子どもたちよ 健やかに育ってくれ 上橋菜穂子「獣の奏者」(Ⅰ 闘蛇編)

前に紹介した信濃町の版画家・池田充君が、先日までパリで個展を開いていた。
フランス語の案内が送られてきたのをここにアップできなくて申し訳ないことをした。
子どもたちよ 健やかに育ってくれ 上橋菜穂子「獣の奏者」(Ⅰ 闘蛇編)_e0016828_9293683.jpg
一茶の句を版画にするのが有名な池田君だが、今回はフランス人の俳人・マブソンを中心とする青眼句会の人たちの原発に関する句を素材にしたもの。
その句集「フクシマ以後」のことも前に書いた。
花の上 花散る 吾子よごめんなさい (マブソン)
氷雨降る おっぱい迄に 放射能 (池田)
子どもたちよ 健やかに育ってくれ 上橋菜穂子「獣の奏者」(Ⅰ 闘蛇編)_e0016828_9372887.jpg
知識もなく、ほかの子どもより、ほんのすこし理解するのがゆっくりであるために、自分をだめだと思いこんでいる子どもにものを教え、その子が、それを理解したときの―自分でも大丈夫、そういうことがわかるのだと気づいたときの目の輝きを見るのは、なにものにも代えがたい喜びだ
これは、「獣の奏者」Ⅰ「闘蛇編」に出てくる言葉。
主人公エリンの親代わりをする蜂飼い、実はかつてタムユアン学舎の教導師長だったジョウンの感慨だ。

子どもを想う句であり言葉だ。
子どもたちよ 健やかに育ってくれ 上橋菜穂子「獣の奏者」(Ⅰ 闘蛇編)_e0016828_9471481.jpg

Commented at 2012-12-20 12:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2012-12-20 19:34
鍵コメさん、多彩、多才ですねえ^^。
Commented by poirier_AAA at 2012-12-20 20:56
佐平次さん、ヒドい、展覧会が終わる前に教えて下さいよ〜。

「闘蛇編」を読むと、学ぶ楽しさ教える楽しさを考えますねぇ。エリンの知りたい、もっと知りたいという熱意がまわりを動かしていく様子に、胸が熱くなりました。
Commented by saheizi-inokori at 2012-12-20 21:16
poirier_AAAさん、すみません、なんせ全文フランス語の案内だったものだから。
大学の第三外国語はフランス語だったんですが、途中で放り出してしまった怠け者です。
エリンに恥ずかしい。
Commented by takoome at 2012-12-21 00:54
サワディ〜カ〜
やっぱ、日本の文化に枯渇してます(/ _ ; )
Commented by saheizi-inokori at 2012-12-21 11:05
takoomeさん、これは身体にしみこんでるからときどき補充してやらないと枯渇しますね^^。
Commented at 2012-12-21 11:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kuukau at 2012-12-21 11:33
一茶が最後を過ごした蔵をみましたyo。想像を絶する住まいでした。土がむき出しの土間にムシロを敷いて…
親の遺産相続で揉めて、俳人一茶の側面をおばちゃんはミタw
Commented by saheizi-inokori at 2012-12-21 13:40
鍵コメさん、嘉田知事がんばれ!ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2012-12-21 13:46
kuukauさん、私もみましたよ。
一茶は権力におもねることなく弱く小さな者たちに優しい目を向け続けました。
子供好きなのに幼子を亡くし故郷に居場所も用意されなかった一茶は生きるためにも必死だったと思います。
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by saheizi-inokori | 2012-12-20 09:53 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori