いい陽気になりやした 喜多八&扇辰&志ん橋&兼好@落語研究会
2013年 04月 27日
落語研究会、先月は出演者に難あって欠席したから久しぶり。
めくりをする前座が市助に変わっている。
4月人事異動は落語界も同じかな。
馬治「強情灸」
「灸」という字、久の下に火を書くのか火の下に久を書くのか迷ってしまった。
どっちも間違っているような気がしたのだ。
この噺は志ん生のテープがあって就寝儀式でしょっちゅう聴いている。
とくに熱い湯に入るマクラが可笑しくて布団のなかで笑っている。
同じマクラでは勝負にならないな。
江戸っ子の軽快な感じがなく田舎の江戸っ子という感じがした。
兼好「蛇含草」
「ことしの夏は暑くなるので、どうぞお気をつけて」を三度も繰り返したのは何かに気を取られていたのか。
餅を50個、食いまくる。
その仕草・表情が見どころなのだが、、、好みの問題か。
扇辰「甲府い」
兼好さん、こんなに伸びてくるとは思わなかった、妻子持ちで入門したからハングリーさが違うのかな、彼は落語協会ではないけれど気が合う、会津出身だから長岡出身の自分と同じ反薩長だからか。
先日、湯島で聴いたのはこの日のためのリハーサルでもあった。
あの日よりややテンポが速くていい感じと思っていたが途中からゆっくりになって、それも悪くない。
「やめろし よせし いっちょし」(やめなさい よしなさい 行くなよ)、甲州弁が懐かしい(ウケなかったけど)。
婿養子にした善吉夫婦を甲府に送り出すときにそれまで威勢よく大声でいろいろ言っていた親方が、最後に「水が変わるから気ィつけて行って来い」と後姿に小さな声でいって涙ぐむ。
一呼吸、パッとガラガラ声で長屋のオカミサンの声、「あら、珍しい!二人そろってどこに行くん?」。
善吉が、小さな、しかしはっきりと「甲府い~お参り~願ほどき~」(豆腐い~ゴマ入りガンモドキ)とサゲル。
ほのぼのとした好い噺だ。
志ん橋「熊の皮」
つるつる頭、その頭のように明るくおおらかな語り、のびやかで楽しい。
ときどき聴きたくなる人だ。
喜多八「五人廻し」
待ってましたア!声がかかって、「えっ、え~え、ご期待に添えるかどうか、、落語をやらしていただきます」。
吉原は男を磨く、修行の場だったといつもの前置き、吉原の「廻し」(ひと晩に複数の客を取ること)について説明してネタに入る。
今日の客には不要だったかもしれないが。
なんどか聴いた噺だが、女を待ちつづける(金は前払い、女が来なくても払い戻しはない)男たち、三才の頃から吉原に出入りしたと豪語する職人、漢語を頻発する官吏風、通人ぶったイヤミ君(オカマッポイ)、田舎っぺい、関取を演じ分けるのが巧みで往時の風俗劇画を見るがごときだ。
巧みすぎるのか、いつもより暗く重たい感じがした。
たしかに男の忍耐・修行かも。
いい気な修行だが。
生シラス。
ほろ苦くて、、うまい。
天気予報が外れて幸い、ふらりふらりと月を見上げながら帰った。
めくりをする前座が市助に変わっている。
4月人事異動は落語界も同じかな。
馬治「強情灸」
「灸」という字、久の下に火を書くのか火の下に久を書くのか迷ってしまった。
どっちも間違っているような気がしたのだ。
この噺は志ん生のテープがあって就寝儀式でしょっちゅう聴いている。
とくに熱い湯に入るマクラが可笑しくて布団のなかで笑っている。
同じマクラでは勝負にならないな。
江戸っ子の軽快な感じがなく田舎の江戸っ子という感じがした。
「ことしの夏は暑くなるので、どうぞお気をつけて」を三度も繰り返したのは何かに気を取られていたのか。
餅を50個、食いまくる。
その仕草・表情が見どころなのだが、、、好みの問題か。
扇辰「甲府い」
兼好さん、こんなに伸びてくるとは思わなかった、妻子持ちで入門したからハングリーさが違うのかな、彼は落語協会ではないけれど気が合う、会津出身だから長岡出身の自分と同じ反薩長だからか。
先日、湯島で聴いたのはこの日のためのリハーサルでもあった。
あの日よりややテンポが速くていい感じと思っていたが途中からゆっくりになって、それも悪くない。
「やめろし よせし いっちょし」(やめなさい よしなさい 行くなよ)、甲州弁が懐かしい(ウケなかったけど)。
婿養子にした善吉夫婦を甲府に送り出すときにそれまで威勢よく大声でいろいろ言っていた親方が、最後に「水が変わるから気ィつけて行って来い」と後姿に小さな声でいって涙ぐむ。
一呼吸、パッとガラガラ声で長屋のオカミサンの声、「あら、珍しい!二人そろってどこに行くん?」。
善吉が、小さな、しかしはっきりと「甲府い~お参り~願ほどき~」(豆腐い~ゴマ入りガンモドキ)とサゲル。
ほのぼのとした好い噺だ。
つるつる頭、その頭のように明るくおおらかな語り、のびやかで楽しい。
ときどき聴きたくなる人だ。
喜多八「五人廻し」
待ってましたア!声がかかって、「えっ、え~え、ご期待に添えるかどうか、、落語をやらしていただきます」。
吉原は男を磨く、修行の場だったといつもの前置き、吉原の「廻し」(ひと晩に複数の客を取ること)について説明してネタに入る。
今日の客には不要だったかもしれないが。
なんどか聴いた噺だが、女を待ちつづける(金は前払い、女が来なくても払い戻しはない)男たち、三才の頃から吉原に出入りしたと豪語する職人、漢語を頻発する官吏風、通人ぶったイヤミ君(オカマッポイ)、田舎っぺい、関取を演じ分けるのが巧みで往時の風俗劇画を見るがごときだ。
巧みすぎるのか、いつもより暗く重たい感じがした。
たしかに男の忍耐・修行かも。
いい気な修行だが。
ほろ苦くて、、うまい。
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c-khan7 at 2013-04-28 19:00
吉原のお姐さん達は、まぁ、大変な仕事だったと思いますが、落語から吉原が無くなったら寂しくなっちゃいますよね。
郭噺は男女の心の機微を感じられて好きです。
郭噺は男女の心の機微を感じられて好きです。
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saheizi-inokori at 2013-04-28 21:08
c-khan7さん、そのうち新宿二丁目を舞台にして落語ができるかもしれないです。
でも風合いはずいぶん違うなあ。
でも風合いはずいぶん違うなあ。
by saheizi-inokori
| 2013-04-27 12:05
| 落語・寄席
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Comments(2)