Ｑちゃん ありがとう 三浦展「下流社会 新たな階層集団の出現」 （光文社新書）

２年間止まっていた時計が動き出した。久々のＱちゃんスマイルでインタビューに答える。
「失意の底にいる人、夢を見失っている人に言いたい。どんな人にも２４時間と言う時間は平等に与えられる。どうか、一日一日を夢をもって大事に生きてください」。


「下流社会」によると、「下流」とは、単に所得が低いと言うことだけではなく、コミュニケーション能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、、など総じて人生への意欲が低いことも特徴らしい。所得が低いからそうなるともいえるが、そういう風だから所得も上がらない。ダラダラと生きてダラダラと歩く。それが楽だから。

でも、本当にそれが楽かどうか、いづれはっきりする。人生の半ばを過ぎる頃には分かってくる。個人としても困ったことになるが、そういう人を抱えた社会も困る。低所得の中で”自分らしさ”だの”オンリーワン”だのと言うまやかしの言葉に騙されている階層が、今の一握りの富裕層を軸とする自民党の政策にとっても都合がよいかもしれない。とりあえずは、である。

地方では若者の就職先が見つからない。都会でも「下流社会」の出現。こんなことがいつまでも続いていい訳がない。富裕層ないしは準富裕層はその階層を落ちこぼれたら、中間と言うことではなく下流に落ち込んでしまう、自分だけでなく子供たちも親が下流だと浮かび上がれない時代の恐怖。それが高級官僚・マスコミ・大企業幹部の保身につながり不作為・責任転嫁集団化の滔々たる流れをつくっている。

上が無責任、下が無気力、そんな国で憲法改正だの少子化対策などナンセンスだ。


Ｑちゃんは、まるでこの本を読んでいたみたいに澱みなく人びとにメッセージを送った。
２年前東京国際マラソンで逆転負けをしたのをみていて俺は、この子はこれで終わった、と感じた。そんな顔をしていたように見えた。その後今日に至るまでの心理的な葛藤や苦しみは想像を絶するものがあっただろう。あの、一見かよわな女の子がそれに耐え抜いて今日の結果を生んだ。それは間違いなく彼女の言うとおり「夢をもって」毎日を大事にしてきたからだろう。

今日のメッセージは「下流」にヨドンでしまおうとする若者、それをいいことに無責任に生きる「上流」の人々双方に向かって発せられた警世の言葉だと受け取りました。