三田で都の西北を聴く 喜多八&扇辰@「三田落語会」
2013年 04月 21日
金曜日も寒かったけれど土曜日は雨もよい、寒さも増した、その寒さが嫌いじゃない、ピッとしてね。
久しぶりに三田仏教伝道センターにきたら道に迷った。
携帯の道案内に頼って行ってみて気がついたのは前は地下鉄で来ていたのだ。
さすが仏教伝道センター、ロビーで甘茶のサービス、かっぽれでも踊らにゃならないか。
配られたチラシのなかにも「ブツダのおしえ 『お経』のことば」なんていう小冊子があったりする。
それなのに、いやそれだからこそ、か落語にうつつを抜かしている隠居・我。
開口一番はさん喬の弟子、さん坊「金明竹」
故郷の北海道・別海町(香川県の広さに1万人が住んで牛が10万頭いる)のことを一生懸命話す。
ヘタに決まっている落語をやるより面白いかもしれないが、これでいいのかと思っていたらネタにはいる。
マクラってのはネタに入る前の助走とでもいうべきものなのに、助走で精一杯、本番は息切れ。
あとで上がった喜多八が、長い時間やるようにと指示したんだと言っていたが、その言葉で救われたのだ。
喜多八「鈴ヶ森」
池袋の立ち飲み屋で出されるコップの分厚さ、白内障の人がかけるメガネみたいな、16角形にも見える、汚れたコップを礼賛する、その形容が喜多八独特で俺は好きなのだ。
「寝床」をやるつもりだったのに、昨夜ラジオ深夜便で雀三郎のやった「寝床」が面白くて敵わないので、と十八番の「鈴ヶ森」。
「心を入れ替えてまじめに泥棒に励む」と誓う新人泥棒を指導する兄貴分。
鈴ヶ森で追いはぎをするのだが、二人のやり取りの可笑しさと言ったら!
なんど聴いても笑いが止まらない。
間と目を使った表情が絶妙なのだ。
(散歩道で収穫、しかしこのあたりは犬たちの小便・ウンチの絶えることがない、残念ながら、、大好物なのに)
扇辰「匙加減」
ご当地噺、そう、三田の医者の噺。
なんどか聴いているが少しづつ演出に手を加えているようだ。
料理屋・叶屋の主人の小悪党ぶりの芝居がかり方が、いままでよりも過激で、これも面白い。
若医者が芸者・お浪に将来を契ったのは、前に聴いたときは「酒の上のこと」と言ってたが、今日は「一緒になるつもりだった」という。
今の女性から見てどちらが”許せる”のだろうか?
会がはねたあとの居残り会分科で話題になった。
「現代娘からしたら、好きな客が来なくなったからと言って気が狂ってしまう芸者って信じらんない!責任を感じて狂ったお浪を引き取って養生させる医者も信じらんない!」かもしれないと一応の結論。
こんどの居残り会で別のメンバーの意見も訊いてみたい。
悪党を懲らしめる大家と大岡越前がいいね。
(外の雨を見ながら焼き鳥を食う。居残り会の至福)
仲入り後、ふたたび、扇辰「野ざらし」
さっきの叶屋の芝居気分が残っていたか、八五郎の弾けっぷりが半端じゃない。
さすがの八五郎も顔負けの幇間のペラペラも楽しかった。
釣をしていた男たちが八五郎のワルふざけにホウホウの体で逃げていった後に忘れ去られた弁当。
そのおかずが「豆腐の煮たのに油揚げの煮つけ」、ちょっと変な取り合わせじゃなかろうか。
そのあと、「トウフの方からよくきたね」みたいな駄洒落を言ったのだ、それを引き出すためだったのか。
カラスが来ずにムクドリが来た、と言って突然、カラスが風邪を引いてムクドリに代わりに行ってくれという、そのカラスの声色?の滑稽、お稲荷さんのキツネなどもそうだが扇辰は動物の出てくるお伽噺をやったら抜群だと思う。
喜多八「百川」
若いころの思い出話で、高田馬場のストリップのトリが「都の西北」に合わせて服を脱いだというの、好きだな、こういうのって。
「百川」はこのところ扇辰のを続けて聴いていた。
俺は喜多八に一票だ。
百兵衛の「シエッ」とか、いささか田園の哀愁・憂鬱を感じさせる表情が何とも言えない。
喜多八&扇辰、どちらも知性を感じさせながらの爆笑。
居残り会の酒がうまくなるのもうべなるかな。
ホールのスタッフに「慶大生?」「そうです、二年生」、応用化学と言ったかな。
中国人の女性スタッフが今月で夫と子供の待つ福建省に帰国すると聞いて、絶対に遊びに行くと言った俺。
さて、これは酒の上の言葉、それとも本気?
少なくとも言った時点では本気だったような、、。
携帯の道案内に頼って行ってみて気がついたのは前は地下鉄で来ていたのだ。
さすが仏教伝道センター、ロビーで甘茶のサービス、かっぽれでも踊らにゃならないか。
配られたチラシのなかにも「ブツダのおしえ 『お経』のことば」なんていう小冊子があったりする。
この世はまことに火の家である(火宅のたとえ)。まさにまさに!
それなのに、いやそれだからこそ、か落語にうつつを抜かしている隠居・我。
故郷の北海道・別海町(香川県の広さに1万人が住んで牛が10万頭いる)のことを一生懸命話す。
ヘタに決まっている落語をやるより面白いかもしれないが、これでいいのかと思っていたらネタにはいる。
マクラってのはネタに入る前の助走とでもいうべきものなのに、助走で精一杯、本番は息切れ。
あとで上がった喜多八が、長い時間やるようにと指示したんだと言っていたが、その言葉で救われたのだ。
喜多八「鈴ヶ森」
池袋の立ち飲み屋で出されるコップの分厚さ、白内障の人がかけるメガネみたいな、16角形にも見える、汚れたコップを礼賛する、その形容が喜多八独特で俺は好きなのだ。
「寝床」をやるつもりだったのに、昨夜ラジオ深夜便で雀三郎のやった「寝床」が面白くて敵わないので、と十八番の「鈴ヶ森」。
「心を入れ替えてまじめに泥棒に励む」と誓う新人泥棒を指導する兄貴分。
鈴ヶ森で追いはぎをするのだが、二人のやり取りの可笑しさと言ったら!
なんど聴いても笑いが止まらない。
間と目を使った表情が絶妙なのだ。
扇辰「匙加減」
ご当地噺、そう、三田の医者の噺。
なんどか聴いているが少しづつ演出に手を加えているようだ。
料理屋・叶屋の主人の小悪党ぶりの芝居がかり方が、いままでよりも過激で、これも面白い。
若医者が芸者・お浪に将来を契ったのは、前に聴いたときは「酒の上のこと」と言ってたが、今日は「一緒になるつもりだった」という。
今の女性から見てどちらが”許せる”のだろうか?
会がはねたあとの居残り会分科で話題になった。
「現代娘からしたら、好きな客が来なくなったからと言って気が狂ってしまう芸者って信じらんない!責任を感じて狂ったお浪を引き取って養生させる医者も信じらんない!」かもしれないと一応の結論。
こんどの居残り会で別のメンバーの意見も訊いてみたい。
悪党を懲らしめる大家と大岡越前がいいね。
仲入り後、ふたたび、扇辰「野ざらし」
さっきの叶屋の芝居気分が残っていたか、八五郎の弾けっぷりが半端じゃない。
さすがの八五郎も顔負けの幇間のペラペラも楽しかった。
釣をしていた男たちが八五郎のワルふざけにホウホウの体で逃げていった後に忘れ去られた弁当。
そのおかずが「豆腐の煮たのに油揚げの煮つけ」、ちょっと変な取り合わせじゃなかろうか。
そのあと、「トウフの方からよくきたね」みたいな駄洒落を言ったのだ、それを引き出すためだったのか。
カラスが来ずにムクドリが来た、と言って突然、カラスが風邪を引いてムクドリに代わりに行ってくれという、そのカラスの声色?の滑稽、お稲荷さんのキツネなどもそうだが扇辰は動物の出てくるお伽噺をやったら抜群だと思う。
喜多八「百川」
若いころの思い出話で、高田馬場のストリップのトリが「都の西北」に合わせて服を脱いだというの、好きだな、こういうのって。
「百川」はこのところ扇辰のを続けて聴いていた。
俺は喜多八に一票だ。
百兵衛の「シエッ」とか、いささか田園の哀愁・憂鬱を感じさせる表情が何とも言えない。
喜多八&扇辰、どちらも知性を感じさせながらの爆笑。
居残り会の酒がうまくなるのもうべなるかな。
中国人の女性スタッフが今月で夫と子供の待つ福建省に帰国すると聞いて、絶対に遊びに行くと言った俺。
さて、これは酒の上の言葉、それとも本気?
少なくとも言った時点では本気だったような、、。
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wildrose53 at 2013-04-21 12:38
ああ殿方って!「言った時点では本気だった」^^
「好きな客が来なくなったからと言って気が狂ってしまう芸者」「責任を感じて狂ったお浪を引き取って養生させる医者」、いいですねえ。
そういうひとたちがいなくなったら(いないかな)この世はつまらない、と思うほうに一票(笑)
「好きな客が来なくなったからと言って気が狂ってしまう芸者」「責任を感じて狂ったお浪を引き取って養生させる医者」、いいですねえ。
そういうひとたちがいなくなったら(いないかな)この世はつまらない、と思うほうに一票(笑)
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蛸
at 2013-04-21 14:09
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ひょっとして、ノビルか? 子供の頃、よくたべた。
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saheizi-inokori at 2013-04-21 16:46
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saheizi-inokori at 2013-04-21 16:47
蛸さん、そうです、野蒜。
きれいに洗って味噌か塩をつけて、、ビールのつまみに最高です。
きれいに洗って味噌か塩をつけて、、ビールのつまみに最高です。
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sweetmitsuki at 2013-04-21 17:09
農薬よりも放射能よりも、わんちゃんの躯体から出たものはキレイですよ^^。
いやぁ、落語会も居残りも良かったですねぇ。
福建省訪問は、間違いなく“本気”でしたよ^^
福建省訪問は、間違いなく“本気”でしたよ^^
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豆ママ
at 2013-04-21 18:13
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明るい時間に居残り会、いィ~~ですねェ~。
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saheizi-inokori at 2013-04-21 20:29
sweetmitsukiさん、そうですよね、昔は母が肥え桶担いで人糞を撒いた野菜を食べましたよ。
でもこの道はほとんどひっきりなしにお犬さんたちのお通りなんです^^。
でもこの道はほとんどひっきりなしにお犬さんたちのお通りなんです^^。
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saheizi-inokori at 2013-04-21 20:31
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saheizi-inokori at 2013-04-21 20:32
豆ママ さん、呑み終って地下鉄で等々力に降りて、ふらふらと歩いて帰る、雨もしょぼしょぼと、その雰囲気が好きなのですよ。
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hanamomo06 at 2013-04-21 20:37
野蒜・・・・こちらでは『ひろっこ』といいます。
今晩の食卓に上がりました。
さっとゆでてから、酢味噌であえて美味でした。
我が家の庭にも出てきたので 明日掘ってみようかと。
saheiziさんさすが男性!生で味噌をつけて?
お近くだったらお届けできるのに・・・・。
中国行き、どうされますか?(笑)
ご近所の奥さまご主人が慶応出身、今年も三田会(同窓会の名前)へ行くんですよ~と毎年おっしゃいます。(笑)
今晩の食卓に上がりました。
さっとゆでてから、酢味噌であえて美味でした。
我が家の庭にも出てきたので 明日掘ってみようかと。
saheiziさんさすが男性!生で味噌をつけて?
お近くだったらお届けできるのに・・・・。
中国行き、どうされますか?(笑)
ご近所の奥さまご主人が慶応出身、今年も三田会(同窓会の名前)へ行くんですよ~と毎年おっしゃいます。(笑)
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saheizi-inokori at 2013-04-21 20:45
hanamomo06さん、ああ、生唾が湧いてきます。
昔東大駒場キャンパスのなかに野蒜が生えていて何回か採りに行きました。
今は遠いし、行ってみてもあるのかどうか。
中国、危険と聞けばなおのこと今生の名残に、という気持ちもあるのですよ^^。
昔東大駒場キャンパスのなかに野蒜が生えていて何回か採りに行きました。
今は遠いし、行ってみてもあるのかどうか。
中国、危険と聞けばなおのこと今生の名残に、という気持ちもあるのですよ^^。
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kuukau at 2013-04-21 22:39
ノビル、蕗の薹、つくし、よもぎ・・
東京も探せば山菜は取り放題(^^);
東京も探せば山菜は取り放題(^^);
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c-khan7 at 2013-04-21 23:01
雀三郎さん、一度TVで見た事があります。
新作だったと思いますが、スゴく面白くて、絵を書いちゃいました。まだまだ面白い落語家さんは沢山いらっしゃいますねぇ〜〜。
新作だったと思いますが、スゴく面白くて、絵を書いちゃいました。まだまだ面白い落語家さんは沢山いらっしゃいますねぇ〜〜。
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saheizi-inokori at 2013-04-22 09:40
c-khan7さん、私は未体験ゾーンかも。
楽しみがまたひとつ^^。
楽しみがまたひとつ^^。
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saheizi-inokori at 2013-04-22 09:41
空子さん、犬の散歩道を避けて、、それはあまりないかな。
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hanarenge at 2013-04-22 09:52
野蒜大好き!
田舎ではヌタにしました、春はおかずがいっぱいで嬉しかった。
田舎ではヌタにしました、春はおかずがいっぱいで嬉しかった。
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saheizi-inokori at 2013-04-22 10:11
hanarengeさん、お金を出して買わない、むしろ質素な野のモノが今は貴重ですね。
by saheizi-inokori
| 2013-04-21 11:34
| 落語・寄席
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