ぴんぴんころり、好きな言葉ではないけれど、、 坂詰真二「やってはいけないストレッチ」

現役の時は会員制のジムにときどき通っていた。
若いインストラクターたちがにこやかに、適当におだてもはさみながら、指導してくれるのが楽しかった。
プールやサウナ、大きな浴槽もあったので、泳いで風呂に入るだけで帰ってくることも多かった。

隠居になって、まずやったことのひとつがジムを休会すること、永久会員なので年会費を勘弁してもらうのだ。
金の問題も大きいのだが、なんせ隠居は忙しい。
現役なら会社の帰りに行くということがあるけれど、今はわざわざジムまで出かける時間が取れない、まさかサンチをロビーに置きっぱなしってわけにもいかないし。
２４時間×３６５日が自由時間ではあるのだが、優先順位の問題か。
そういえば頑張って通っていた頃、いつ行ってもいる、まるでジムに住んでいるようなおじさんもいたっけ。
忙しいほどジムみたいな別世界に逃げ出したくなるのかもしれない。

本当のことを言えば、引退したらジムに通って健康的な生活をしようという思いもあって大枚を投じ入会したのだ。
人生は思うようにはいかないってこと。

ジムに行かないと運動らしきことをしなくなったので、前にも書いたけれどちょっとだけストレッチとか筋トレなどを自己流で組み合わせた運動を始めて一年近い。

自己流で大丈夫かと思う気持ちもあったら本書をみつけた。
落語会のついでに買ってきてその日のうちに読み終えた。

伸ばしたい筋肉を意識しろというのは嘘で、伸ばしたい筋肉を伸ばす働きをしている筋肉を意識しろ。
たとえば背筋を伸ばすときは、腹筋を意識しろ。

反動をつけるストレッチもありだ。

これは知らなかった、ジムでも伸ばしたいところを意識しろと言ってた。

「呼吸を絶やさずに」とか「限界ギリギリまで伸ばすと怪我をする」などは、知っていた。
知ってはいたがついつい頑張って伸ばしたくなるのが俺だ。
電動歯ブラシをゴシゴシやってはならない、と言われてもいつの間にかやってる。
もうやめといたら、という心の声を無視して、もう一本と注文する俺だ。

すらすらと読んでいるとちっとも難しくない。
よし、こんなことなら、とさっそく巻末に載っている「最も効率的な柔軟性向上ストレッチ１２」をやってみた。
メガネをかけて本を片手に、、「内側に引っ張る」、内側ってどっち側なんて独り言を言いながら。
苦戦しつつもだいたいは出来たような気がするが、読解も自己流だから本当にこれでいいいのか心配だ。
「あなたにストレッチが必要な９つの理由」、詳細は本を読んでもらうとして、

柔軟性があるかないかで、今の、そしてこれからの生活に大きな差が出るからです。体が硬いことは、思っている以上に不便で危険なのです。

要するに、ぴんぴんころり、ということらしい。
そして、「生まれつき体が硬いから、、」なんて言わないでストレッチを（正しい方法で）行えば必ず効果はある。
やればやるほど効果は大きく早い、そうだ。

せいぜい頑張ってやりましょう。

青春出版社