薄煕来は悪党だ 昨日の記事↓への補足
2013年 02月 19日
重慶市書記として暴力団や汚職撲滅に力をふるい、大衆的支持のあった薄煕来が、つまり”正義の士”が、既得権益を守ろうとするボス政治家のフレームアップによって妻もろとも失脚したかのような印象を与える文章になっている。
薄煕来夫妻の事件について新華社などが伝えているストーリーは中国共産党政権の恥部(=スパイと政府高官の交流・不正蓄財など)を隠すための嘘であり、妻の谷開来がイギリス人を殺した動機は別にあるというのが本書の眼目。
それは昨日も書いた通りだが、薄煕来が大衆の味方、正義を行うがゆえに腐敗した中央から消されたということではない。
それどころか薄煕来こそ、権力を握るためには暴力団と手を結び、ライバルを冤罪で死刑にし、目をつけた民間経営者からは法律も自在に操り資産を没収、カスリ(といっても莫大)をふところに入れて不正蓄財をしていた。
文化革命の悲劇の教訓は個人崇拝を二度と許してはならないということだった。
薄煕来は無謀な権力闘争に敗れ過去積み上げてきた悪事が追及されそうになったのを乾坤一擲、挽回しようとして暴力・腐敗滅亡を標榜し、毛沢東に帰ろうと大衆を煽動したのだ。
自らを毛沢東のイメージに重ねて熱狂的大衆の後押しで中央制覇を狙う。
まさに個人崇拝の再来を画した。
胡錦濤は早くからそういう薄煕来の危険性に気がついていたから密かに情報や事実を集めていた。
しかし、下手に手を出すと中国の現状に不満をもつ大衆のエネルギーに火をつけてしまう。
更に江沢民などの反動権力を下手に敵に回してはならない。
王立軍のアメリカ領事館への駆け込み訴えや妻・谷開来の殺人露見などは千載一遇のチャンス、薄煕来を斬るのに絶好の口実を与えてくれた。
それでもなお、大会の前なのか後なのか、一気に?それどころか段階的に?
どういうやり方で?
本書には、薄煕来およびその父・薄一波の目的のためには手段を択ばない悪辣な半生や中国の政権がどういうダイナミックスで動いているかなどについての生々しいドラマが明らかにされている。
しかし、、真実はどうなのか、それは分からないのです。
本はそんなに面倒なことないです^^。
しかし、可能性を知る事は大事かと、
最大の理由は毛沢東崇拝が清算されていないこと、複数政党が認められていないことにあります。
ただその点を認めてしまうと、現在の中国の体制は崩壊することになります。
ただし、その後に誕生する政権や国家が日本にとって吉とでるか凶とでるか、そこは分かりません。
悩ましいところです。
大きすぎる!
日本も太平洋戦争の経験を清算(反省&分析)していないし、政党数は多くあれど、実際に政権を担えるだけの経験を積んだ政党が存在しないので、他の国から見たら???の多い国でしょうね、きっと。