インチキワールド・アベノミクスとは違うアフリカのワンダーランド エイモス・チュツオーラ「やし酒飲み」
2013年 04月 28日
東京新聞(4月28日朝刊)、「時代を読む」に浜矩子が「カラクリ館の向こう側」と題して書いている。
その趣旨は 同じ紙面の彼女の記事の脇に載っている写真。
ちょっと見に、誰かが安倍の下心をからかった”見世物”かと思ったら、さにあらず。
安倍自らが陸自出展の戦車に載ってポーズしたのだという。
なんとも”リリシイ”総理のお姿ではないか。
この写真の下には
やれやれ、安倍さん、頼みのアメリカからもカラクリ館の安普請を見抜かれているようだ。 アフリカ文学の最高傑作といわれる「やし酒飲み」、愉快な冒険譚。
10歳の頃からやし酒飲みだった男が死んだやし酒作りの名人を探しに「死者の町」に出かける。
悪意に満ちた恐怖の森林(ブッシュ)を通って「幽霊島」「帰らじの天の町」、、を旅する途中で、”擬声で太鼓に命令できる死神”や”身体の部分を所有主から借りている完全体の男の頭蓋骨一家””幻の人質””ぞっとするような袋の中の生物””飢えた生物”指から生まれた強力の息子”、、恐ろしい生物や神たちに捕まり殺されそうになるが、知恵と勇気と我慢やジュジュを駆使して間一髪、脱出する。
やし酒飲みは白い木の内に入る前に「死」を売り渡してしまったから、死について心を煩わす必要はなかったのだ。
白い木の主である”誠実な母”など生の神たちに助けられて赤い魚と赤い鳥を退治して赤化された住民を救い出す。
「ドラム」「ソング」「ダンス」たちがやってきて、だれよりも上手にドラムを打ち、歌い、ダンスを踊る。
そして死の国からもってきた卵に命じて人々を大飢饉の飢えから解放するのだが、人々は乱痴気騒ぎをして卵を割ってしまう。
そこで「地の神」が「天の神」に降伏の証を贈り、天の神は機嫌を直して雨を降らすのだ。
恐ろしい自然、理不尽な運命、それに慄きながらも勇気と知恵と神の助けを得て戦い生きていくやし酒飲み。
それはアフリカの人びとの姿を映すようでもある。
古事記に出てくる神々の戦いのような世界が1920年生まれの作者・チュツオーラの世界観なのかもしれない。
アベノミクスのカラクリ館のような底の浅いインチキ安普請とはまるで異なる怪異の世界でもある。
土屋哲 訳
岩波文庫
その趣旨は
アベノミクスとはホラー小説・「シャドーランド」にでてくる黒魔術のテーマパークみたいなものだ。浜は警告する。
人々の不安や願望に巧みに働きかけ、彼らの飢えや渇き、欲や切望をわしづかみにするから、ついフラフラと足を踏み入れてしまう。
しかし、しょせん、まやかしの世界、正体は枯れ尾花、「三本の矢」とか「異次元金融大緩和」などという看板自体が見世物小屋の宣伝文句みたいだし「アベノミクス特区」にいたっては怪しげなテーマパークそのもの。
シャドーランドはトリックの世界。
トリックは人を騙すためにある。
下心があるのだ。
アベノミクスという客寄せのトリックの背後にちらちらと見え出した、靖国問題や憲法改正という下心に気をつけよ。
カラクリ館そのものの虚構にも用心せよ。
ちょっと見に、誰かが安倍の下心をからかった”見世物”かと思ったら、さにあらず。
安倍自らが陸自出展の戦車に載ってポーズしたのだという。
なんとも”リリシイ”総理のお姿ではないか。
この写真の下には
米2紙 「歴史直視せず」 首相「侵略定義」発言 社説で批判という見出しで安倍の(日本の侵略行為を否定するかのような)国会での発言をワシントンポストが
戦前の帝国主義への郷愁に浸っているようでは、国内改革を推し進めたり、正当な主張である防衛予算の増額などを隣国に納得させることも困難になると論じたと報じている。
やれやれ、安倍さん、頼みのアメリカからもカラクリ館の安普請を見抜かれているようだ。
10歳の頃からやし酒飲みだった男が死んだやし酒作りの名人を探しに「死者の町」に出かける。
悪意に満ちた恐怖の森林(ブッシュ)を通って「幽霊島」「帰らじの天の町」、、を旅する途中で、”擬声で太鼓に命令できる死神”や”身体の部分を所有主から借りている完全体の男の頭蓋骨一家””幻の人質””ぞっとするような袋の中の生物””飢えた生物”指から生まれた強力の息子”、、恐ろしい生物や神たちに捕まり殺されそうになるが、知恵と勇気と我慢やジュジュを駆使して間一髪、脱出する。
やし酒飲みは白い木の内に入る前に「死」を売り渡してしまったから、死について心を煩わす必要はなかったのだ。
白い木の主である”誠実な母”など生の神たちに助けられて赤い魚と赤い鳥を退治して赤化された住民を救い出す。
「ドラム」「ソング」「ダンス」たちがやってきて、だれよりも上手にドラムを打ち、歌い、ダンスを踊る。
そして死の国からもってきた卵に命じて人々を大飢饉の飢えから解放するのだが、人々は乱痴気騒ぎをして卵を割ってしまう。
そこで「地の神」が「天の神」に降伏の証を贈り、天の神は機嫌を直して雨を降らすのだ。
それはアフリカの人びとの姿を映すようでもある。
古事記に出てくる神々の戦いのような世界が1920年生まれの作者・チュツオーラの世界観なのかもしれない。
アベノミクスのカラクリ館のような底の浅いインチキ安普請とはまるで異なる怪異の世界でもある。
土屋哲 訳
岩波文庫
Commented
by
kuukau at 2013-04-28 15:11
浜さんLOVE。歯に衣着せぬぶった切り方が気持ちいい。紫の髪がちと怖いけどね(笑)
0
Commented
by
蛸
at 2013-04-28 16:54
x
おもしろそぉ、探してみよぉ、
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-28 18:10
空子さん、一緒に呑んだら面白いかな、怖いかもね^^。
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-28 18:11
蛸さん、英語で書かれた小説だそうです。
とても変わった英語だそうです。
とても変わった英語だそうです。
Commented
by
c-khan7 at 2013-04-28 18:51
ヤシ酒。美味しそう。
映像にしたら面白そうですね。
映像にしたら面白そうですね。
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-28 21:07
c-khan7さん、映像は劇画じゃないと難しいかな。
なんしろ奇妙奇天烈な者どもが出てきて、表現しがたいことをやってのけるのですよ。
なんしろ奇妙奇天烈な者どもが出てきて、表現しがたいことをやってのけるのですよ。
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-28 21:19
熊伍朗 さん、やはりココナッツミルクの味がするのかなあ。
やし酒を一日飲んで過ごしている、って羨ましいような気もします。
私も若いころはよくカクテルを飲みました。家にカクテルセットを揃えたりしましたよ。
やし酒を一日飲んで過ごしている、って羨ましいような気もします。
私も若いころはよくカクテルを飲みました。家にカクテルセットを揃えたりしましたよ。
Commented
by
haruneko3 at 2013-04-28 21:51
ココナッツミルク味大好きです。。。。。やし酒を一日中だなんて、お話の世界みたいですね。
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-29 10:23
Commented
by
hisako-baaba at 2013-04-29 10:25
リンク頂きます。
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-29 10:55
久子さん、どうぞ。
Commented
by
旭のキューです。
at 2013-04-29 11:30
x
やし酒、探してみます。
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-29 12:37
旭のキューです。さん、さて日本にあるのだろうか。
そもそもどんなものなんだろう?^^。
そもそもどんなものなんだろう?^^。
Commented
by
sidediscussion at 2013-04-30 08:40
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-04-30 10:18
sidediscussionさん、目が覚めなくても株価が上がっていればいいと喜んでいる人たちにも困ったものです。
by saheizi-inokori
| 2013-04-28 12:24
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
Trackback
|
Comments(16)