語られてきた古事記は落語に似ている 三浦佑之「口語訳 古事記」(神代篇・人代篇)
2013年 06月 19日
大国主命と因幡の白兎、天の岩戸に隠れた天照大神、、だれでもちょっとは知ってる日本の神話。
今頃になって古事記、それも口語訳を読んでいる。
古老が語り聴かせるという設定で、ところどころに物語を補う語りも入る。
古事記を読んで古代史についての学説を読むと神話のなかに表徴される日本誕生の歴史が見えてきて、神話の主人公が新たな”実在感”を帯びるのが、たまらなく面白い。
注釈も丁寧。
神代篇よりも人代篇が面白い。
ヤマトタケルやサホヒメの悲劇はシェイクスピア、名前が覚えられないところも^^。
三浦は解説「古事記の世界」で
ある種の昔話や、沖縄の神歌やアイヌの神謡に共通する音声表現の様式性がある。
そういって三浦はいろいろな例を挙げてみせる。
俺がピンと来たのは落語だ。
文字を知らない人々の間で語られる古事記物語。
語り上手が登場すると、「待ってましたあ!」なんて。
クスグリも語り手が工夫して、、なんて、学者は否定するかもしれないが、俺は勝手に「古事記寄席」を想像してニヤニヤしている。
しかし、こんなに面白い噺が満載なのに、落語に古事記からの話はあまりないのはなぜだろう(ググってみたら桂文我がやってるみたい)。
落語が坊さんのお説教に源を発していることと関係があるのか。
それとも畏れ多くて、?
「仏の遊び」なんて噺もあるのに。
文春文庫
今頃になって古事記、それも口語訳を読んでいる。
古老が語り聴かせるという設定で、ところどころに物語を補う語りも入る。
古事記を読んで古代史についての学説を読むと神話のなかに表徴される日本誕生の歴史が見えてきて、神話の主人公が新たな”実在感”を帯びるのが、たまらなく面白い。
神代篇よりも人代篇が面白い。
ヤマトタケルやサホヒメの悲劇はシェイクスピア、名前が覚えられないところも^^。
三浦は解説「古事記の世界」で
古事記の文体を支えているのが「語り」の論理だとみなせると言っている。
ある種の昔話や、沖縄の神歌やアイヌの神謡に共通する音声表現の様式性がある。
そういって三浦はいろいろな例を挙げてみせる。
俺がピンと来たのは落語だ。
登場人物の会話によって物語が進行してゆく落語好きな方なら、いくつも事例を挙げられると思う。
くり返し、同語反復、比喩表現、歌謡の挿入、言い立て、、
(違ったネタに)同じような伝承やよく似た登場人物が現れる
語り上手が登場すると、「待ってましたあ!」なんて。
クスグリも語り手が工夫して、、なんて、学者は否定するかもしれないが、俺は勝手に「古事記寄席」を想像してニヤニヤしている。
しかし、こんなに面白い噺が満載なのに、落語に古事記からの話はあまりないのはなぜだろう(ググってみたら桂文我がやってるみたい)。
落語が坊さんのお説教に源を発していることと関係があるのか。
それとも畏れ多くて、?
「仏の遊び」なんて噺もあるのに。
文春文庫
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mi-mamam1 at 2013-06-19 16:13
こんにちは。
三浦佑之さんは、我が師・櫻井美紀(語り手)とも親交のあった方です。櫻井は晩年、厳島神社で古事記を語る機会を得ましたが、日本の神話、つまり古事記はあまり語られることがありませんでした。なぜ?とお聞きしたことがあります。櫻井曰く、「語れなかったのよ。戦後、日本の神話は封印されたの」とのことでした。ははぁ・・・と私も納得がいったものです。たぶん、落語も同じなのではないでしょうか?神話は封印されていたのです。最近まで。やっと、語っても良いという世の中になってきたのだと思います。たぶんね。
三浦佑之さんは、我が師・櫻井美紀(語り手)とも親交のあった方です。櫻井は晩年、厳島神社で古事記を語る機会を得ましたが、日本の神話、つまり古事記はあまり語られることがありませんでした。なぜ?とお聞きしたことがあります。櫻井曰く、「語れなかったのよ。戦後、日本の神話は封印されたの」とのことでした。ははぁ・・・と私も納得がいったものです。たぶん、落語も同じなのではないでしょうか?神話は封印されていたのです。最近まで。やっと、語っても良いという世の中になってきたのだと思います。たぶんね。
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saheizi-inokori at 2013-06-19 16:37
mi-mamam1 さん、戦後の封印は分からないでもないですが、明治大正のころはどうなんでしょうね。
昭和は不敬と言われたかもしれません。
今、率直に読むと内容自体が崇敬の念を欠いているところもあってそこが面白いですね。
昭和は不敬と言われたかもしれません。
今、率直に読むと内容自体が崇敬の念を欠いているところもあってそこが面白いですね。
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keiko_52 at 2013-06-19 21:22
いつも中国はどこへ行こうとしてなにをめざしているのか
よくわからないと思っているのですが、
一人っ子政策だとあとがつづきませんね。
福祉政策も年金も整備しなくちゃ、国家の繁栄はないでしょうね。
あべちゃんはどうなのか、これもよくわかりませんが(笑)
日本も中国も曲がり角をうまくまがらなくちゃ、、、
よくわからないと思っているのですが、
一人っ子政策だとあとがつづきませんね。
福祉政策も年金も整備しなくちゃ、国家の繁栄はないでしょうね。
あべちゃんはどうなのか、これもよくわかりませんが(笑)
日本も中国も曲がり角をうまくまがらなくちゃ、、、
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saheizi-inokori at 2013-06-19 22:16
keiko_52 さん、一人っ子政策も変更すべきなのですが、今までこの政策で飯を食ってきた組織の既得権益が大きくてなかなか手が出せないそうです。
ふたり子供を産んだ親から罰金をとったり(なかにはデッチアゲで)したこととの整合性(罰金返せ!)とか、罰金をふところに入れていたりしたのがなくなるのです。
大きすぎる国は舵を取るのも大変です。
日本もね。
ふたり子供を産んだ親から罰金をとったり(なかにはデッチアゲで)したこととの整合性(罰金返せ!)とか、罰金をふところに入れていたりしたのがなくなるのです。
大きすぎる国は舵を取るのも大変です。
日本もね。
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sweetmitsuki at 2013-06-20 06:42
たとえば、初代神武天皇が崩御すると九州から皇太子がやってきて2代目天皇になろうとするのですが、すでに奈良には新しい妃と皇子がいて、争いの末勝ち残った奈良の皇子が2代綏靖天皇になるとか、古事記は知らなかったことばかり書いてあって確かに不敬ですね。
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gakis-room at 2013-06-20 07:52
クマソを女装して討ち滅ぼしたヤマトタケル。2メートルの長身の女装を想像してみると面白い。やっぱり不敬ですね(笑)。
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saheizi-inokori at 2013-06-20 09:10
sweetmitsuki さん、日本人、いや人類の原型ですね。
なかなかやるわい^^。
なかなかやるわい^^。
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saheizi-inokori at 2013-06-20 09:12
gakis-room さん、書き言葉よりも噺の方が想像力を刺激しますね。
きっとそういうヤマトタケルを想像して胸をときめかしたり笑ったりした子供たちもいたのでしょう。
それを聞く人々の様子も面白い、もっとも上層の人だけだったかもしれないなあ。
きっとそういうヤマトタケルを想像して胸をときめかしたり笑ったりした子供たちもいたのでしょう。
それを聞く人々の様子も面白い、もっとも上層の人だけだったかもしれないなあ。
by saheizi-inokori
| 2013-06-19 11:59
| 今週の1冊、又は2・3冊
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