歴史的名演!権太楼の「芝浜」 50両の勝負は権ちゃんの勝ち 「さん喬・権太楼 二人会」
2012年 12月 30日
開演前に二階も一杯、立ち見も多い。
始まる前から笑顔が一杯。
酒におぼれた熊さんが、芝浜で50両入りの財布を拾ったのは夢だった。
それを思いこませるカミさんの迫力。
酒をやめて立派に魚屋を立て直した大晦日、カミさんの告白を聞いたときの熊さんの
ウソついた?だましてた?今の今まで、、?抑えた言葉が凄みを利かせる。
カミさんが、大家と相談して「どうでも夢にしなければ熊は大変なことになる」と言うアドバイスに従ったけれど、今年の2月、
雪が降ってさ、ごほごほ風邪ひいてさ、休んだらどうかと言ったのに、、魚を待ってる客がいる、借金もあるし、って、、借金なんてないのに、、雪ん中背中丸めて出ていくのを、、それウシロから、こやってこやって(手を合わせる)、、もう元に戻ってもいいぞって、乞食になっても、、そんときゃ私も一緒に乞食になってもいいって、肺腑をえぐるような告白に、熊さんみるみる目を潤ませて
怒っちゃいねえ、、怒っちゃいねえつぶやくようにいう。
カミさんが仕事に出るときの支度を準備万端しておいたこと、浜辺の朝景色、最後に熊さんが大仰に手をついて謝る、、いろいろな定番のシーンを大胆にカットして、夫婦の愛の物語に結晶させた。
去年、同じ権太楼で聴いた「芝浜」とはまるで別の噺かと思うほどの純化、権太楼が夫婦になり切っての熱演が空回りせず、文句のつけようのない出来だ。
ことし聴いた落語の中はもとより、今まで聴いたなかでもベストに入る。
終わって、お辞儀をして、恒例の三本締めのために、さん喬が手拭いを目に当てて登場、席亭も「泣いちゃうね」と言ってたが、いずれも演出ばかりとは思えなかった。
酒にだらしのない熊さんが目の前の酒の誘惑に負けて一杯、一杯又一杯、言い訳を言いながら自分を許して飲み続ける。
可愛い権太楼に会場揺れんばかりの大笑い、それがあった後の「芝浜」で静まり返った末広亭がひときわ輝きを増したのだ。
さん喬は中トリで「文七元結」をやったが55分の長講が長く感じられるような出来、人情噺のさん喬という定評が逆にお決まりの”達者な”語りになって感動が薄かった。
むしろ、いつも思うのだがさん喬は滑稽噺に精彩があって、今日も「寝床」は、旦那の声鳴らしが「あい!あーおう、ぶるぶる、、(声が)出ない!」と猛烈で爆笑、いい出来だった。
さん喬が滑稽噺、権太楼が人情噺とイメチエンもあり?
他は喬四郎「新作」、小権太「壺算」と来年、再来年真打昇進が予定されている二つ目がチャンスを与えられたが、権太楼が「来年から6時開演にしましょう、そうすればあの二人を聴かずに済む」とジョークを飛ばしたのがマジに聞えた(小権太はともかく喬四郎)。
手作りだというオデン鍋の帽子、大根、ハンペン、辛子チューブ、、、ネタを山盛り、をかぶって、つけホクロの位置を変えるたびに千昌夫、寅さん、ちあきなおみ、石川さゆり、、物まねを舞台狭しと跳んだり跳ねたりしてみせた。
終わって、落語研究会のお仲間3人と近くの店で軽く打ち上げ。
顔見知りの店のオーナーが次から次へと料理を差し入れてくれた。
どうもこのところ”恵まれない爺”オーラがたちこめているらしい。
終わりよければすべてよし、今年の落語会も、シャンシャンシャシャシャン!
めでたく〆となりにけり。
91本に及ぶ落語記事、お付き合いいただきありがとう。
来年も蛇のようにのたくった記事が続くと思いますが、よろしくお願いします。
毎回感心するのはコメントの多さです。それはもう人柄としか言い様がありません。
どうか良いお年を、そして来年も宜しく。
こちらこそよろしくお願いします。
私はどんどん視力が落ちてきてなかなか読書が叶いません。
読みたい本は沢山ありますが。
眼科の先生の話では視力低下は年齢相応で致し方ないそうでした。 年齢と共にだんだん不都合が出てきます。 無理をしないでゆっくりやります。
来年は更に厳しい年になりそうですが、被災地の方々の事を思うと胸が痛みます。
いつまで本を読めるか、心細いことです。
だから日々が楽しいのです。
色々勉強させて頂いています。
ありがとうございました。
何よりも健康第一で!良いお年を!
こんなに情熱を傾けることがあることはなんて素晴らしいのでしょう。
生ガキに釘づけです。和風の食べ方は絶品です。
お元気で良いお年を。サンチ君によろしく。
ぎょえぎょえーーーまたまたよだれをそそる美味しそうな写真の数々
魚えーー大好きな牡蠣
今頃、おせちに腕を振るっているころでしょうか?
また、楽しくて美味しい新しい年を元気で過ごしてください
来年は、落語に連れて行っていただきたいと思っています、、、笑
また、来年も引き続きよろしくお願いします
あなたはちょっと大変ですね。
来年はもっと厳選します、、つもり。
落語、行きましょうね。
やっぱり・・・「芝浜」、深化してたんですね・・・今年は行きます、必ず。