ぜひ再訪したい小浜の古刹 越前の古い町

牛じゃないけれど、なんども旅の思い出を書いては反芻している。
一粒でなんどもうまいのじゃ。
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初日の永平寺は少々期待外れ、暑かったせい?それとも司馬の「越前の諸道」で道元の教えに反した大伽藍だという記述に影響を受けたのかもしれない。
宗教だって生き延びていくためにはマーケティングが必要、人々の尊崇をあつめるためにはびっくりするような大伽藍も必要だったのかもしれないけれど。
もっともそういう発想ではなく、ひたすら座禅によって悟りを求めるというのが道元、人々の尊崇などは迷惑だったかもしれない。
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巨大な建物の中、階段を上り下りして、途中で修業中の若い僧にもあったが、緊張感が伝わってこない。
建物を支配するのは大きさ、ただそれだけのような感じを受けたと言ったら言い過ぎだろうか。
寺の前の商店街で、新入生らしい僧が幼い屈託のない顔をして親と記念写真を撮っている。
先輩らしい僧たちが何人か、一緒に並んで、店の人がシャッターを押している。
別に悪いとは言わないけれどなあ。
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翌日、シエフ夫妻が美浜原発ともんじゅの近くまで車で連れていってくださった。
美しい浜にみんな平和に暮らしていたんですよ
「水晶浜」、若狭国定公園の看板もあった。
ここから昨日の店まで15キロくらいか。
堀江邦夫「原発ジプシー」に出てくる美浜原発だ。
ここで下請け労働者として働いた堀江が泊ったような宿が、寂しげに佇立している。
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市内に戻って寿司をいただき気比神社に参拝して敦賀駅で皆さんとお別れ、カミさんと小浜に向かった。
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駅に迎えに来てくれた宿の女将が、今日の内に行っておくと明日の行程が楽になるからと、日没閉門間際の羽賀寺に電話して車で案内してくれる。
716年創建の古寺、長く秘仏とされていた十一面観音↑、彩色も残っていて、ひざ下まで伸ばした右腕が印象的だ。

始めは永平寺のあと、三国港の民宿に行ってウマイ肴でも食うかと思ったら金曜日が満員、それで方向転換して小浜に来たので、ここがこんなに素晴らしい仏たちの故郷とは知らなかったのだ。
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八つあるという国宝級の名刹、そのなかで今回参ることができたのは、羽賀寺、明通寺、神宮寺、妙楽寺の四つ。
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いずれも小さな里山の懐に抱かれて美しい姿を誰に誇るともなく静かに建っている寺ばかり。
”名園”などはなく、むしろ無造作に剥き出しの”村の寺”の佇まい。
お堂の中は薄暗いけれどじっと間近に仏像に対していると、慈しみに満ちたお顔・姿が浮かび上がってくる。

驕り高ぶり、貪り、不平不満、、俺の心にたまった垢が溶けて流れていくようだ、一瞬だけだが。
自然にこうべを垂れて、だれにともなく謝りたくなる、傲慢・貪欲な自分を。
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神宮寺、東大寺のお水送りの閼伽水はこの寺の若狭井↓から汲まれたのち、鵜の瀬から流される。
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鵜の瀬と奈良東大寺の間を結ぶ地下の水道があり十日を経て奈良に着くのだという。
二月堂で大仏開眼のために修二会を行った際、全国から招かれた神々のうち、若狭の遠敷明神だけが漁に夢中になって遅参した。
それでお詫びのしるしに、以後閼伽水を送る約束をして、二羽の鵜に地下水道を作らせたというのだ。
魚取りに夢中になって遅参!神様もいいとこあるじゃん。
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(鵜の瀬)
規模の大きさを競うのではなく、救いを求めてくる衆生の心に向かい合うことを大事にしているような寺と仏様たち。
参るのは俺たちだけ、ゆっくりしたければいくらでもそうしていなさい、といわんばかり。
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妙楽寺には住職が留守だったけれど、寺の関係者らしい老人がいろいろと説明をしてくれた。
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明通寺には樹齢五百年のカヤの巨木があった。

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小浜お魚センターで、ノドグロやササガレイ、タイの笹漬けなどをお土産にして現世の欲望も満たしました。
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市内、三丁町、「ちりとてちん」の舞台になった古い町並み。
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こんどはレンタカーを借りてゆっくり気の向くままに歩いてみたい。
Commented by kuukau at 2013-03-14 12:41
こんなに美しい海があるのにどうして原発なんか誘致したのかねぇ。福井=原発のイメージで観光客の足が遠のくとは思わなかったのかしら?
ま、神社仏閣と観光客もミスマッチだけど・・信者だけでは食えない時代だから仕方ないけど。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-14 14:14
空子さん、小浜の寺が貧乏だから老朽化してもなかなか直せないのです。
その風情が好いと思う罰当たりな隠居でした^^。
Commented at 2013-03-14 14:43
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-14 15:16
鍵コメさん、そうだったのですか。
なんだか、物語を感じます。
美しく哀切、と勝手に思いこんでしまった物語です。
Commented by koro49 at 2013-03-14 16:14
>”名園”などはなく、むしろ無造作に剥き出しの”村の寺”の佇まい。
歩いてみたい。
いつかの場所にメモしておきます。

Commented by rinrin at 2013-03-14 20:57 x
福井は行ったことがありません
息子たちは大学の友達がいて、海のものや陸のものが美味しい!!!
と絶賛しますよ
今原発を見るとなんだか切なくなりますね
Commented by 豆ママ at 2013-03-14 22:55 x
小浜といえば・・・朝ドラの「ちりとてちん」には泣かされました・・・。
Commented by silku928 at 2013-03-14 23:39
お寺巡りいいですね。
私も晩年は...♪。

こういう景色を見るたび、日本に生まれて良かったと思います。
いい旅ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-15 00:14
koro49 さん、そちらから直通の飛行機はないかもしれないですね。
娘さんと一緒に東京からいかれたらいいですね、
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-15 00:17
rinrin さん、ここもイーハトーブかもしれません。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-15 00:18
豆ママ さん、私はテレビドラマを見ないので知りませんでしたよ。
でも親しさを感じる良い町でした。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-15 00:19
silku928 さん、晩年といわず、、^^。
Commented by maru33340 at 2013-03-15 05:10
僕も二年間北陸に単身赴任していたので、懐かしい風景です。
日本の原風景、という気がします。
Commented by LiberaJoy at 2013-03-15 08:03
この旅行記をじっくり読むと、寅さんが全国各地を歩いて、山田洋次監督が毎回旅行記仕立てにしていたことを、思い出します。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-15 10:21
maru33340さん、東北の好さとはまた違った懐かしさですね。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-15 10:23
LiberaJoyさん、そうでしたかね。
フーテンのようにあちこちさ迷い歩くのも又楽しからずや^^。
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by saheizi-inokori | 2013-03-14 12:23 | こんなところがあったよ | Trackback | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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