水戸黄門は沖縄に行ったか おそるべき橋下の差別発言

あきれた橋下の「慰安婦必要論」「沖縄米軍は風俗を利用せよ（米軍司令官に）」発言。
寄席じゃないんだから！
政治家、しかもいやしくも日本の政治の閉塞を打ち破るリーダーとして期待する向き（俺ではないぞ）もあり、持ち上げるメデイアも多い政治家がこういう発言を敢えてする状況が怖い。
メデイアの利用に長けている橋下がこういう発言をすることを世論対策上、プラスだと判断したという状況。
ヘイトスピーチが横行するかと思えば、表現の自由を”公益と公の秩序”で規制できるように憲法を変えようという自民党が独り勝ち・衆参同時選挙をもくろむ状況。

沖縄米軍が買春をすることで兵隊たちの不祥事がなくなる、という発言、しかも沖縄現地で米軍司令官に対しての発言、を聞く沖縄の人たちの感情を橋下は少しでも理解しているのだろうか、理解しようという気持ちがあるのだろうか。
彼が自覚しているか否かはわからないが、その発言・発想は沖縄に対する差別意識（女性差別はもとより）に基づいていると思う。
先月１０日に調印された日台漁業協定が、操業ルールなどが策定されないまま、運用開始された。
沖縄県が「死守を求めてきた水域」が台湾側に解放された。
日本政府が尖閣問題で中国と台湾の「共闘」を防ぐために拙速で協定化したのだという。

仲井真知事は「県の要望が全く反映されないどころか、台湾側に大幅に譲歩した。極めて遺憾」と不快感をあらわにし、県議会も「漁業者の安全操業と生活に大きな打撃を与え、到底許されるものではない」と抗議する意見書を全会一致で可決した。（５月１４日、東京新聞）

日本中を舞台にしたテレビ映画「水戸黄門」が沖縄だけには行かなかった。
なぜか？「この紋所が目に入らぬか」というさわりが成り立たない。
琉球王国では王様だけが国の象徴であって、水戸黄門にあたる権威はなかった。
さらにラストの定番、「なみいる相手」に助さん格さんがチャンバラをする場面がつくれない。
刀がない。空手では助さん格さんより琉球人のほうが強い。
大城立裕の考察を引く佐藤優は、亜民族としての沖縄が「民族化」して独立をめざすことの現実性は強いと警告する。
民族は作られる、作るもの、たかだか２百数十年の歴史しかないとも。

１８６８年の明治維新前、琉球王国は、琉米修好条約（１８５４）、琉仏修好条約（１８５５）、琉蘭修好条約（１８５９）によって、アメリカ、フランス、オランダから国際法の主体として認められた国家だった。

ソ連解体の引き金となったバルト三国の分離独立、ロシアと分かれて独立国家となったウクライナ、ベラルーシ、どのときも政権エリートは「あり得ない」と楽観視していたのだと歴史に学ぶことを忠告する。（「新・帝国主義の時代」↓）

橋下が（愚かにも）政治的に有利だと思ってしたトンデモ発言、思惑が外れることを祈る。