酔っ払ってしまったよ お母さん助けて

というわけで今日は母のうた。

戦前の暮し問はるや文化の日

ほっそりと藤村の墓秋薄日

笊の目を眞白に洗ふ冬近し

うしろから秋冷つのる机上かな

密雲の東京タワー冬の色

夫ならぬ子の服手入れ夜長き



「最後の言葉」という映画、俺は知らなかった”川嶋あい”というシンガーソングライターの物語。養母の「”あい”を歌手にしたい」という思いに答える為にも１０００回のライブをやり遂げる。途中で母は亡くなるが、自殺を思いとどまってやり遂げる。実の両親とはあったこともない。施設にいたのを２歳で養子となったのだ。養父・母がいなくなれば全く身寄りのない孤独のなかで生きていく。支えは亡き母との約束、ライブを続けることと仲間・フアン。淡々・切々と本人が正直に語る母に対する「ありがとう」の物語。１０歳で父親を亡くすとか俺と似た状況があるせいか映画の作りは素人っぽいがだんだん引き込まれてしまった。俺は彼女のように母を亡くしたことをストレートに悲しむことも出来ないつまらない人間だということもよくわかった。