朱鷺メッセを覚えているか？ 国家の「危機管理」は？今こそ構造改革を！ 「耐震強度偽造問題」

２年前に新潟県朱鷺メッセの連絡デッキが突然崩壊した。完成後半年足らず、風も吹かず地震もないのに、である。幸い一人も橋を歩いてなかったなどの幸運に恵まれ怪我人はでなかった。この橋は県で造ったものだけに、事故後、丸山・長岡技術科学大学副学長を委員長とする「事故調査委員会」を設け事故原因などについて検討した。

http://www.pref.niigata.jp/kowankuko/gateway/messe_jiko/

事故調査委員会委員長と記者との質疑の中にあるやりとり

委員長「設計も多少不十分なところがあるので、誰かがチエックしてきちんとすればいいのです。今回はそういうものは一切ないようでした」
記者「設計者、施工業者、施工管理、みんなにそういう責任があるということか」
委員長「誰か一人が悪かったからアウトになったということは多分ないと思います」

この記録を読んで感じること。

①ちょっと前によく似たようなことが起きていたのだ。そのときは結構いろいろ勉強したようだが、そこで得られた教訓とはなんだったのか？
② 「多少不十分な設計でも誰かがチエックすれば出来た」

その誰かには施工業者、又ここでは巧みに（？）言及されていないが発注者である県も該当するはずだ。今度の姉歯・構造設計は、”多少不十分”などというレベルではなかったはずだ。施工業者・発注者がチエックできないはずはない。


「危機管理」ということが強く要請されている。企業内で大きな事故の萌芽が発見されたら、そういう事象の再発を防ぐためにあらゆる角度から徹底的な分析検討をして対策を打つ。優秀な企業は小さな事故を「神様の贈り物」と称して、これを奇禍として社内改革に乗り出している。


改革を旗印にしている日本の政権はこのたびの「耐震強度偽造問題」を「神様の贈り物」と考え徹底した問題分析を行い、土建国家の構造を改革すべきだ。