フォルスタッフ万歳! 彩の国シェイクスピア・シリーズ「ヘンリー四世」
2013年 04月 18日
松岡和子さんの「深読みシェイクスピア」以来、彼女の訳を台本に蜷川幸雄演出の「彩の国シェイクスピア・シリーズ」には毎年来ることにしている。
今回は「ヘンリー四世」。
(与野本町駅)
史劇だが喜劇と言ってもいいほど笑いの多い4時間だった。
立役者はフォルスタッフ(吉田鋼太郎)。
大玉送りの玉のような腹を抱えて舞台狭しと暴れ、卑猥、滑稽なセリフの連発。
嘘つき、卑怯、好色、貪欲、弱虫、狡猾、、ハル王子(のちのヘンリー五世・松坂桃李)に代表される高貴な騎士ないしは支配者とは真反対の男。
それなのに、身近に感じ、愛すべき者と感じる。
戦争に駆りたてられるフォルスタッフが名誉についての独白。
さいごにヘンリー五世に「友よ!」と語りかけるも「俺、お前なんか知らねえもん」と拒否される。
いささか残念なラストだが、そうであってこそ、フォルスタッフの生き方は完成する。
それが世の中、今に至るも。
舞台をまるでグランドのように広く長く使って見せた。
フォルスタッフがホラをふくところは落語の「弥次郎」、シャロー判事が言葉を繰り返すのは漫才の「のいる・こいる」のこいるを想起させた。
第二部の冒頭、客席に座りこむフォルスタッフや本物かと思うような(馬脚をみるまでは)おんまさんとか、楽しかった。
満員の99パーセントは女性、俺って変わり者なのか。
今回は「ヘンリー四世」。
史劇だが喜劇と言ってもいいほど笑いの多い4時間だった。
立役者はフォルスタッフ(吉田鋼太郎)。
大玉送りの玉のような腹を抱えて舞台狭しと暴れ、卑猥、滑稽なセリフの連発。
嘘つき、卑怯、好色、貪欲、弱虫、狡猾、、ハル王子(のちのヘンリー五世・松坂桃李)に代表される高貴な騎士ないしは支配者とは真反対の男。
それなのに、身近に感じ、愛すべき者と感じる。
戦争に駆りたてられるフォルスタッフが名誉についての独白。
名誉に、折れた脚の骨接ぎができるか?できない。ハル王子は”粘土頭の大ぐらい、頭空っぽのどアホ、助平きわまる脂肪のかたまり”とののしるけれど、大ぐらいで助平で脂肪のかたまりではあるけれど、断じて”あたま空っぽのどアホ”じゃない。
、、
名誉ってなんだ?言葉だ。名誉って言葉に何がある?、、名誉ってやつぁ何だ?空気だ。結構な結論だ。名誉の持ち主は誰だ?この水曜日に死んだやつ。そいつは名誉に触れるか?、、
さいごにヘンリー五世に「友よ!」と語りかけるも「俺、お前なんか知らねえもん」と拒否される。
いささか残念なラストだが、そうであってこそ、フォルスタッフの生き方は完成する。
それが世の中、今に至るも。
フォルスタッフがホラをふくところは落語の「弥次郎」、シャロー判事が言葉を繰り返すのは漫才の「のいる・こいる」のこいるを想起させた。
第二部の冒頭、客席に座りこむフォルスタッフや本物かと思うような(馬脚をみるまでは)おんまさんとか、楽しかった。
満員の99パーセントは女性、俺って変わり者なのか。
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kuukau at 2013-04-18 18:43
ジャンゴのデュカプリオはヘンリー4世がモデルだって。
狡猾、残酷、軽薄。よく演じ切りました。
狡猾、残酷、軽薄。よく演じ切りました。
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昔は、芝居は女、寄席は男と棲み分けが出来ていたんですが、寄席も女性が増えてきて、いよいよ男の行く場所が無くなりつつあります。
その女の世界に勇猛果敢に立ち向かう、これぞ男子の誉れ。
その女の世界に勇猛果敢に立ち向かう、これぞ男子の誉れ。
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at 2013-04-18 19:47
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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saheizi-inokori at 2013-04-18 20:23
鍵こめさん、瀧さんとはいろいろの付き合いですが、何をお望みなのかわかりません。よろしく。
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saheizi-inokori at 2013-04-18 22:02
空子さん、この劇のヘンリー四世は国民のことを考える、ある意味小人な男でした。
ジャンゴのほうが、、待てよ、、同じようなものか、デカプリやるなあ。
ジャンゴのほうが、、待てよ、、同じようなものか、デカプリやるなあ。
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saheizi-inokori at 2013-04-18 22:04
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saheizi-inokori at 2013-04-18 22:06
熊伍朗さん、今呑んできた居酒屋、女8人に男3人、変り者じゃないですよね^^。
4時間はあっという間ですか?
衣装とかも見応えありそうですね
衣装とかも見応えありそうですね
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saheizi-inokori at 2013-04-19 12:27
rinrin さん、正直なところ、ちょっと長すぎる感じがしました。
合戦場面などもっとカットできるのじゃないかと。
でも退屈はしなかったです。
フォルスタッフのお蔭です^^。
衣装はそれほどでもなかったかな、シンプル。
合戦場面などもっとカットできるのじゃないかと。
でも退屈はしなかったです。
フォルスタッフのお蔭です^^。
衣装はそれほどでもなかったかな、シンプル。
フォルスタッフは、前に、万作師が狂言で演じました。幸弘の無茶笛や大鼓もあって・・もう1回、あれをみたいけど・・もうしないのかなー。あれから「まちがいの狂言」へと張って新したのです。
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saheizi-inokori at 2013-04-20 11:08
ginsuisen さん、フォルスタッフは永遠のトリックスターですね。
居残り佐平次も脱帽です。
落語のほら吹き弥次郎なんかもよく似てます。
そういえば漫才ののいる・こいるのこいるのギャグをやる判事も登場しました。
居残り佐平次も脱帽です。
落語のほら吹き弥次郎なんかもよく似てます。
そういえば漫才ののいる・こいるのこいるのギャグをやる判事も登場しました。
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ginsuisen
at 2013-04-20 11:34
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saheizi-inokori at 2013-04-20 21:12
ginsuisen さん、PCの文字転換は思いがけないことをやってくれて楽しい時もありますね^^。
発展はすぐにわかりましたよ。
発展はすぐにわかりましたよ。
by saheizi-inokori
| 2013-04-18 12:42
| 能・芝居
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