使ってしまい、失礼しました。
失礼しました^^
明日は我が身かもしれません。倒れませんように、ご用心ご用心。
還暦から新しい人生が始まるというのは当たってるところもありますね。